VIRGIN HARLEY | 『Lasers Paint』カスタムペイントの頂点 最高峰の鏡面塗装 特集記事&最新情報

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取材協力:Lasers Paint 車坂下moto-cycle 取材:HOTBIKE Japan編集部

掲載日:2012年2月1日

オープン9年目を迎えるカスタムショップ “車坂下moto-cycle” の野呂裕二が
新たに立ち上げたカスタムペイントファクトリー “Lasers Paint(レーザーズペイント)“。
まるで鏡のような艶を誇る最高峰の鏡面塗装にカスタムペイントの可能性を垣間見る。

 

Lasers Paintのアトリエへと上がる階段には、ピンストライパーのカリスマ “Von Dutch”のポスターがエイジングが施された額に入れられ飾られている。

まだ出来上がったばかりのLasers Paintの塗装ブースにて。用途に合わせてガンを使い分け、思い通りの仕上がりを目指す。しかしまだまだ日々勉強だと彼は話す。

鏡面塗装の最後の行程、バフマシーンを使って磨き上げる。あらゆる研磨剤を試し、試行錯誤の末に辿り着いた究極の鏡面塗装はこうして仕上げられるわけだ。

Lasers Paint始動

ハーレーをメインにドメスティックカスタムも手掛ける埼玉県川口市のカスタムショップ、車坂下moto-cycle。代表の野呂裕二は、年間2~3台のショーレベルのフルカスタムに加え、修理やメンテナンスなどのショップ業務をひとりでこなしている。そんな多忙を極める彼が、昨年末にカスタムペイントファクトリー 、Lasers Paint(レーザーズペイント)を立ち上げた。車坂下のオープン当初から車両製作に加え、自らカスタムペイントまでを手掛けてきた彼は、ペイントをはじめた理由をこう話す。「バイクを作っていて、その場で最後の仕上げとなるペイントまで出来た方が、より車両のクオリティーを上げられると思ったからです。トータルでのカラーやデザインのバランスを取る上でも、ひとりの人間がやった方が統一感を得られる。すべてはカスタムの完成度を上げるためです」。

 

オートバイの取り扱いに絶対の自信を持つ、車坂下moto-cycleでの経験がベースにあるLasers Paintなので、カスタムペイント時の外装の取り外しなども安心して任せられる。カスタムショップで育まれたきめ細かな心使いがLasers Paintの特徴と言える。

 

鏡面塗装への挑戦

カスタムペイントのスキルやテクニックについて、はじめは知り合いのペインターに教えてもらうこともあったというが、基本的には独学で身に付けた。

 

徹底的にこだわる性分だという彼は、鈑金作業などの車両製作を突き詰める一方、カスタムペイントをとことん追求する事を決意。何事も頂点を見極めた上で、その作業に携って行くことがクオリティーアップに繋がるというのが彼の持論だ。ではカスタムペイントの最高峰とは? 彼の探求がはじまった。「付き合いのあるバフ屋さんとか塗料メーカー、ペインターのひとたちに聞いて辿り着いたのが鏡面塗装だった。今から2年くらい前の話です。そのころには、ある程度納得できるモノを作れるようになってはいたんですが、その先に行ってみたいと思うようになり、カスタムペイントの頂点と言える鏡面塗装を極めることを決意したんです」。

 

世に出回っている鏡面塗装と呼ばれるペイントに彼は疑問を持ちはじめた。「ほんとうに鏡面と言えるのか?」と。それなら自分で研究し、鏡面塗装の世界を開拓して行くしかないと心を決め、徹底的にデータ取りをはじめた。

 

「とにかく、いろんなモノを試してみました。塗料、研磨剤、ガンなど手当り次第に買って使ってみました。いくらお金を注ぎ込んだか分からないくらいです。使い慣れた道具にこだわらず、最新のモノもすべて試してみました。それからそれぞれの特性を見極めて、これはサフェーサーに使うといいとか、これはキャンディーに使った方がいいとか細かくデータを蓄積して行きました。このトライ&エラーが僕の財産です」

 

すべての工程において言えることだが、鏡面仕上げにするためには塗料の吹き方が重要。その塗出量やエアー量、シンナー量などの他に気温や湿度も大きく関わってくる。ベースカラーについては1液、2液と使い分けて塗料の厚みを調整。その後、最上級、かつ透明度の高いクリアーで仕上げられるので、その違いは一目瞭然。決して他では真似できない本物の鏡面仕上げを手に入れることができる。

 

塗装もできるカスタムショップではなく、本格的にカスタムペイントに打ち込みたいと思い、昨年末に車坂下moto-cycleのペイント部門を分ける形でLasers Paintを立ち上げた。工場の1階が車坂下moto-cycleで、2階をLasers Paintのアトリエとして改築。屋号は、”鏡面” を意味する “Laser” に由来している。

