VIRGIN HARLEY |  第5回 タンデムツーリング時の調整サスペンション徹底解析

第5回 タンデムツーリング時の調整

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ひとくちに「ツーリング」と言ってもシチュエーションはさまざま。何泊もかけて走るロングツーリングや日帰りで行けるショートツーリングのほか、前回コラムで想定したソロツーリングと今回のタンデムツーリング。特にご夫婦やカップルなど、パートナーをパッセンジャーとして乗せる機会が多いライダーは気になる点でしょう。ふたりで快適なツーリングを楽しむためのセッティング、お教えします!

まずはソロ・セッティングの
状況チェックから始めましょう

前回は標準型である街乗り仕様としていたリアショックを、ソロツーリング仕様にセッティングしましたね。おさらいとして述べますが、ツーリング先では街中とは違う道路状況に遭遇することが多いですから、通常仕様よりアジャスターを2回転ほど上にあげてしなやかな動きを生むセッティングとしました。さて今回は荷重がアップするタンデムに合わせます。あ、体重のことは言っていませんのでご安心を(笑)。

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タンデムを快適に楽しむためのセッティング……皆さん気になるでしょう?

我妻店長のワンポイントアドバイス

ソロとは逆にストロークを抑えます

「タンデムする」ということは、乗車する人間が2人になるわけですから、当然バイクへの荷重がアップします。しかもパッセンジャーの乗る場所がリアフェンダー上部ですから、リアショックへの負荷は格段にあがりますよね。そのため、ソロツーリング時のようなしなやかな設定にしたままだと沈み込みが深くなり、ストロークし切ってバンプタッチ(つまりサスの沈み込みを使い切ってしまうこと)してしまうことになります。そうなれば衝撃がダイレクトにパッセンジャーに伝わる最悪の現象を引き起こすわけです。

もうお分かりかと思いますが、2人分の体重を支える設定にせねばならないので、ソロツーリング時とはまったく逆の、硬めのセッティングにする必要があるのです。前回のソロ設定時にはバネレート(バネが跳ね返る力)を伸ばしてしなやかな動きを目指しましたが、今度はアジャスターを下へと巻いていき、バネレートを硬くして通常よりもストロークを抑えてやります。これにより、2人分の荷重に耐えられる強さが得られるのです。右のイラストをご覧いただければ一目瞭然ですね。

今回の例は、例えばキャンプツーリングなどで多くの荷物を積載する方にとっても流用できる知識だと思いますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

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街乗り仕様を基準とし、ソロツーリング時は2回転上にあげる、タンデムツーリング時は2回転下にさげる、と覚えればカンタンですね。

自分でやるサスペンション・セッティング

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【01】アジャスターを回す

ソロツー仕様になっていたので、2回転 + 2回転の4回転ほど下にさげます。回転数はあくまで目安、まずは自分に合ったセッティングを探してみてください。
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【02】アジャスターが深い位置に

ご覧のとおり、アジャスターの位置を深くしました。これで完了……ではありませんよ。ここからライダーとパッセンジャーを乗せて、沈み込みを見ていきます。
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【03】ライダーの足つきを見る

まずはオーナーたるライダーに跨っていただきます。前輪を噛ましているのでかなり高い乗車位置になっていますが、大事なのはサスペンションの沈み込み。
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【04】この状態で数値をチェック

ライダーが乗車した状態でショック長とスプリングの長さをチェック。想定どおり、ソロ設定時よりも沈み込みが少ない状態になっているのでここはこれでOK。
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【05】タンデム乗車をしてみる

パッセンジャーに乗っていただき、タンデム状態での設定をチェックしましょう。あら、小瀧さんファンのパッセンジャーに対する目線が少し怖いです(笑)。
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【06】タンデム時の数値チェック

ライダー1名時と同様に、タンデム時のショック長とスプリングの長さもチェックしていきます。バンプタッチはしていませんが、思った以上に沈んでいました。
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【07】タイラップを有効に使おう

ご自身でチェックされる際は数値チェックも難しいでしょうから、こうしてタイラップを巻き、乗車後に小指一本分バンプから余っているかを基準に見てください。
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【08】アジャスターを微調整

想定していた状態と少し違っていた場合は、こうしてアジャスターを微調整しながらベストな状態に持っていきます。パッセンジャーへの気遣いは大事ですヨ。
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【09】近場を走って最終チェック

調整が済めば、パッセンジャーを乗せて近場を走ってみましょう。もちろん微調整前後で乗り比べながら感想を聞き、細かく調整していくのがベストですね。

小瀧さんインプレッション

修正しても違和感ないのは“さすが”

「セッティングを硬めにします」と聞いたとき、以前まで付けていたリアショックの衝撃を思い出したりして少々不安でしたが、実際にパッセンジャーを乗せて走ってみても特に妙な沈み込みもなく、言われていた硬さもまったく感じなかったですね。後ろに乗った人も「すごく滑らかで突き上げるような衝撃もないし、快適だった」とのことでした。これほど違和感もなく、ライダーとパッセンジャーが快適に乗ることができるというのは、“さすが”オーリンズのリアショックと言ったところですね。

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特に硬さを感じることなく、スムーズなライディングができましたよ。

2人で楽しむために必要な
セッティングをマスターしよう

繰り返しになりますが、タンデムツーリングの場合はライダーだけでなくパッセンジャーも快適かつ安心して乗れることが重要ですから、お互いが気持ち良く走りを楽しめる状態にせねばなりません。そうなるとリアショックだけでなくシートやステップ位置、シッシーバーなどプラスアルファの装備が重要にもなってきます。そういった状況下でリアショックが担う役割は非常に大きく、こうしたセッティングひとつでパッセンジャーのストレスを取り除くことができるのです。タンデムを楽しまれることが多い方は、ぜひ彼ら(彼女ら)の声に耳を傾け、その乗り心地が快適かどうか、気遣ってあげてください。

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2人で快適にツーリングを楽しむため、気遣いを大切に。
プロフィール
ウノパーウノ 尾山台店 店長
我妻 修

若い頃からさまざまなバイクを乗り継いできた、根っからのバイク好き。現在はスウェーデンのサスペンション『オーリンズ』のアジア・ディストリビューションである『カロッツェリアジャパン』の社員として、同社が運営するオーリンズ・サスの販売店『ウノパーウノ』尾山台店の店長を務める。

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