VIRGIN HARLEY | エボリューションとインジェクションチューニングにこだわるライトサイクル 特集記事&最新情報

取材協力/LIGHTCYCLE 写真・文/モリヤン 構成/VIRGIN HARLEY.com編集部

掲載日/2015年7月29日

アナログからデジタルまで
とことん追求するハーレー専門店

ライトサイクルのスタッフは、店長以下全員が敏腕メカニックである。ディーラーメカとしての経験も長く、様々なハーレーをメンテナンスしたきたという実績のあるメンバーが運営している専門店なのだ。オープンは2005年で、インジェクションモデルのチューニングも得意とする。その理由は、現代のハーレーに、より普遍的なハーレーらしさを追求するためだった。そして2009年には細かいチューニングには不可欠なシャシーダイナモ「ダイノマシン」を導入。様々なコンピューターチューニングを施すことができるようになった。

 

扱う車種は、ショベル以降のハーレー全車種である。搭載しているエンジンによって、ハーレーの乗り味は大きく違うことから、それを好むライダーも多様化する。そんなニーズに細かく対応できるショップとして、このライトサイクルは活動していると言えるだろう。そんなライトサイクルが近年力を入れているのが、エボリューションエンジンを搭載した後期モデルあるという。今回は、その理由を確かめるためにレポートしてみた。

ハーレーらしさを追求し続けて
導き出したエボへの選択肢

エボリューションモデルが発売されたのは1985年である。以前のショベルヘッドから革新的に進歩したと言われるオールアルミエンジンは、そのヘッドカバーの形状がEの文字に見えることと、革新的という意味を込めてエボリューションエンジンというニックネームが付けられた。

 

最後期モデルは1998年。ソフテイルモデルのみ、1999年までエボリューションモデルは存在する。その約15年間の歴史で細かい設計変更がなされ、大雑把には3段階の種類として分けられるのである(ビッグツインの場合)。初期は85年から90年。中期は91年から94年。そして後期が95年以降と言われている。これは主にエンジン内部の設計変更や、電装品等のグレードアップ、そして全体の信頼性向上という意味での改良で、もちろん毎年細かい違いはあるものだが、大きく変化した年代を区切ったということなのだ。

 

ライトサイクルでは、後期のエボリューションモデルに着目して、数多くの直輸入車を販売している。今回は店長の酒井誠さんに、その理由を尋ねてみた。

店長の酒井誠さんも、元ディーラーメカニックとして活躍していた人である。まだエボリューションモデルが新車だった時代からメンテナンスしてきたから、整備には絶対の自信を持っている。そんな人が強く勧めるのが後期エボリューションモデルなのだ。

まずは、ライトサイクルとしてのポリシーを聞かせてください。

 

酒井 僕らはディーラーメカとして数多くのエボリューション以降のモデルを扱ってきましたから、様々なハーレーの特徴を理解しています。現行モデルのインジェクションチューニングという方法も、よりハーレーらしさを追求するという意味での方法ですし、アナログでもデジタルでもファインチューニング(調整)することが長く付き合えるハーレーを作り出すことだと考えています。

 

エボリューションの中でも、最後期モデルの極上品を厳選して扱っているという理由は何でしょうか。

 

酒井 数多くのユーザーと接しているうちに、多くのハーレーファンが望んでいる「ドコドコ感」や「アイドリング時のきれいな三拍子」などを一番表現しやすいモデルがエボリューションの後期モデルであるという結論になったからです。もちろんもっと古いモデルでも表現できる乗り味ですが、あまり古いと信頼性に問題が出てきます。

 

メンテナンススキルの高いユーザーならば、それこそビンテージモデルのパンヘッドやショベルでもかまいませんが、やはり旧車は、旧車としての扱いを要求されますから、後期のエボリューションモデルが最も多くのユーザーが望んでいるのではないかと考えました。

車両をアメリカから輸入する理由は?

