VIRGIN HARLEY | 第1回 何がよくてこんなに乗ったんだろう ツーリング・ゼミナール 中村 友彦

第1回 何がよくてこんなに乗ったんだろう

  • 掲載日/2011年07月27日【ツーリング・ゼミナール 中村 友彦】
  • 執筆/中村 友彦

2006年に新車で買ったスポーツスター883を、5年間で7万4000km乗った。この数字は、ハーレーの世界では特別珍しくはないと思うものの、僕の中ではダントツ1位の新記録だし、これだけ走っても全然飽きていないことに、我ながらびっくりしている。そしてここ最近、“何がよくてこんなに乗ったんだろう”と考えていたところ……、1ヵ月ほど前に“お、これだったのか”と思える事態に遭遇した。

先に結論を言ってしまうと、僕にとってスポーツスターの最大の魅力は、“環境適応能力の高さ”である。もっとも、そのことは以前から意識していて、ツーリングで遭遇するさまざまな状況を楽しみに変換して走り続けられるという点で、このバイクは相当にあなどれない資質を持っていると思っていた。だが1ヶ月前のあの日は、友人の人生初ツーリングの付き添いだったのだ。その友人は今年に入って免許を取ってVTR250を買ったばかりで、となると、これはもう相当にかったるくて、ストレスが溜まるだろうと覚悟していたのだが……。

まったくそんなことはなかった。もちろん、ペースはかなり遅めで、峠道では2輪だけではなく4輪にも抜かれることがあったけれど、バックミラーに写った友人の姿を常に確認しながら、ラインとブレーキングポイントをそれとなく示しつつ、僕自身も荷重や抜重のタイミングを改めて意識して走るのは、それはそれで、すごく楽しかった。前述したように、僕は以前からスポーツスターの環境適応能力の高さに感心していたのだが、こういった状況下ですら、“それはそれで”という気持ちで楽しく走れるのは、何とも予想外の展開だったのだ。

僕は仕事を通して、これまでにさまざまなバイクでツーリングに出かけている。でもスポーツスターのような環境適応能力を持つモデルは、ちょっと他に思い当たらない。世間でオールラウンダーと呼ばれることが多いツアラーやネイキッドにしたって、日本の道をツーリングすれば、たいていはどこかで我慢する場面に遭遇するのに、スポーツスターに乗っていて、“ツラい”とか“どいてくれ”とか“さっさとこの場面を離れたい”なんて思ったことはほとんどない。だからこそ僕は、飽きることなく、7万4000kmを走ってこれたんだろう。

プロフィール
フリーライター
中村 友彦

1900年代初頭の旧車から最新スーパースポーツまで、あらゆるバイクに興味を示す業界16年目のフリーライター。最近のハーレーではFXCWC ロッカーCとVRSCF V-ROD マッスルがお気に入り。愛車は’06年型スポーツスター883、’76年型トライアンフT140V、’09年型スーパーカブ50など。

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