VIRGIN HARLEY | 日本人が胸を張って世界に誇れるバイク ロードホッパーの魅力を大いに語る 特集記事&最新情報

取材協力/プロト ロードホッパー 取材・写真・文/山下 剛 構成/Virgin-HARLEY.com編集部
掲載日:2013年2月22日

シンプルでタフなアメリカ文化と
洗練された精密という日本文化の融合

ロードホッパーの魅力はロング&ローが醸す個性的なスタイリングだが、このレベルのカスタマイズを量産できる技術力と製品管理力があってこそ。プロトは第5のメーカーといって過言ではない。

ハーレーダビッドソン製エンジンを、ゼロから作り上げたリジッドフレームに積んだバイクがある。世界的知名度を持つカスタムビルダー 木村信也氏のデザインから生まれた「ロードホッパー」は、いまや日本のみならず、アメリカやヨーロッパ各国でも評判を呼び、注目されている。

古き良きモーターサイクルと、現代日本の技術と職人魂の結晶。それらが醸し出すライディングフィール、所有感、存在感とはどんなものなのか。メーカー営業担当としてロードホッパーをよく知る山本武史氏と、ロードホッパー東京 KAWASAKI の店長を務めるだけでなく、一個人としてもロードホッパーに魅せられ、愛してやまない羽島 快氏の二人に、その魅力を大いに語り合ってもらった。

初めてバイクに乗ったときの興奮と
感動を味わえるのがロードホッパー

山本 武史(左)

株式会社プロト 営業部 MC営業

10代後半からバイクに乗りはじめ、気がつけばバイク業界に身を投じたバイク好き。ロードホッパーの営業を担当し、日本中を駆け巡っている。

羽島 快(右)

ロードホッパー東京 マネージャー

大学卒業後、梅田モータースに入社。15年の長きに渡ってハーレーダビッドソンを担当。初めて買ったバイクはスズキ・サベージというアメリカン好き。

羽島私たちは世代が一緒ですよね。私はスティードに憧れたけど、ノーマルには乗りたくなかった。だから高いスティードではなく安いサベージを買って、その分をカスタムに回しました

山本私はレプリカに憧れてました。VFR400 から入って、250γ や RVF などに乗り継いで XJR にしばらく乗ってましたね。レプリカよりゆったり走れるバイクに興味を持ったのはその頃からです。ハーレーダビッドソン (以下 H-D) を所有したことはないのですが、ロードホッパー (以下 RH) と H-D には、スタイルを求めるライダーが多い点が共通していると感じますね。

羽島今の会社 (梅田モータース) に入って 15年目になるのですが、当時、H-D は雲の上の存在。高嶺の花でした。今はだいぶハードルが下がって手に入れやすくなりましたね。それはそれでいいことだと思うんですけど、大衆化という側面があることも事実。そういう意味では個性とか独自性が薄くなってると思うんです。でも、RH にはそれがある。

山本それは感じますね。

羽島:15年のあいだ、何千台もの H-D に触れられる環境にいた僕が、量産バイクという枠の中で、RH がここまで個性的なスタイルを持っていることに、心底驚かされたんです。ヴィンテージ、カスタムの世界の奥の深さをまざまざと感じさせられたんですよ。たとえば木村信也さんに、これと同じカスタムを依頼したら1年以上かかることもありますね。それが RH なら、在庫さえあれば即納だし、オーダーをかけても2ヶ月くらいで完成して納車されてしまう。しかも2年のメーカー保証までついてくる。そんなの、売ってる私自身でも信じられませんよ(笑)。RH をもっと多くの人に知ってもらいたい、乗ってもらいたい、このすばらしさを全身で感じてもらいたいと思ったのは、そういうことがきっかけですね。

山本:メーカーの人間として、そういう話を聞けることは光栄の至りです(笑)。一緒にRH を盛り上げていこうとしてくれている羽島さんだからこそ心強くもあるし、そんなふうに RH を心から本当に気に入ってくれている人が携わってくれていることは幸福ですよ。

