VIRGIN HARLEY | 第6回 プラグ交換 なぜから学ぶハーレーメンテ講座

第6回 プラグ交換

  • 掲載日/2006年05月22日【なぜから学ぶハーレーメンテ講座】
  • 執筆/モトスポーツ 近藤 弘光
なぜから学ぶハーレーメンテ講座の画像

プラグ脱着・交換の実践編
簡単な作業にも注意が必要です

前回は「プラグの働き」についてご説明しました。今回は実際にプラグの脱着・交換作業を行う際の注意点をご紹介しましょう。プラグの脱着・交換作業は時間がそれほどかからないため、簡単な作業に見えますが、それでも注意すべき点はいくつかあります。順を追ってご説明いたしますので「ああ、プロはこんな風に作業をしているんだな」とご参考にしてみてください。なお、プラグ交換の際は今お乗りの車種、チューニング状態に最適なプラグをお選びください。正しいプラグを選択していなければ、正しい点火が行われません。「純正プラグだと何番、チャンピオンだと何番、NGKだと…」は前持って調べておいた方がいいでしょう。

今回使用する工具リスト
プラグレンチ、ギャップ調整ツール

プラグの取り外し時にはプラグホールに
ゴミが入らないよう注意しましょう

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まず、プラグコードを外す作業です。基本的なことですが必ずキャップ部分を持ち、プラグコードを取り外してください。コード部分を持ち、無理やり引っ張るとキャップ部分とコード部分が外れてしまうことがあります。また、それほど力を入れなくてもプラグコードは取り外せますので、無理に力をかけてプラグとプラグコードの接点を壊さないように注意してください。

次にプラグを取り外す作業です。まず、プラグレンチでプラグを少し緩め、あとは手で緩めていってください。このとき、プラグを取り外す前にプラグ周辺のゴミは綺麗に取り去っておきましょう。

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エアーで飛ばすのが簡単ですが、コンプレッサーがない方はウェスなどで綺麗にしておきましょう。プラグが取り付けられている「プラグホール」は燃焼室につながっています。ここからゴミが進入すると走行時にゴミがシリンダー内部を傷つけてしまう恐れがあります。くれぐれもご注意ください。

プラグをチェック・交換する際は
ギャップ調整を行いましょう

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さて、プラグを外しましたら、プラグ先端をチェックしてみましょう。エアークリーナーエレメントの詰まりによるミクスチャーの狂いなどがなければ、通常の使用だとプラグ先端は白く焼けているのが一般的です。

最近のエンジンは薄いガソリンを効率よく燃やせるよう進化していますから「白い→ガスが薄い」というわけではありません。また、出先でのトラブルでプラグのチェックをする場合、エンリッチナーの使い方のミス程度ならブラシで接点を掃除することで直る可能性もあります。

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しかし、プラグ先端にオイルが付着しているなどであれば、プラグの再使用はあきらめた方がいいでしょう。新しいプラグを取り付ける前に、できればプラグギャップの測定・調整を行いましょう。バイクパーツの量販店などでギャップをチェックできるツールは販売されています。通常0.8~0.9mm程度のギャップが規定値です。

プラグのトラブル時は左のギャップ調整ツールがあれば「プラグギャップが広すぎる・狭すぎる」などのチェックが行えますので車載工具に入れておくのもいいでしょう。ネット通販などで購入することができます。

プラグ取り付け時は
プラグホールを潰さないように注意!

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プラグの取り付けを行う際ですが、取り付ける際は必ず手で締めてください。うまくプラグが締まらない場合は一度外してから取り付け角度が正しいのが、確認し直しましょう。斜めにプラグを入れ、無理に締め付けるとプラグホールを傷めてしまいます。無理な力を加えずに手で回せるところまでは手締めで、最後にプラグレンチを使い、本締めを行います。ここでももちろん締めすぎは厳禁です。プラグメーカーの推奨締め付けトルクを憶えておくに越したことはありませんが、無理な力をかけず軽く締めればいいでしょう(例:デンソーではガスケットの再使用の場合は座面が密着してから1/12回転)。

ショベルヘッドなどの古いエンジンでは、ネジ山の磨耗やヘリサートなどで補修してあることが多く、この場合は締め付けに更に注意が必要です。プラグの取り付けが完了すれば、最後はプラグコードを取り付ければ完了です。プラグコードを取り付ける際は「カチッ」と手ごたえがある奥まで差し込んでください。緩い状態でプラグコードが差し込まれていると、走行中にプラグとコードが外れて火花が飛ばなくなってしまいますよ。

プラグのスパークに必要な電圧とは?
点火プラグのスパークは電極間の空中放電ということになりますが、大気圧中で10mm の距離を放電させるとなると7000~9000ボルトの電圧が必要になると言われています。「それならば、一般的に0.8mm程度のギャップを持つプラグだと1万ボルト程度の電圧で充分に放電できるのでは?」と思われがちです。しかし、燃焼室内の圧力は燃焼する前(圧縮行程)でも10kg/c㎡程度にもなります。プラグにスパークが飛ぶのに必要な電圧を「要求電圧」と言いますが、これは燃焼室内の圧力に比例して高くなり、大気中で放電する遥かに高い電圧がプラグには求められているのです。
トラブル時のプラグの放電テストでの注意点
出先でのトラブル時、プラグから火花が飛ぶかどうか、スパークテストをしたことのある人は多いでしょう。しかし「外したプラグをスパークテストするときは、車体から10mm程度離してテストしないと意味がない」ことはご存知でしょうか。プラグと車体の距離が近すぎると、プラグに求められる要求電圧は低く、プラグに供給される電圧が低かったとしても火花が飛んでしまうことがあります。「うん。プラグはスパークしているね。」とプラグを取り付け走り出すと、燃焼室内ではプラグはスパークしない…そんなことも起こりえます。アイドリング付近では、スロットルバルブで吸入空気量が制限されており、圧縮圧力は低く、要求電圧も低くなっています。そのため、アイドリングではなんとかスパークしていたとしても、急加速をすると圧縮圧力が高くなるため、要求電圧が高くなりミスファイアすることもあるのです。 こう考えるとプラグギャップの0.1mmの誤差は意味があることがわかりますね。電気系が万全の状態であっても、ただプラグギャップが広くなるだけで、プラグがスパークしなくなることもあるのです。
プロフィール
近藤 弘光

53歳。1979年に「モトスポーツ」を創業。ショベルヘッドが新車の頃からツインカムが現行の今までハーレー業界の第一線で活躍している。オートバイを愛するが故に規制対応マフラー「ECCTOS」やオリジナルエンジン「U-TWIN」の開発に携わる情熱家でもある。

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