VIRGIN HARLEY | 第2回 バッテリー電圧降下・始動不能状態 メカニック芦田のメンテナンス講座

第2回 バッテリー電圧降下・始動不能状態

  • 掲載日/2009年07月12日【メカニック芦田のメンテナンス講座】
  • 執筆/ハーレーダビッドソンシティ中野店 メカニック 芦田 剛史

皆様こんにちは、メカニック芦田です! 早くも2回目を迎えてしまいましたこのうさんくさいメンテナンスコラムですが、当の本人は実に大真面目に書いております! 生きていく上であんまり役に立たないものではありますが、されど! ことバイクに乗る上で役に立っちゃうこの知識! ひとつでも身に付けておけば自身のハーレーライフがよりよいものとなるでしょう。さぁ今回も張り切っていきましょう!!

今回のクランケ:1997年式 FXSTSB バッドボーイ

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症状:バッテリー電圧降下・始動不能状態

「数ヶ月前にバッテリー交換したばかりなのに、バッテリーが上がってしまった。漏電してるのか、ただの放電なのか分からないので診てください」とのご依頼。保証期間は適応できず、異常か正常か、判断を慎重に行いたい。もしかして…ただのモヤシバッテリーじゃないのか!?

陥りやすいポイント:蓄電、漏電、発電、放電…。根性の足りないバッテリー

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スターターがエンジンを回転させる動力は、バッテリーに蓄電された電気エネルギーから生まれるもので、これを使用してスターターを回転・運動させます。この際にクランキング(クランクが回転すること)しないことが今回の問題点なのですが、原因としてかなり多くの原因が想定されます。もし本当にバッテリーが原因だとしたら、なぜ電気が蓄電されていないのかを適切に断せねばなりませぬ! 誤った入り口を選んでしまうと、途方もない迷路に迷い込んでしまうのです。皆さんも愛車のこういった現象には注意してみてください。「転ばぬ先の何とやら」ですよ。

補修手順を見てみよう!

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【01】根性見せろ!バッテリー殿!

何にしても、まずは動かしてみなくては。イグニッションをオンにしてみると、灯火類も点灯しません。早速バッテリー電圧を測ってみると……わずかに6.59ボルト! このバッテリー、根性まったくなしですよ。
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【02】鬱っぽいバッテリーに愛の手を

まずはSST(ハーレー専用のスペシャル・サービス・ツール)のバッテリーテスターでバッテリー本体の診断をしてみます。結果、“充電して再テストせよ”との指令が出ました。かしこまりました!
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【03】ひと晩の入魂も暖簾に腕押し

ひと晩充電して電圧を測ってみると…何と!たった6.61ボルトですよ。ひどいショックです。充電器を変えてみると充電異常が出ました。内部抵抗には異常がないようです。このバッテリー、ご臨終っぽいですね。
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【04】黒幕を暴き出せ!

バッテリー殿が死んだ背景には、黒幕がいるかもしれません。まず充電システムをチェック。このチェックはメカニックなら常識ですが、仕組みを理解していないとちょっと困っちゃうんです。再びSSTにて確認!
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【05】原因は愛の垂れ流しか?

続いてドロップダウンテスト(漏電していないかチェック)で、車体(アース)からバッテリーへの電流量を計測。この実測値により、何が電気をムチャ食いしているか判断できるのです。しかし黒幕出ず!
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【06】結局……モヤシバッテリー

原因として考えられるのは「以前付けていたセキュリティ装置」か「長期駐車による漏電」、「バッテリー自体の神風的短命」といったところ。バッテリーを取り替え、再度システムチェック! すべて異常なしです。

防ぐためのメンテのツボ

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気配り上手で
上司とバッテリーに好かれましょう

バッテリー交換する際、気を付けていただきたい点はたくさんあります。H-D純正のMFバッテリーの端子ボルトには3世代ありまして、1世か3世を使うのをオススメします。2世は食い付きがいいのですが、端子が付いて回るのがちょっと面倒です。そしてバッテリートレーにしっかり収まっているかといったところもチェックポイント。余計な振動はバッテリーの故障原因にもなりますからね。それでも不調があるようならば、正規ディーラーでの診断が必要です。保証期間内のバッテリー異常なら、その方がお得ですからね。

プロフィール
H-Dシティ中野 メカニック 芦田 剛史

広畑日産自動車・H-D事業部で経験を積み、25歳のときに「アメリカのディーラーに勤めたい」と単身渡米。アリゾナ、ラスベガスと約2年間におよぶディーラー勤務を経て帰国。現在はH-Dシティ中野店でメカニック主任として活躍中。V-RODでドラッグレースに興じるなど、幅広いハーレーライフの楽しみ方を知っている。

取材協力
住所/東京都中野区野方4-42-9
営業/10:00~20:00
定休/水曜日
電話/03-6909-1180

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