VIRGIN HARLEY | 第4回 オイル交換2 なぜから学ぶハーレーメンテ講座

第4回 オイル交換2

  • 掲載日/2006年03月22日【なぜから学ぶハーレーメンテ講座】
  • 執筆/モトスポーツ 近藤 弘光
なぜから学ぶハーレーメンテ講座の画像

交換サイクルは守りましょう

この項で紹介するのはプライマリーオイルとミッションオイルの交換作業です。この作業にもそれなりのコツと作業中のチェックポイントがあります。我々メカニックが作業の際にどんなところに注意しているのか、皆さんの参考になれば幸いです。

ドレンボルト先に注目!
金属粉からトラブルを早期察知できます

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次にプライマリーオイルの交換です。車体左サイドにあるプライマリーケースのダービーカバーを外します。トルクスを使用しボルトを外すのですが、このボルトを舐めてしまったり、ダービーカバーを外すときにカバーを落として傷つけてしまったりする方がいるので注意してください。ダービーカバーを外すと、こちらにもオイル漏れを防ぐためのOリングが付いています。こちらも破損がないか確認し、変形などがあれば交換してしまいましょう。ダービーカバーの組み付けの際にもねじれないよう注意してください。

プライマリーのドレンボルトはプライマリーカバーの下部にあります。ドレンボルトを外すとプライマリーオイルが抜け始めます。サイドスタンドを立てたままだと、オイルが完全に抜け切らないので、ある程度抜ければ車両を垂直にし、古いオイルをしっかりと抜いてやってください。このとき注意いただきたいのがドレンボルトの先端のチェックです。プライマリーのドレンボルトの先は磁石になっており、オイル内の鉄粉を吸着します。オイル交換の際に今までのオイル交換時に比べ鉄粉の量が多すぎるのであれば、トラブルが起こっていないかショップに相談しましょう。普段から鉄粉の量を見る癖をつけておけば、トラブルの火種を早めに見つけることができます。鉄粉は確認後綺麗に拭き取り、こちらもできればシールテープを巻き、締めすぎないよう注意しながら取り付けてください。プライマリーオイルの交換の際に一緒にチェックできるのはプライマリーチェーンの弛みです。ダービーカバー横のインスペクションカバーを外し、指でチェーンの上部を押し、張りをチェックします。チェーンの弛みが大きいと走行中に「カラカラ」と音がしてきますので「あれ?」と思ったらショップに相談し、調整しましょう。

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プライマリーオイルを注ぎ込む際は分量に注意してください。あらかじめ規定量を調べ、注ぎ込みすぎないよう注意しましょう。ダイヤフラムスプリングの下端部に触れる程度が理想です。ダービーカバーから注ぐ際はサイドスタンドを立てたままでは規定量を入れる前に漏れ出してしまいますので気をつけてください。車両を垂直に立て、インスペクションカバーからオイルを入れます。

すべての作業が終わればインスペクションカバー、ダービーカバーを締めるのですが、この際にくれぐれもボルトを舐めないよう気をつけてください(ドレンボルトはテーパー状のボルトのため力いっぱい締めるといくらでも締まり、最後にはネジ穴を破損してしまいますので気をつけてください)。なお、インスペクションカバーを取り付ける際はガスケット(スポーツスターの場合Oリング)をチェックし、傷んでいるようでしたら交換してやりましょう。

ギアの入りやすさに影響します
ミッションオイルを舐めてはいけません

ミッションオイル交換があるのはビックツインモデルだけです。スポーツスターの場合、ミッションとプライマリーがつながっているため、先ほどのプライマリーオイルの交換作業だけで終了です。

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ミッションオイルドレンは車体下部のやや作業しづらい場所にあります。このFLSTCの場合、ソフテイルサスペンションで隠れてしまう部分にあるため、ドレンボルトを抜くのが少し面倒になっています。ミッションのドレンボルトを抜き、オイルを抜いている間に他のオイル交換の作業と同じようにOリングを交換し、シールテープを巻いておきましょう。オイルを抜き終われば、ドレンボルトを取り付けるのですが、はじめは手で締め、最後にソケットレンチで締め込みます。新しいミッションオイルを注ぎ込む際に注意したいのはオイル量です。オイルキャップの先がオイルゲージになっていますので、車体を垂直にして、規定量に注意しながら「UPPER(上限)」と「LOWER(下限)」の目盛りの中間辺りに油面が来るようオイルを注ぎ込みましょう。オイルを注ぐとき、オイルジョッキがあれば便利です。もし持っていなければ、チラシを丸めて手製のオイルラインを作ってやれば周りを汚さずに簡単に作業できるでしょう(写真参照)。

オイル交換で気をつけること。もう一度まとめてみましょう

メカニックは以下のような点に注意しながら作業をしています。みなさんもオイル交換をする際には、ぜひお気をつけくださいませ。それにしても、オイル交換1つを取ってみても奥が深いものです。

古いオイルをしっかりと見てやること

古いオイルからトラブルの兆候を察知できれば、大きなトラブルになるのを未然に防ぐことができます。

リングやガスケットなどの消耗品

せっかくオイル交換をしたのにオイル漏れを起こしてしまえば元も子もありませんから。

オイルの量をしっかり守ること

オイルは多すぎても少なすぎてもダメです。少なすぎるとエンジンの焼きつきや部品の潤滑不足に。多すぎるとオイル漏れの原因になります。

オイル交換の際は汚れた各部はパーツクリーナーで綺麗にしてやること

オイル交換の際に各部を綺麗にしてやれば、交換後に万が一オイル漏れが行っても早めに発見することができます。汚れなのかオイル漏れなのか、がわからない車両だとハーレーがかわいそうですね。

プロフィール
近藤 弘光

53歳。1979年に「モトスポーツ」を創業。ショベルヘッドが新車の頃からツインカムが現行の今までハーレー業界の第一線で活躍している。オートバイを愛するが故に規制対応マフラー「ECCTOS」やオリジナルエンジン「U-TWIN」の開発に携わる情熱家でもある。

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