VIRGIN HARLEY | ハーレー乗りにすすめたいカドヤの特別な革ジャン 特集記事&最新情報

取材協力/KADOYA 文/佐賀山 敏行 写真/堤 晋一 構成/VIRGIN HARLEY.com 編集部 掲載日/2015年9月30日

ハーレーライダーだけでなく、多くのバイク乗りに愛される“革ジャン”を作り続けるKADOYAが今年、創業80周年を迎えた。オーダーメイドのレザーウエアにはじまり、レーシングツナギなどで高い信頼を得た同社の転機になったのが、1980年代に登場したブランド『K’S LEATHER』である。今や同社の代名詞ともいえるK’S LEATHERから今季、80周年記念モデルがリリースされる。さらに同社トップブランド『HEAD FACTORY』からは新作が2点発表された。今回は深野正孝会長にあらためてKADOYA80年のこだわりとこれからについて、そして深野将和社長にHEAD FACTORYの新作ジャケットについて聞いた。

職人の技に支えられた80年

あらゆるライダーに愛されるために

深野正孝氏がKADOYAの社長に就任したのは1975年。当時、同社はオーダーメイドの製作が中心であり、既製品ブランド、K’S LEATHERを立ち上げたのはそれから10年ほど後のことだった。その数年後には、さらにトップブランドであるHEAD FACTORYを立ち上げるなど、まさにKADOYAの“今”を作った本人こそが正孝会長なのである。そんな正孝氏に、今年80周年を迎えた同社の変わらぬこだわりについて聞いた。

「職人の技に尽きる。技術自体は日々進化を続けているが、KADOYAはそれをベテランから若い職人へと引き継ぎながらも、進化させている。そうした職人をはじめとした社員みんなの協力とまとまり、それに革に対する想いは昔から変わっていない部分だと思う」

80年の間、変わらないこだわりもあるが、変わらないだけではダメだと正孝氏。つまり、変わらない部分と進歩する部分のバランスが重要だと続ける。

「たとえば昔は足踏みミシンを使っていたけれど、いまではミシンにもコンピューターが入っている。それによって今まで出来なかったことが出来るようになったけれど、それでもやはり革ジャンの基礎は変わっていない。基礎だけでもダメだし、進歩も欠かせない。技術の継承と進歩はどちらも重要」

さらに今後90周年、100周年を迎えるためには「オーダーメイドはかつては高嶺の花だったけれど、もっといろんなお客さんが気軽に、自分だけの1着を作れるようになればと思っている」とのこと。オーダーメイドの素晴らしさを普及させたいと願いつつも、今回は80周年モデルとしてK’S LEATHERから3モデルをリリースした。そこからも、より身近なブランドであるK’S LEATHERで多くのライダーにその魅力を体感してもらい、さらにオーダーメイドやHEAD FACTORYでKADOYAの素晴らしさを知ってもらいという同社の想いがよく分かる。

あらゆるライダーに愛されるために……それこそは創業時も80周年を迎えた今も、そしてこれからも変わることのない、KADOYA最大のこだわりなのだろう。

写真中央が深野正孝会長、右端が深野将和社長で、周りを職人たちが囲む。正孝氏曰く「KADOYAのこだわりは職人の技」であり、ベテランから若手まで、これまで継承され続けてきた技術こそが、KADOYAの80年を支えてきたのである。

