VIRGIN HARLEY | メイドインジャパン 2014年以降スポーツスター用パインバレーオリジナルマフラー 特集記事&最新情報

取材協力・写真/パインバレー  取材・文・写真/田中 宏亮  構成/VIRGIN HARLEY.com編集部
掲載日/2015年02月04日
ハーレーにとっての理想のマフラーとは何なのか。音質、音量等に関するさまざまなデータを検証しても、最後に決め手となるのはオーナーの好みに他ならない。北米マフラーや海外ブランドマフラーを数多く取り扱い、より多くのオーナーと接してきたパインバレーには、これまでの経験から得た確かな実績がある。そんなパインバレーが、ついにオリジナルのマフラーを手がけたという。海外パーツやグッズの輸入販売を手がけてきた彼らが自信を持って世に送り出すオリジナルマフラーの第一号『シーガル』について話を伺った。

INTERVIEW

驚くほどの早さでの製品化ながら
音にこだわった自信作

「“オリジナルマフラーを手がけたい”という想いはずっとありました。この『シーガル』は、その想いをようやく形にできた記念すべき製品です」

 

北米マフラーをはじめ、さまざまなアメリカ系メーカー製品の販売を手がけてきたパインバレーだが、オリジナルマフラー製作はこれが初めて。試作に試作を重ねて製品化まで何年もかかり……というのはハーレーの世界で珍しくない話だが、聞けばプロジェクトスタートから予約開始となった昨年12月24日まで、半年ほどという異例のスピード製造だったと秋山店長は話す。

 

「狙いがはっきりしていたからだと思います。まずは重低音であること。そして、バンス&ハインズやクロームワークスほど大きくない、北米マフラーの一歩上のサウンドを求めたのです」

 

パインバレーで取り扱っているブランドは、バンス&ハインズ、クロームワークスなどのアメリカ製マフラー、そして北米仕様の純正マフラーだ。 先の2ブランド製品はサウンドの大きさで知られているが、オーナーの住環境や感覚によっては「大きすぎる」と捉えられることもしばしば。それらと比べると北米マフラーはノーマルマフラーよりもしっかりした味わいのあるサウンドを備えているものの、「あともう一歩」という声も少なくなかった。エアポケットのように空いたそのゾーンに収まってくれるマフラーを探してみたが、「これぞ」というものが見つからない。

 

「ならば、自分たちで作ろうじゃないか」

 

長年マフラー販売を手がけ、これまでに多くのハーレーオーナーの声を聞いてきた自分たちには、他にないノウハウがある。今度はそれを形にしてみる番だ。こうして、オリジナルマフラー開発プロジェクトが立ち上げられることになったのだ。

 

パインバレー 店長
秋山 直輝 氏

生粋のハマっこ横浜出身。本牧に居を構えるパインバレーの名物店長。主に現行ハーレーモデルに関する造詣が深く、彼を慕って集まるオーナーは数多い。間違いなくパインバレーの顔と言える存在だ。

スラッシュダウン型の『シーガル』。人気の高いスタイルであるのはもちろん、周囲への影響に対する配慮も込められての採用だそう。

これまで接してきたハーレーオーナーがもっとも好んだのは、重低音マフラーだった。特に北米マフラーはカンパニーが手がけただけあって、重みのある低いサウンドが特徴的で、そこが人気の秘訣でもあった。

 

「素材は鉄、これは譲れませんでした。そして、重低音を引き出すための“鉄の厚み”を重視しました。この厚みが足りないと、いわゆる音割れを引き起こしてしまい、安定したサウンドを生むことはできません」

 

デザインは当初から“スラッシュダウン”と決まっていたという。いわゆる下向きのスラッシュカット型で、確かにこのスタイルは人気が高い。しかし、理由はそれだけでないという。

 

「下向けにカットされているので、サウンドが路面に向けられることになりますよね。外向けにすると周囲にサウンドを向けることになり、住環境によっては迷惑と感じられるケースがあります。そして、路面に向けられたサウンドが跳ね返ってオーナーの五感に心地よく響く効果も狙ってのものです」

 

