VIRGIN HARLEY | 第1回 憧れの彼女の島へ(前編) ツーリング・ゼミナール 青木 タカオ

第1回 憧れの彼女の島へ(前編)

  • 掲載日/2011年08月02日【ツーリング・ゼミナール 青木 タカオ】
  • 執筆/フリーライター 青木 タカオ

青木タカオさんの写真

「瀬戸内海へ来ない? 岡山、笠岡ってあるでしょ。海沿い。福山の、ちょっと倉敷より。そこからフェリーで40分くらいよ」

片岡義男の小説『彼のオートバイ、彼女の島』は、ご存知でしょうか? この台詞はヒロインであるミーヨこと白石美代子が主人公であるコウ(橋本功)に、自分の故郷へ来ないか電話で誘うシーンから抜粋したものです。この笠岡っていうところからフェリーで40分、瀬戸内海に浮かぶ小さな島「白石島」がこの小説の舞台になっていて、ボクはいつか行ってみたいと(中学生の頃からだから15年以上)思いを馳せていました。

小説が発売されたのは1980年(昭和55年)で、1973年製のボクはまだ小説なんか読んだこともないハナタレ小僧だったが、中学生になりオートバイに興味を持ち始めた頃、兄の部屋にあった片岡義男のオートバイ小説を読みあさり、片岡ワールドのカッコ良さにシビレまくった。

世の中ではレーサーレプリカブームだったけれど、ボクが興味を持ったオートバイは『スローなブギにしてくれ』のCB500、『ボビーに首ったけ』のRD250など、それらの小説に登場する型遅れの絶版車たちばっかりだった。そのなかでも小説の中でまるで生き物のように描かれている「彼のオートバイ、彼女の島」に登場するカワサキW3は、ボクにとって憧れの存在で、NSRやRGVガンマに乗っている高校のクラスメイトにW3の魅力を延々と語る、いま思えば少しピントの外れた少年だった。

その後、大学に入ってから限定解除し、カワサキW1SA(W3よりもっと旧い)を手に入れ、38歳になった現在まで乗り続けている。

そんな具合で、ボクのオートバイライフに強烈に影響している片岡小説、そして「彼のオートバイ、彼女の島」。数年前の夏、ついに小説の舞台「白石島」に行ってみることにした。オートバイはカワサキではなく、その当時、雑誌の連載企画に使っていたスポーツスター。東京から東名、名神、中国、山陽とひたすら高速道路を走り約9時間、島へのフェリーが発着する岡山県笠岡に到着した。

つづく

プロフィール
フリーライター
青木 タカオ

バイク雑誌各誌で執筆活動を続けるフリーランス。車両インプレッションはもちろん、社会ネタ、ユーザー取材、旅モノ、用品……と、幅広いジャンルの記事を手がける。モトクロスレースに現役で参戦し続けるハードな一面を持ちつつも、40年前のOHV ツインや超ド級ビッグクルーザー、さらにはイタリアンスクーターも所有する。

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