VIRGIN HARLEY | 第6回 ライディングポジション② ツーリング・ゼミナール 中村 友彦

第6回 ライディングポジション②

  • 掲載日/2011年12月21日【ツーリング・ゼミナール 中村 友彦】
  • 執筆/中村 友彦

ブレーキ/クラッチレバー

中村 友彦の画像

2本のレバーは、上が純正で下が改造後。改造後はハーレーらしさがやや薄れたものの、扱いやすさは格段に向上した。

スポーツスターのブレーキ/クラッチレバーは、4本握りを前提としているかのようなゴツい作りである。このレバーを握っていると、“俺は今ハーレーに乗っているんだ”感が濃厚に味わえるものの、僕個人としてはできることならブレーキは2本(人差し指+中指)で握りたいし、このゴツさはマシンとのコミュニケーションを曖昧にしている気がしないでもないので、純正をベースに細身になる加工を施すことにした。

とはいえ、レバーを削るという作業は素人にはなかなか難易度が高い。そこで、過去にこの作業を何度もやっているジョッキーの新井さんにある程度まで削ってもらい、それをベースに自分なりの加工を行うことにした。その結果が右側写真の下である(上は純正)。

出来上がったレバーはかなりの好感触で、ブレーキとクラッチのタッチが良好になった結果、ツーリングにおける快適性は格段に上がったと思う。余談だが、こうやって自分の理想を追求した後に、仕事でいろいろなハーレーを試乗してみたところ、同じように見えるゴツいレバーでも、Vロッドに採用されるブレンボ製だけは、タッチが全然違うことが発覚。おそらく、他のパーツサプライヤーと同様、開発時にはハーレー本社からいろいろと注文があったはずなのに、その中で自社の主張をきっちり押し通すあたりは、さすがこの分野の盟主だなあ。

ニーバー

中村 友彦の画像

ニーバーはシリンダーヘッドボルトを利用して固定。中央に見える洗濯バサミは、バカになったチョークノブの固定に使っている。

スポーツスター特有のヒザまわりの左右非対称感を解消するパーツは、昨今ではさまざまなメーカーから発売されている。ただし、日本で初めて(おそらく世界でも初めて?)、エンジン左側に右側のエアクリーナーボックスと同等のアールを持つパーツを装着したのは、僕が常日頃からお世話になっているジョッキーの新井さんだと思う。同店からニーバーが発売されたのは、確か’90年代前半。あの時点で特許を取っておけば、今のように類似品がたくさん出回ることはなかったんじゃないだろうか。

という私情はさておき、ニーバーはその商品名からすると、ニーグリップするためのバーみたいだけれど、実際は乗り手の体を車体のセンターに落ち着かせるためのパーツ。挟み込むと言うより、挟みつつ位置を合わせるという感じで、体だけではなく気持ちのよりどころにもなってくれる。もちろん右コーナーでは、旋回力を引き出すために、左足の内ヒザを使ってこのバーをイン側にプッシュすることも多々ある。

ステップまわり

中村 友彦の画像

ステップバーはタンデム用で、後部にはジョッキーのヒールプレートを装着。ブレーキペダルは長さを約10mm短縮している。

パッと見ではノーマル然としたステップまわりも、それなりに手を加えている。細身のバーはタンデム用を移植。快適性という面では本来のメイン用に軍配が上がりそうだが、僕にとってはタンデム用のほうが足を動かしやすかったのだ。なおバーの左右幅は不必要なくらいに広く、乗車中にステップを見ると、30mmほど足が乗ってない部分があるのだが、これを安易に短縮してしまうと、コーナリング中にステップより先にフレーム(左)やマフラー(右)を擦ってしまうので、あえて手を加えていない。

中村 友彦の画像

丸々と大きなシフトペダルのゴムは、足の動かしやすさを考慮して、グラインダーで上下を削った。

それ以外のステップまわりの変更点と言うと、まずシフト側の丸々と大きな純正ペダルラバーを、グラインダーで上下を削った。これも足を動かしやすくするための改善作業だ。

一方のブレーキ側は、ステップの後ろにくるぶしグリップを可能とするジョッキーのヒールバー(形状は左側のプライマリーカバーの出っ張りとほぼ対象)を装着。このパーツの役割は前述したニーバーに近いものの、挟んでグリップするという意味では、こちらのほうが重要かもしれない。また、昔からハーレーはステップとリアブレーキペダルの距離が長いことで有名で(883の場合、中心距離は約150mmと、国産車の平均より10~15mmほど長い)、アフターマーケット市場ではショートブレーキペダルが各社から販売されている。それを購入するというのもアリだが……、僕は友人に頼んで、純正ペダルをいったん切断して10mm短縮した上で溶接してもらった。今のところまったく問題は起こっていないが、基本的に鋳物の溶接は充分な強度が確保しづらいと言われているので、読者の皆様にはオススメしません。

6回に渡って連載させていただいた当コラムは、今回で最終回です。読者の皆様と編集部の皆様、誠にありがとうございました。

※前回と今回のテーマは、過去にクラブマン誌で展開した内容を基に再構築しています。
※当連載で何度か紹介した ジョッキー さんですが、すでにスポーツスター用パーツは在庫限りで、欠品もいくつか出ているとのこと(新井さん自身は、最近はホンダ VTR の改造に情熱を燃やされているようです)。興味のある方は早めに問い合わせてください。
プロフィール
フリーライター
中村 友彦

1900年代初頭の旧車から最新スーパースポーツまで、あらゆるバイクに興味を示す業界16年目のフリーライター。最近のハーレーではFXCWC ロッカーCとVRSCF V-ROD マッスルがお気に入り。愛車は’06年型スポーツスター883、’76年型トライアンフT140V、’09年型スーパーカブ50など。

関連する記事

注目のアイテムはコチラ

ピックアップ情報