VIRGIN HARLEY | 第4回 ボクの愛しきエレクトラグライド ツーリング・ゼミナール 青木 タカオ

第4回 ボクの愛しきエレクトラグライド

  • 掲載日/2011年09月20日【ツーリング・ゼミナール 青木 タカオ】
  • 執筆/フリーライター 青木 タカオ
青木タカオさんの写真

この夏もボクは自分のエレクトラグライドで目一杯走りました。仕事柄、オートバイで出掛けるのがボクの日常ですが、何か用事があるときはハーレーで行くことをまず考えます。サドルバッグにはいつも雨合羽と、頼り甲斐のないささやかなインチ工具が入っていますし、トップケースには1/2万5000のマップを絶えず忍ばせています。だから出掛けるときはなんの用意も必要なく、いたってスピーディ。ボクにとって、これほど便利な移動手段は他にありません。

ハーレーダビッドソンというと、実用性はゼロ、趣味性の強い乗り物の横綱のように思われているかもしれませんが、トップケースとサドルバッグを備えたエレクトラグライド・シリーズに関して言えば、とても実用的。取材に行くならカメラやノート、小綺麗な格好をしなければならいときは、靴やカバンも含めすべて一式をその豊富な収納スペースに放り込んでしまえばいいんです。だからボクは、都内の足としては最強ともいえる原付二種のスクーターを所有していながら、気がつくといつもエレクトラグライドで出掛けています。駐める場所さえ確保できればの話なんですけどね。

もちろんエレクトラグライドの魅力は利便性だけじゃありません。“走っているだけで楽しい”その世界観については、ハーレーダビッドソンに興味のある皆さんなら説明するまでもないでしょうから、ここでボクがしょうもない言葉を書き連ねても鬱陶しいだけです。長文になれば、わざわざ読んでいただいている人に申し訳ないので今回は割愛させていただきますが、要するに“ボクの愛しきエレクトラグライド”は走ってハッピー、そのうえ移動手段としても優れているという、なんとも贅沢きわまりない素晴らしき乗り物であるということが、言いたいのでございます。

問題は夏場のオーバーヒートです。渋滞にハマろうものなら、たまったものじゃありません。なんせ、達磨ストーブのような空冷大排気量エンジンをロアフェアリングで覆ってしまっているのですから、アイドリングをしたまま身動きがとれなくなれば、油圧計の針はみるみるうちに下がり、エンジンが音を上げるのは時間の問題です。当然、乗り手も過酷な状況に陥りまして、大袈裟ではなく下半身を中心に全身が焼かれる思いとなります。シートの上でそのまま倒れてしまおうかと、これまで何度も思いましたが、それこそ愚の骨頂。脇道に逃げこむなどしてエンジンを停止させ、かろうじて致命傷を受けないよう切り抜けてきたのでした。

便利なうえ乗って楽しい、我が愛しきエレクトラグライド……。今回は自分の愛車を徹底的に自慢してしまえと思い、これを書き始めましたが、終盤に差し掛かるにつれそんな気はどんどん薄れる一方となりまして、出てくるのは愚痴のオンパレードでございます。オイルはいたるところから滲み出ていますし、クラッチは握力計のように重たい。ブレーキはその車重をコントロールするには不十分ですし、挙げ句の果て偉そうにフェアリング内に埋め込まれたオーディオはカセットテープしか再生できない始末でして、時代錯誤も甚だしい限りです。お財布の中身に余裕があれば、最新型のツインカム103に乗り換えたっていいでしょう。ちなみに年式は1988年、搭載するエンジンは1340ccエボリューション5速です。誰がなんと言おうと“ポンコツ”であることはオーナーであるボク自身、いちばん解っています。この夏もボクは、そのポンコツを大いに楽しみました。

プロフィール
フリーライター
青木 タカオ

バイク雑誌各誌で執筆活動を続けるフリーランス。車両インプレッションはもちろん、社会ネタ、ユーザー取材、旅モノ、用品……と、幅広いジャンルの記事を手がける。モトクロスレースに現役で参戦し続けるハードな一面を持ちつつも、40年前のOHV ツインや超ド級ビッグクルーザー、さらにはイタリアンスクーターも所有する。

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