  • KADOYAのレザージャケットを身にまとった50年ほど前のバイカー達、永い歴史を誇るKADOYAならではの写真。真摯な物造りが連綿と続いて行く。

  • 本社ビルには1~2階にKADOYA本店があり、さらにその上に本社工場(HEAD FACTORY)がある。職人たちは裁断から縫製までをここで行うのだ。

  • HEAD FACTORYブランド既製品やオーダーメイド製品は、“1人1着縫い”を実践し、職人1人が裁断から縫製まで、すべての製作行程を担う。

80th ANNIVERSARY

K’S LEATHER 
アメリカン W-80th

価格税別:7万2000円(3Lは3000円UP)
カラー:ブラック

  • ダブルライダースは気温や気分によってスタイルを変えられるのも魅力。ファスナーを上げれば真冬でも十分な防寒性を発揮する。

  • Wライダースを力強く印象付ける裾ベルトは、バックル&ハト目まで黒でまとめられ渋みを加えている。またベルト自体がスタイルや車種に応じて着脱可能である。

  • 肩と肘には当て革スポンジパッドを装備。万が一に備えた安全性アップに加え、デザインのアクセントにもなっている。

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ハードな印象を持つダブルライダースジャケット。革は柔らかいオイルカウを用い、ほど良いシボ感が独特の風合いを作り出している。ファスナーやボタンなど、金属パーツをブラックアウトすることで、ダブルライダースが持つハードなイメージを高めているのも大きな特徴だ。ただし、小振りにまとめたW襟の形状や、幾分長めの着丈、程よい身幅のデザインが相まってクラシカルな佇まいも残している。もちろん、立った状態からライディング時まで身体に自然にフィットする「ヘッドファクトリーパターン」を採用。80周年オリジナルワッペンとチェッカーの裏地は所有感を十分に満たしてくれる。ダブルライダース好き、必見の1着だ。

K’S LEATHER 
バレンツ-80th

価格税別:6万8000円(3Lは3000円UP)
カラー:ブラック

  • 肩・肘パテッドには衝撃緩衝度が高く、関節部に当りが出ない低反発性素材を内蔵。縦に走るステッチがシャープさとヴィンテージ感を演出する。

  • 80周年モデルはすべて、裏地に赤とエンジのチェッカー柄を採用。さらにネームタグのクラウンマークもビンテージカラーに変更されている。

  • 肩ワッペンもクラウンマークのトリコロールの彩度を落とし、ビンテージカラーにした80周年専用デザインとなっている。

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フラットで軽く滑らかで強度を備えた革「ソフトステア」を使った、シングル・パテッドライダース。少し長めの着丈を採用することで、立った状態はもちろんのこと、ライディング時でも美しいシルエットを維持する。もちろんヘッドファクトリーパターンを採用しているので、あらゆる状態でも無理を感じない着心地となっている。AMERICAN W-80th同様、肩と肘に当て革スポンジパッドを装着し、デザインアクセントとするともに防護性アップを実現。ライディング時の違和感も感じない。シンプルでありながらひと味違った1着を探しているライダーにオススメである。

K’S LEATHER 
アサマ-80th

価格税別:6万4000円(3Lは3000円UP)
カラー:ブラック

  • 軽くて滑らかなソフトステアを採用。ムシ隠しのゴールドジップや裏地の赤がシンプルなジャケットのアクセントとなっている。

  • 80周年記念モデル3着には、いずれも『Vintage Crown Pins』がプレゼントとして付属。好きな位置に取りつけてカスタマイズしたい。

  • 3着いずれにも脊髄パッド用ポケットを装備。別売の脊髄パッドを装着することで、さらに安全性・防護性を高めることができる。

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往年の人気モデルであったASAMAを現代に復刻。素材には軽快な着心地に定評があるソフトステアを選び、ヘッドファクトリーパターンでライディング時の運動性を極める。シンプルなデザインでありながらも、KADOYAの技術とこだわりはしっかりと継承されている。もちろん、裏地は80周年限定仕様のチェッカーで、メインラベルと肩ワッペンも同様。シンプルなデザインにアクセントを効かせ、粋な存在感を放っている。飽きのこない1着、そしてKADOYA80年の深みを味わいたいライダーは要チェックの逸品だといえよう。

KADOYA 80年の集大成

HEAD FACTORYの新たな挑戦

今季、HEAD FACTORYから新たに2モデルがリリースされた。それが「MERIDEN SPEED TWIN MODEL-O」と「BRMJ」だ。それぞれのこだわりについて、深野将和社長に聞いた。

「今回発売する2着は、どちらもパテットでありながら、個性がまったく違うものとなっています。SPEED TWIN MODEL-Oは、従来モデルを大きくリファインしたもので、素材をオイルソフトステアからゴートスキンに変更し細部まで手を加えました。圧倒的な軽さは革ジャンの概念が変わると言っても過言ではありません。そのライトな着心地とスタイリッシュなデザインは、バイクから街着まで自然に着回せる作りとなっています。 対してBRMJはライダースジャケットとしてのテイスト、そしてリアリティーを追求しました。素材の艶なしカウはレーシングスーツに採用される革と同様の強度スペックを持たせたものであり、使い込むほどに艶とアタリが加わり革ジャンの深みを増して行きます。」