 

酒井 最後期モデルでもすでに15年以上前の車両となると、国内販売されたものでは程度の良い個体が確保しにくい。日本は湿気の多い気候ですから車体のコンディションを維持するのが大変なんです。その点、アメリカ本国でも乾燥地帯のガレージで保管されていた車両は、すばらしいコンディションを保っていますから、現地でメカニックとして働いている僕らの仲間に頼んで、直接買取ってもらうようにしているんです。

 

アメリカの業者には頼まないということですね。

 

酒井 買い取りをする人間も古い友人のメカニックなので、ダメな車両を引き取ってしまうことはありません。その点が最も重要で、僕らが自慢したいポイントですね。

エボリューションを好むライダーはどのような人々なのでしょうか。

 

酒井 簡単に言えば、旧車マニアではありません。もし、新車のエボリューションがあるならば、それが最も欲しいバイクであるというライダーです。つまり、現行モデルの乗り味には満足いかないものの、トラブル等に不安がある旧モデルでは心配だという人々だと思います。

 

最後のエボリューションは、アナログモデルで最高の品質ということですね。

 

酒井 何が最高なのかは、人それぞれで違いますが、エボリューションの後期モデルは、ちょうど良い湯加減というところでしょうか。品質も良く頑丈で、乗り味が求められているのなら、そのモデルをきちんとメンテナンスして届けることが僕らの仕事だと考えています。

新車のようなコンディションで
並べられるエボリューション

アメリカ国内でも、湿気の少ない地域からコンディション抜群の車両を選ぶ。日本に比べればまだまだ保有台数の多い本国でも、走行距離が少なく極上という個体は年々少なくなっている。つまり、新車のようなエボリューションを手に入れるには、今が最後のチャンスということなのだ。

 

信頼性という意味においては、エンジンがニュータイプになったツインカムの初期モデルよりも安心して乗ることができると言われている最終期のエボリューションモデル。特にソフテイル系やダイナ系は現行モデルとの乗り味に大きな差があるので、現在も人気モデルである。ライトサイクルでは、まるで新車のような輝きを放つモデルに完璧な納車整備を施して販売しているのだ。

アメリカ仕様のバイクは、当時の日本仕様と装備が異なる場合も多い。たとえばこのスポーツスターは、日本ではスポークホイールだけだった。極上のアメリカ仕様が手に入るのも大きな魅力なのだ。

納車整備は、新車のようなコンディションということが前提の整備。油脂はすべて交換され、駆動系の点検、電装品のチェックも怠らない。頑丈なエンジンが取り柄のエボリューションの魅力を引き出す。

FXSTC(ソフテイルカスタム) 1999年式 ブラック(純正オリジナル) 走行16501マイル 価格179万5400円(税込み)

ソフテイルは、エボリューションの時代に生み出されたモデル。このFX系のソフテイルは、現行モデルではブレイクアウトを残すのみで、スタンダードモデルは存在しないのである。

FXDWG(ダイナワイドグライド) 1997年式 ブラック(純正オリジナル) 走行6422マイル 価格185万7200円(税込み)

ショベル時代にデビューしたワイドグライドは、日本仕様では時々ラインナップから姿を消すものの、本国では人気を保ち続けているモデル。そして、オリジナルの最終エボは貴重な存在でもある。

FLSTC(ヘリテイジソフテイルクラシック) 1997年式 ブラック(純正オリジナル) 走行18006マイル 価格199万8000円(税込み)

現行モデルでもそのシルエットが不変の人気モデル。しかし、ツインカム以降はエンジンにバランサーが装着された。エボリューションはダイレクトでハードな乗り味ということが、大きな特徴なのだ。

XLH883H(スポーツスターハガー) 1994年式 ブラック(純正オリジナル) 走行5284マイル 価格87万4800円(税込み)

10現行車との大きな違いはエンジンのマウント方法にある。2004年以前のスポーツスターはリジットマウントで、ハードな乗り味なのだ。そして1996年以前のモデルには、ピーナッツタンクが標準装備。

※掲載されている車両価格は2015年7月現在の価格です
SHOP INFORMATION

都内からも近い利便さと高いメンテナンススキルが身上

ライトサイクルが得意とするのはエボリューションとインジェクションチューニングだけではない。扱う車種はショベルのモデル以降全般で、カスタムも得意分野だ。総合的にハーレーをカスタマイズするには、とても頼りになるショップなのである。アクセスも簡単なので、一度覗いてみてはいかがだろう。

住所/千葉県松戸市松戸2303-1
電話/047-308-7520
FAX/047-308-7521
営業/10:30-19:30
定休/火曜日