VIRGIN HARLEY | 第12回 スポーツスターをタンクで選ぶ ツーリング・ゼミナール 青木 タカオ

第12回 スポーツスターをタンクで選ぶ

  • 掲載日/2012年01月31日【ツーリング・ゼミナール 青木 タカオ】
  • 執筆/フリーライター 青木 タカオ

クランクケースとミッションケースを一体化した4カムエンジンを、スリムな車体に搭載するスポーツスターファミリーは、1952年の K モデル、あるいは初めてスポーツスターの名を冠した1957年の XL まで遡る由緒正しき血統です。1986年にエボリューションエンジンを搭載すると排気量が 1100cc と 883cc になり、2年後には 1100 が 1200 に、現在と同じ 883 と 1200 の2本立てのラインナップとなりました。現行型である 2012 モデルでは 1200 と 883、それぞれ3モデルずつ全6機種を展開しており、それぞれに個性を持ったシリーズになっています。

青木タカオさんの写真

VIRGIN-HARLEY VOL.13 の撮影のため、古澤 恵さんとスポーツスター全モデルを一気乗り。なんたってスポーツスターはストリートが映える。手前が XL883L、奧が XL1200X FORTY-EIGHT。

そんな 2012 モデルを先日、VIRGIN-HARLEY VOL.13 の撮影のために古澤 恵さんと一気乗りさせていただきました。夏のメディア向け試乗会でも全機種に乗りましたが、半年ぶりに改めて乗ると、また発見することもありました。まず、目に飛び込むのがピーナッツタンク (容量7.9L) を採用する XL1200X FORTY-EIGHT 。FORTY-EIGHT は AKB とは関係なく、ハーレーダビッドソンがピーナッツタンクを初めて採用した 1948 年型の S モデル (2ストローク/125cc 単気筒) に由来します。その後、XL スポーツスターにも長らく採用され、ピーナッツタンクはスポーツスターの代名詞とも言えるシンボルになりましたが、XL1200X でそれがついに復活したのです。メグミさんも開口一番「カッコイイ」とか「カワイイ」と、第一印象は抜群。女性ウケがいいのは間違いなく FORTY-EIGHT でしょう。逆さまにハンドルマウントしたミラーなど、男性が見てもイカしていますからね。

青木タカオさんの写真

古澤 恵さんの身長は 164cm。スポーツスター全モデルで両足ベッタリ、足つき性に不安はない。FORTY-EIGHT が採用するピーナッツタンクは容量 7.9L で、XL 伝統の小振りなフォルム。

乗ってみて「いいぞ」ってなったのは XL1200C カスタム 。フロント16インチのファットタイヤは重たそうなハンドリングを連想しますが、走り出すと軽快そのもの。腕を伸ばしたところにあるアップハンドル、スポーツスターらしいミッドコントロールのステップ、走りを予感させるスポーティなポジションも違和感がありません。カスタムを名乗る上級モデルだけあって、クロームメッキの美しいエンジンやスポークホイールも上質感があって所有感を満たしてくれるでしょう。

青木タカオさんの写真

ピーナッツタンク (容量 7.9L) のシルエットを踏襲しながらも、キャパシティを 12.5Lに拡大した燃料タンクを採用する XL1200N ナイトスター。このタンクは XL883N アイアンと XL883R にも使われている。

XL883L スーパーロー は女性やビギナー、小柄の人向けのエントリーモデルという位置づけにされがちですが、それだけでもなさそうです。100万円を切る価格は、200万円を超える高額なモデルの多いハーレーダビッドソンの中にあっては手が届きやすく、メーカーとしても購買層を広げる狙いを込めているのがうかがえますが、シンプルなデザインがゆえにカスタムをする楽しさは大いに残されていますし、剥き出しのエンジンにタンクとシングルシートが添えられているだけ、といった感じの素っ気ないスタイルは、どことなくチョッパー的な匂いもし、これはこれでカッコイイと思います。

青木タカオさんの写真

登場したときは「不細工かも!?」と思った容量 17L のストレッチタンク。2012 モデルでは XL883L のほか、XL1200C にも採用。最近は見慣れてきたのか、これはこれでカッコイイと思えてきた。

1200C と共通の容量 17L のデカタンクは、登場したときには「不細工だなぁー」と正直思ったところですが、時間が経つにつれ、これもアリかなと思ってしまえるのがハーレーのすごいところです。そもそもハーレーなんて、10 代の頃は興味さえありませんでしたし、エレクトラグライドの大型フェアリングやフットボードなんか、よくもまぁジジ臭いことって思っていたのに、いまではそれに惚れ込んで自分が乗っているわけで、視覚的センスなんてどうなるかあてになりません。考えてみればロードグライドの2つめもダサカッコイイし、スポーツスターのビッグタンクだって時代とともにカッコイイを司る脳に擦り込まれていき、数年後にはあのノペっとしたストレッチタンクがまたイイんだよなぁ、なんて言っているのかもしれません。

青木タカオさんの写真

ハンドリング、エンジンの力強さ・フィーリング、ポジション、トータルで評価の高かった XL1200C。古澤 恵さんが一気乗りするスポーツスター 2012 モデルは、VIRGIN-HARLEY VOL.13 で!

こうやってタンクをピックアップしてみると、ピーナッツタンク ( 7.9L ) は XL1200X だけ、XL1200N ナイトスター と XL883N アイアン 、XL883R は12.5L タンク、そして XL883L と XL1200C が 17L タンクと、それぞれに採用されるタンクは全3タイプ。どのスポーツスターを買おうか迷ったとき、タンクで選ぶっていう手もあるかもしれませんね。

プロフィール
フリーライター
青木 タカオ

バイク雑誌各誌で執筆活動を続けるフリーランス。車両インプレッションはもちろん、社会ネタ、ユーザー取材、旅モノ、用品……と、幅広いジャンルの記事を手がける。モトクロスレースに現役で参戦し続けるハードな一面を持ちつつも、40年前のOHV ツインや超ド級ビッグクルーザー、さらにはイタリアンスクーターも所有する。

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