VIRGIN HARLEY |  第5回 セットアップの注意点CVキャブレター講座

第5回 セットアップの注意点

  • 掲載日/ 2005年08月18日【CVキャブレター講座】
  • 執筆/ジャイアン
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慎重に確実に
キャブレター脱着時の注意点

いざCVキャブレターをいじり出してみると、上手く行かないことも当然あります。例えば…

・想像していたより効果がなかった…
・思わぬトラブルが出た…
・キャブレターを破損してしまった…
・作業に問題があった…

そんなことを避けるために、今回はキャブレターのセットアップ時の注意点をご説明致します。

キャブレターの取り外し時の注意点

キャブレター本体とエアクリーナーの間にはガスケットがあり、着脱の際に破けてしまうことがあります。念のため予備のガスケットを1枚用意しておいた方がいいでしょう。ここから空気を吸ってしまうと、なかなか気付くことができませんから、心配な方は取りつけの際に交換するのもよいでしょう。

2.燃料ホースの取り外し

キャブレター側、燃料コック側、どちらからでも外すことが可能です。純正のホースバンドは固定されていますから切断します。ホースバンドは再利用できませんので、必ず小さいバンドを用意しておきましょう。

※キャブレター側での脱着の際、黒いプラスチック製のインレットにホースが密着している場合は無理にこじらず、細いドライバーなどをさし込んで慎重に外しましょう。意外と損傷の多い部分です。

3.アクセルワイヤーの取り外し

ハンドル付近の調整スクリューをいっぱいに締め込み、遊びを出してから外します。2本のアクセルワイヤーには引き側(スロットルケーブル)と戻し側(アイドルケーブル)があり、戻し側のワイヤーには小さなスプリングが入っています。装着時の遊びの調整はマニュアルに従ってください。

※調整中、ガイドにスプリングが引っかかっていることがあるので、必ずガイド内に入っているか確認してください。
※現在の負圧コックは閉めなくてもガスは出ませんが念の為、OFFで作業しましょう。

4.キャブレター本体の取り外し

キャブレターを外すためには、エンリッチナーをマウントから外さなければなりません。モデルによって非常に難しい作業になる場合があります。ビッグツインだとモデルによってはエンジンマウントプレートとインテイクマニホールドが干渉し、ノブが抜けないものがあります。知恵の輪のようにコツはあるのですが、なかなか取れない時はキャブレター側からレンチで外してください。エンリッチナーを外し、負圧ホースを外せばキャブレターを取り外すことができます。

5.キャブレターを取り外したあとに確認しておきたいこと

キャブレターを外した際はマニホールドガスケットとフランジガスケットも点検しましょう。もし、ゴム製品が硬化してしまっている場合は交換してください。あらかじめこのようにチェックしておくと、セッティングの際の余計なトラブルを避けることが出来ます。他にも、フロートボールガスケットとスライドピストンのダイヤフラムも点検し、ゴムの硬化や亀裂が見つかれば交換してください(ダイヤフラムは高価ですが、ゴムだけの交換は出来ませんので、スライドピストンごとの購入になります)。できれば、フロートバルブも点検したいところですが、現在のキャブレターは、フロートピンはポンチがないと外せません。その際マウントを破損してしまうと、キャブレター本体が使用できなくなってしまいます。自信がない方はオーバーフローでもない限り、この作業はやるべきではないでしょう。

キャブレター分解時の
注意点

いよいよキャブの分解と組み込みです。これはチューニングパーツやメーカーのマニュアルにしたがって行ってください。分解の際には、フロートボール内のガスをドレンで抜いたり(ドレンが無い物もあります)、ガスを抜かずに外したりしますが、ガスは引火性の強い燃料なので火気厳禁です。こぼしたガスはすぐ処理できるようにしましょう。

キャブレターのインナーパーツは材質的にデリケートな物が多く、無理は禁物です。もし、何か問題が起こった場合は必ずプロまたは経験者に相談しましょう。なお、純正CVキャブレターはセッティングの際は着脱を繰り返すことになりますが、常に慎重さと確実さを怠らないようにしてください。ねじ類は必ず整理し、容器に入れて紛失を避け、組み付け後は締め込みのチェックをおこないましょう。

キャブレター内のリセットパーツの組み込みやセッティングの際には、いくつかの注意点があります。メインジェットとそのホルダー(エマルジョンチューブ)を取り外すと、中にあるニードルジェットが落ちてきますが、組み付けの際には向きに注意しましょう。テーパーがあるほうがメインボア側です。ニードルの調整または交換後、ニードルの上にはスプリングシートと言うタコのような形の白いパーツを挿します。このとき、スプリングシートの足がスライドピストンに開いているバキュームホールを塞ぐことがあるので注意してください。最後にキャブレター上部の黒い蓋を閉めますが、この際ダイヤフラムのリップを噛み込まないよう、細いドライバーなどで溝に確実に押し込んでください。

キャブレター組み込み時の
注意点

パーツを組み込んだキャブレターは、上記の逆の手順で組みつけることになります。まず、アクセルワイヤーを通し、各ホースを挿し込みます。燃料ホースの取り付けは確実に行い、必ず金属のフィッティングで固定してください。

※ホース類をタイラップなどで留めてしまう方もいますが、溶けてしまう危険性もありますし、もし溶けてしまった場合は燃料漏れの危険もありますのでオススメできません。

各ホースを取り付けた後、チョークワイヤーを車体の反対側に通し、マニホールドにキャブレターを挿し込みます。この際にキャブの挿し込み部分(スピゴット)に薄くラバーグリスを塗布すると、ガスケットをよじることなく挿しこめるでしょう。キャブレターをマウントし終わったら、もう1度取りつけられた部品のチェックを行ってください。特に負圧ホースは外れ易いので気を付けておきましょう。この時にスロットルワイヤーの調整をやってしまえば楽に作業できますが、キャブレター本体が動き易いので注意が必要です(適正は必ずマニュアルでチェックしましょう)。

次に、エアクリーナーの組み込み作業です。エアクリーナーの組み付けはボルト等のネジによる締めこみの作業ですが、1ヶ所ずつ締め込まずに、必ず全てにボルトを通し軽く締め、キャブレターのマウント位置や組み付け状態を確認しながら締めた方が失敗をせずに済みます。

最後にチョークワイヤー(エンリッチナー)をマウントベースに取りつけて作業は終了です。ここはネジ部がプラスチック製のため、締め込み過ぎによる破損には注意してください。手で締めた後、外れない程度に軽く締めるにとどめます。ここを破損してしまう方は意外に多いようです。

以上が、セットアップ作業をおこなう際の注意点です。実作業では他にも問題が起こる可能性もありますが、良く考え慎重に作業しましょう。では、次回からは「キャブレターのセッティング時のトラブルシューティング」です。

プロフィール
メンテナンス番長 ジャイアン氏

XLH883とFLSTFを所有する。彼のハーレーへの造詣は深い。特にCVキャブレターには、仕組みはもとよりセッティングや最適化まで幅広い知識を持つ。最近は、ブログにてメカニズムを中心に執筆中。

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