素材やパターンへのこだわりは不変ながらも、HEAD FACTORYもまた進化を続けている。それを象徴するのが、この2モデルだといえるだろう。

2012年11月、代表取締役に就任したのが深野将和氏。KADOYA三代目として、物心ついたときから革ジャンとバイクに囲まれた生活を送り、この2つは氏の生活になくてはならないものとなっている。もちろん、自身もバイク乗りである。

HEAD FACTORY 
MERIDEN SPEED TWIN MODEL-O

価格税別:14万5000円
カラー:ブラック/ワイン

  • SPEED TWINのアピールポイントである幅の狭いスタンドカラー。ネームタグはリニューアルされた。こちらのカラーはワイン。

  • 正方形のパテッドステッチは前モデルから継承。防護性を高めるとともに、SPEED TWINの大きな魅力となっている。

  • アクションプリーツを廃し、1枚革を贅沢に使用。それでいてスポーツライディングに耐えうるフィット感を実現している。

  • 本体がブラック革の裏地は鮮やかなレッドを採用。対照的な配色が印象的だ。シリアルナンバーも記される。本体ワインカラーの裏地はシンプルなブラックである。

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かつてトライアンフの本社工場があった地をモデル名に冠した「MERIDEN」シリーズ。その最新作が「MERIDEN SPEED TWIN MODEL-O」だ。充実した繊維組織により強じんで軽量、さらに表面摩擦に対しても高い強度を備えるゴートスキンを採用、ライダースジャケットに非常に適した革である。注目すべきは素材の贅沢な使い方。じつはゴート(ヤギ)は身体が小さく、1枚そのまま使える大きさは限られるのだが、背中はあえてアクションプリーツを廃し、一枚革を使用しているのだ。もちろん、アクションプリーツがなくてもしっかりと身体にフィットしたパターンとなっているのも特筆すべき点である。

HEAD FACTORY 
BRMJ

価格税別:14万5000円(3Lは10000円UP)
カラー:ブラック

  • オフセットされたフロントファスナーは首もとまで閉めることはもちろん、大きく開いてもOK。気温に適した着用スタイルを取れる。

  • 肩と肘にはパッドを装着。スポンジは柔らかくて薄いので、身体への馴染みが良く違和感はない。デザイン上のポイントにもなっている。

  • オールドアメリカンタイプのジップはジャケットの雰囲気を高める重要なディテール。YKK製で信頼性も高い。

  • 裏地はスーパーハードツイルキルティング。暖かさをしっかりキープし、冬のライディングに最適。シリアルナンバーも記される。

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ビンテージ感溢れるデザインが魅力のジャケットだが、素材はレーシングツナギに使用されるツヤなしオイルカウを採用。引き裂きや摩擦など、あらゆるダメージに対して高い耐性を持っており、古き良き時代のデザインとは相反し、優れた安全性を誇る。ジップはYKK製インジェクションで、オールドアメリカンタイプのデザインが特徴。ジャケットの雰囲気を高めつつも、YKK製とすることで信頼性も確保。また裏地はスーパーハードツイルキルティングとなっており、表革に見合った強度・耐久性を求めながら保温性を高めている。長く愛用するための徹底したこだわりが随所に及ぶ。

KADOYAの定番レザージャケット

K’S LEATHERを代表する定番の2モデル

80周年記念ジャケットにHEAD FACTORY新作と、今回は特別感のあるモデルをメインに紹介したが、当然KADOYAは定番ジャケットも数多くラインナップしている。シンプルなダブルやシングルのライダースジャケットもK’S LEATHERなら高い品質とリーズナブルな価格設定で、必ずや納得いくはず! ここではK’S LEATHERを代表する、定番の2モデルを紹介しよう。

K’S LEATHER 
FPS-1/SFT

シンプルなデザインで、飽きずに長く着られるスタンダードなシングルライダース。軽くて着やすいソフトステアを採用している。

価格税別:5万4000円(3Lは3000円UP)
カラー:ブラック

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K’S LEATHER 
FPW-1/SFT

細かなモデルチェンジを繰り返し、熟成の域に達した一着。こちらもソフトステアが設定されており、購入時から着やすいのが嬉しい。

価格税別:5万8000円(3Lは3000円UP)
カラー:ブラック

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