VIRGIN HARLEY | 第2回 ハーレーのシートを作り始めた頃 ツーリング・ゼミナール 上山 力

第2回 ハーレーのシートを作り始めた頃

  • 掲載日/2011年09月07日【ツーリング・ゼミナール 上山 力】
  • 執筆/K&H 上山 力

前回、何から始めようかとノープランだったのだが、「まー、2回目あたりは定番の足つきの話かな?」と簡単に考えていた。その話ならいつもの調子でサクサクと書けるだろうという目算もあった。でも、ツーリングゼミナールの他の方々の更新を読んでみると、何だかちょっと面白い話になっている。ここで普通に足つきの話をやったのでは、月並みで平々凡々な企画で終わってしまいそうだし、こりゃー詰まらない話になりそうだという事に気が付いた。この辺りの話は、もうちょっと練ってからすることにしよう。

ということで、これが面白い話になるのかは置いておいて、手始めに、うちがハーレーのシートを作り始めた頃の話からしようと思う。最初にハーレーのシートを手掛けたのは、まだダイナのリアタイヤが130mmだった2001年頃。実際に、そのFXD用のシートから作り始めたのだが、その頃も、ハーレーユーザーの悩みは今と変わらず、「尻が痛い!」というのと「足つき」についてが主だった。

K&H 上山 力さんの画像

2001年式 FXD をベースに、ハーレー用シート開発を始めた。

で、良かれと思い、現在のコンセプトと同じシートを作って売り出し始めたのだが、何故か幾人かのユーザーからお叱りを受けてしまった。今でこそたくさんの方にうちのシートを使用してもらえているので、「どんなシートなの?」と疑問に思えば、インターネットで簡単に情報が得られるようになったし、もしかしたら仲間内でも感想を聞く事が出来るかもしれない。しかしその頃は、まだハーレーユーザーにとって、うちのシートがどんな物か未知数だったのだ。

目に付くのは、強気な価格設定だけ。

今でこそ価格については触れ込みもあり定着(?)しているのだが、その頃は「馬鹿高い」と言われていた。現在は、「馬鹿高い」から「馬鹿」が消えた程度か(苦笑)。「何でお前の所のシートはそんなに高いんだ!!」とか、「乗り難いのがハーレーなのに、乗り心地が良いとは何事か!」と、本当にそんな電話を貰ったりしていたし、実際、発売当初は全くと言って良いほど売れなかった。「今月は1個売れたねー」なんて話だったのだから。

先日2012年モデルがラインナップされたのだが、ほんの少し前にハーレーのシートを作り始めた新参者の気がしていても、あれから既に10年も時が経ってしまった事になる。

当初全く売れなかったうちのシートがなぜ認知されたのか。型内で発泡させたインジェクションスポンジを採用したその製法も、大胆なキャッチフレーズを使った広告も一役買っていたのだろう。だが決定打は、自分がバイクに乗ること、ツーリングをすることが嫌いじゃなかったからと思うのだ。

つづく

プロフィール
K&H
上山 力

ハーレーのみでなくBMWや国産車用シートの開発も手掛けるが、自分が乗りたいバイクだけしか開発しないという、メーカーの開発としては痛い人間。愛車は、’97 スポーツスター XL1200Sを筆頭に、’60 トライアンフ TR-6、 ’76 ヤマハXT500、’70 ホンダCB90×2台 割りと雑食。兎に角バイクが好き。最近愛車XT500でモトクロスを始めてみた。

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