  • 車坂下moto-cycleからLasers Paintへと登る階段。2階には塗装ブースと乾燥スペースが設置されている。

  • 塗装ブースでは静電気やホコリを抑えるためにSPiエアリフレッシャーでイオンシャワーを発生させている。

  • さまざまな塗料を試してデータ取りした結果、用途に合わせて塗料メーカーを使い分けることにしたという。

  • カスタムペイントの最高峰を目指し、鏡面塗装を極めるべくLasers Paint野呂裕二の挑戦は続く。


経験から得た勘

鏡面塗装に仕上げる上で要となるのは、やはり下地だという。「とにかく下地が大切。下地の面を出すために重要なのはベースの鈑金はもちろん、サフェーサーの吹き方、そして中でも大切なのはその研ぎ方です。当て板の選択から力の入れ方に加え、どこまで妥協せずに続けられるかという根気が必要。手間を掛ければ掛けただけの仕上がりが得られますから。今はクオリティーを落とさずに、いかにスピードを上げられるかが課題。そのために新しい手法を試している最中です。決して数値で表せるものじゃないから、その見極めは経験から得た勘が頼り。目で見て、そして手で触った感触がすべてです」。

 

フレークとかキャンディではなく、ソリッドペイントでもっと面白いことができるんじゃないかと、まったく新しい表現方法を日々模索しているという。バイク以外にもクルマや家具などのカスタムペイントも手掛けるLasers Paintならではの今度のアプローチに注目したい。

  • 鏡面塗装の鍵となる下地処理。ベースの鈑金からサフェーサーの吹き付け、そして研ぎ方、もちろんその後のカラーやクリアの吹き付けに至るまで、すべてがポイントとなる。

    昨年末のホットロッドショーに出展されたパンヘッドのタンク。ごまかしの効かないこのソリッドブラックの鏡面塗装の仕上がりは、下の動画でも確認して頂きたい。


 


 

単色などのカスタムペイントなら納期は約2週間くらい。この写真のように手の凝ったものでも1ヶ月もあれば納品可能。もちろんユーザーの持ち込みも大歓迎。

何事に付けても徹底的にこだわる性分だという野呂裕二。だからこそ日々進化できるわけだ。鏡面塗装にゴールはない。カスタムペイントの可能性は無限大。

最後にカスタムペイントの魅力について伺った。「ペイントの楽しさは、その仕上がりを見ての僕自身の自己満足ですね。デザインが決まったときなんか、ひとりではしゃいでますから(笑)。それと僕の大きなモチベーションになっているのはお客さんの喜ぶ顔です。その反応を見るのが楽しい。回りの友達なんかも集まって、テンション上がって盛り上がってくれることもある。すごくやりがいを感じる瞬間です。逆に辛いことは、表に出てこないすべての作業ですね。特に冬場の水研ぎは辛い。昨日の夜なんか水研ぎしていたらタオルが凍ってましたから(笑)。

 

視覚に訴えかけるカスタムペイントはとても分かりやすい。それが魅力でしょうね。マシンの仕上がりを大きく左右するのもカスタムペイントだと思う。だから一切気を抜けない。目標は世界一になることです。鏡面塗装だったら誰にも負けないと言われたい。それくらいの気持ちで挑んでいます。日々進化してますよ、鏡面塗装にゴールはありませんから……」。


ジョインツでアワードに輝いた1972FLHロングフォークチョッパー。10インチオーバーのハーマン製ガーターフォークを装着しながらも、走行性能を犠牲にしない "走るチョッパー" である。野呂裕二自らの試乗からも、その高いクオリティーを感じてもらえるはず。

埼玉県川口市に居を構えるカスタムショップ、車坂下moto-cycle。オープン9年目を迎える同ショップはカスタムショーで数々のアワードに輝く実力派ショップである。名古屋で開催されたジョインツ2010ではショベルヘッドベースのロングフォークチョッパーで見事にKING OF STREETを獲得。さらに昨年末のホットロッドカスタムショーではオールアルミの外装が見せ場となるSR400のフルカスタムでChris Broders PickにAaron Elliott Pick、さらにDice Magazine Pickのトリプル受賞!

 

カスタムマシンとは何たるかを知り尽くした車坂下moto-cycle代表の野呂裕二が立ち上げたカスタムペイントファクトリー、Lasers Paintも本物指向であることは言うまでもない。

 

  • 昨年末のホットロッドカスタムショーでアワードのトリプル受賞を果たした1996年式のSR400。見せ場は2mmのアルミ鈑から叩き出された外装である。驚くべきは、1枚のアルミ鈑から叩き出されたフロントカウル。この高い鈑金技術がカスタムペイントのベース作りに生かされている。