VIRGIN HARLEY |  第7回 ツルツルタイヤをぶっ飛ばせメカニック芦田のメンテナンス講座

第7回 ツルツルタイヤをぶっ飛ばせ

  • 掲載日/ 2009年12月16日【メカニック芦田のメンテナンス講座】
  • 執筆/ハーレーダビッドソンシティ中野店 メカニック 芦田 剛史

ついに!! 2009年も残りわずかとなりました、皆様いかがお過ごしでしょうか?  毎度お馴染みメンテナンスコラムも最終回……ってのは冗談で、今年最後の更新となりました。2009年を美しく儚げに飾れるか? 芦田のペンが冴え渡ります、第7回メンテナンスコラム、気合いを入れていってみましょう!!

今回のクランケ:2001年式 FXDL

ハーレーメンテナンス講座の画像

症状:ツルツルタイヤをぶっ飛ばせ

車検点検でご入庫のFXDL、マイナーチェンジ前の風格ある伝統の車両、通称“ローライダー”ですが、車検点検時にメカ魂にグッとくるツルツルタイヤを発見! お客様に連絡後して、ツルツルタイヤの危険性をホウレンソウ。「きっちりやってくれ」との指令をちょうだいし、中野店サービスやらせていただきましたタイヤ交換!

陥りやすいポイント:見逃してはいけません!年末ジャンボとツルツルタイヤ

ハーレーメンテナンス講座の画像

フロントタイヤの磨耗が著しく進行している場合、最も危険なのは悪路やウェット走行時の「タイヤロックによる転倒」です。こちらは車両に大きなダメージを与える上に死亡事故にも繋がります。特にフロントタイヤは相当のテクニックがなければ、ロックした車両を立て直すのは困難です。良質なコンパウンドが削れてしまった状態では、タイヤも本来の性能は全く発揮できないのです。これは高性能タイヤであっても同じことですので、こまめにスリップサインを確認してみてください。

補修手順を見てみよう!

ハーレーメンテナンス講座の画像

【01】浅いのう、オヌシ

ざっと磨耗した状態のタイヤ溝を測ってみたところ、わずかに0.75?、ちょうどスリップサインが出てくる頃合いですね。サイドウォールにも結構硬化しているので、ここは要チェックです。
ハーレーメンテナンス講座の画像

【02】たかだ脱着と思うなかれ

段取り良くタイヤ脱着まで辿り着くために、ホイールアッセンブリーを車体から取り外していきます。キャリパー、フェンダー、ピンチボルト、アクスルシャフトと続けましょう。
ハーレーメンテナンス講座の画像

【03】彼女のハートとチェンジャーを意のままに

今回はタイヤチェンジャーを使用して、バシバシタイヤを外していきます。モーターとエア圧を利用したかなりパワーのある機械ですので、失敗は破損と大怪我に直結します!
ハーレーメンテナンス講座の画像

【04】タイヤの中を覗きますか?

こうしてタイヤの中を覗いてみてください。こんなにエロ……ではなく錆びていたりするのです! 錆は十分に除去し、チューブとリムバンドはできるだけ交換するのをオススメします!
ハーレーメンテナンス講座の画像

【05】慎重に確実に

さぁ折り返しです。いつも言っていますが、ここからは絶対に油断大敵です。チューブを破ろうものなら、大罪に匹敵します。当店では肘の裏でグリグリやってビリビリさせるのです。
ハーレーメンテナンス講座の画像

【06】画竜点晴……

最後に忘れ物がないように、一つ一つ確認しながら組み付けます。そうしてエアを規定値まで入れて、ホイールを磨いてやります。バランス取りの話は、また別の機会にしましょう!

防ぐためのメンテのツボ

ハーレーメンテナンス講座の画像

バランスポイント?

タイヤのサイドウォールにカラーマーキングなど、ご覧になったことはございますでしょうか? これはタイヤの一番軽い部分を指しており、エアバルブとマッチングさせて相殺させる目的があります。これを揃えた上でバランサーにかけるのが最も基本的セオリーとされているのです。タイヤクリームなどは少なければ少ない方が良いとされていまして、揮発水分がタイヤ内に滞在して錆を進行させるとも言われています。水分が介在していると内部圧の熱膨張率も大きくなるので、最小限がベストですね。

プロフィール
H-Dシティ中野 メカニック 芦田 剛史

広畑日産自動車・H-D事業部で経験を積み、25歳のときに「アメリカのディーラーに勤めたい」と単身渡米。アリゾナ、ラスベガスと約2年間におよぶディーラー勤務を経て帰国。現在はH-Dシティ中野店でメカニック主任として活躍中。V-RODでドラッグレースに興じるなど、幅広いハーレーライフの楽しみ方を知っている。

取材協力
住所/東京都中野区野方4-42-9
営業/10:00~20:00
定休/水曜日
電話/03-6909-1180

関連する記事

ピックアップ情報