開発段階でもっとも試作を重ねたポイントがこの重低音で、自社で完備するシャーシダイナモを活用して、理想のサウンドを求めた。とりわけ2014年以降のスポーツスターを適合とした製品だったので、実際にパワーチェックを行なって“トルクの谷”を解消するポイントも追求。完成まで半年足らずというスピード開発だったが、その間、あらゆる面の“質”を追求した末に生まれた製品というわけだ。

 

満を持して世に送り出されたPPM(パインバレー・パフォーマンス・マフラー)第一作の『シーガル』。適合は2014年以降のXLモデル全般ということだが、今後適合モデルを増やしていく予定はあるのだろうか。

 

「もちろんです。スポーツスターの次はダイナ、そしてソフテイル、ツーリングと手がけていきます。当然、デザインだってバリエーションを追加したいとも思っています。しかし、その前に作っておかなければならないのが取り替え可能なインナーバッフルなのです」

 

処女作となったこの『シーガル』は、パインバレーのノウハウから導き出した「日本のハーレーオーナーの多くが求めているマフラー」を具現化したもの。しかし、限りなく万人向けとされるとは言え、すべてのオーナーを満足させるのは難しい。そこで異なるサウンドを生む取り替え用インナーバッフルを用意し、それぞれのオーナーの好みに合った音質や音量をチョイスしてもらおうというのだ。

 

「あらゆる要素を含めて、ハーレーらしいマフラーができあがったと自負しています。良い製品とともにスタート地点に立てたので、適合モデルの増加とともに、さまざまなハーレーオーナーに楽しんでいただけるサポートをしていきたいですね」

 

蓄積されたノウハウにシャーシダイナモと整えられた環境から産み落とされたPPM『シーガル』。ここを起点に、パインバレーの新しい展開が広がっていく。

 

『シーガル』専用のヒートガードも別売で用意されている。文字の刻印入りやフレイムスといったデザイン対応が可能。ぜひ店頭で聞いてみよう。

POWER CHECK

フューエルインジェクション化された現代のハーレーには、マフラー交換、エアクリーナー交換、そしてインジェクションチューニングが必須項目だと言われる。この三点セットでしっかりセッティングしてやれば、まるでビンテージモデルのような鼓動感を得られるようになるのだ。パインバレーが常に追求するのがこのハーレーらしい鼓動感で、オリジナルマフラーもそのコンセプトに基づいて生み出された製品だ。パインバレーのシャーシダイナモを使い、「フルノーマル」「マフラーのみ交換」「マフラー+エアクリーナー+インジェクションチューニング」という3パターンで出力とトルクの両方をチェックしてみたところ、違いはご覧のとおり。マフラーのみ交換してもノーマル以上の力を引き出せているが、チューニング3点セットを施したグリーンのラインは滑らかなカーブを描いた理想的なものとなっている。

  • しっかりセッティング!

    アメリカ製防音設備を備えたシャーシダイナモ室を持つパインバレーでは、ベストなセッティングとなるチューニングサービスで、ハーレーの秘められた魅力(パワー&トルク)を100%引き出せる。本当のハーレーを感じ、楽しんでみたいオーナーはその門をたたいてみるべし。

  • スマホでセッティング!

    バンス&ハインズ製のチューニングディバイス、フューエルパック『FP3』は『シーガル』との相性が抜群。アイドリングも800rpmまで落とすことが出来る。パインバレーは『シーガル』でのセッティングやマップを検証済み。近隣にダイナモ完備のショップが無い場合は、FP3でのチューニングを視野に入れてみよう。

  • ウェブサイトでも販売開始!

    バイクブロスの通販サイトにも、パインバレーオリジナルマフラー『シーガル』がしっかりラインナップされている。スリップオンで取り付けもカンタンだから、遠方のオーナーでも気軽に取り寄せできるのが嬉しい。ぜひチェックしてみよう。

BRAND INFORMATION

パインバレー

住所/神奈川県横浜市中区本牧原12-1 ベイタウン本牧5番街 1階
電話/0120-918-469
FAX/045-305-4006
営業/11:00~19:00
定休/無休

積み重ねたノウハウとともに
充実のハーレーライフをサポート

北米マフラーを取り扱うショップとして知られるパインバレーは、アメリカの薫りただよう神奈川・本牧を拠点としている。各ブランドのマフラーはもちろん、ローランド・サンズ・デザインなど人気のカスタムパーツやヒートジャケット、米製ジェットヘルメットなども販売している。