羽島:いやいや、本当にいいバイクだと思ってるんですよ。お世辞でも社交辞令でも、ましてや商売文句でもなく。いや、もちろん商売ではあるんですけど(笑)、ひとりのバイク乗りとして、RH のすばらしさを知ったからこそ、多くの人にこの感動を味わってもらいたいと思ってるんです。だからこそやりがいもあるし、個人的にもうれしい。

山本:RH は、H-D のエンジン (EVO) をリジッドフレームに搭載していますが、カスタムバイクで使用されているリジッドとは違います。シート下のスプリングやフレーム自体のしなりもあるから、リジッドという言葉の印象から想像する以上に、普通に乗れてしまうんです。そういう一面を目で、耳で、肌で感じてもらいたいという気持ちで、今、全国で試乗会をやってるんです。

羽島:RH を見たときに感じる感動は、初めてビューエルを見たときと一緒なんです。その上で、山本さんから RH の歴史……木村信也さんがプロトの社員としてゼロエンジニアリングを起ち上げた話、見た目がカッコいいだけじゃなく、ちゃんと走って止まるバイクであるために、パーツが壊れるまで走行テストや耐久テストを繰り返して、大丈夫だと信じられるパーツだけで作られること。そうした先人たちの試行錯誤の積み重ねが、一台一台の RH に詰まっている。そんなことを思いながら RH を眺めていると、点と点がつながった気分になって、なんともいえない気持ちになりますね。

山本:木村さんもカスタムショップであるゼロエンジニアリングから離れ、今はプロトとは別会社になっていますが、木村さんのスピリットはそれぞれに脈々と受け継がれています。

羽島:2008年の EICMA (ミラノショー) で RH のブースを出展しましたよね。そのときの反応はどうだったんですか?

山本:おかげさまで多くの人から好評をいただきました。『H-D のエンジンなのに違うエンジンに見える』とか『量産車には見えない』『ヨーロッパでも販売してほしい』という声を多くいただけました。

羽島:昨年、初めて HOTROD CUSTOM SHOW に出展させてもらったのですが、一番驚かされたのは外国人のお客さんの多さ。そのなかでこの RH も注目を集め、さまざまな外国人がブースに足を運んできてくれました。そこで話を聞くと、彼らが RH の魅かれた理由は、日本刀とか着物といった日本独自の文化の血が RH に流れているからだと思うんです。私も年をとってそういうものの良さがわかってきたんです(笑)。

山本:ゼロエンジニアリングの作品がバイクメディアだけではなく、一般メディアに採り上げられたとき、日本のワビ・サビの文化が込められている、という批評や感想が出てきて、当時のゼロエンジニアリングのスタッフたちはそれをやんわりと否定していましたが、DNA というか、無意識のうちにそうした日本的な何かが作品に込められているのかもしれませんね。

羽島:そう思うんです。日本人は謙譲の精神が美徳とされていて、自分たちのことを卑下したり自信を失くしたりするけど、日本人であることをもっと誇りに思っていいし、胸を張っていいと僕は思ってるんです。RH はそれを裏づける強烈な存在だと。

山本:誰でも簡単に乗れるバイクが良しとされる現代で、RH はバイクに乗るという行為自体を楽しめます。ロードホッパーならではの独特のポジションに最初は戸惑いますけど、身体能力を駆使して「鉄でできた馬」を乗りこなしていく過程のおもしろさがあります。リジッドフレームでホイールベースも長いから、セルフステアが利きにくくて乗りづらい。でも慣れてくると別のおもしろさに気づくんです。スロットルを開けたときのダイレクトなトルク感。後ろからドン!と押されるような加速。街を流しているときの注目度も高い。

羽島:あるユーザーさんの話ですけど、RH を走らせていると、ガソリンの残量やスロットル操作、コーナリングなどなど、全神経を集中させなきゃならない。だから悩みを忘れて、バイクに夢中になれるんだそうです。

山本:少年の頃、初めてバイクに乗ったときの感動ってまさにそれですよね。

羽島:モノのデザインは余分なものを省いたときに終わる、という言われ方もしますけど、RH はまさにそれだと思います。そういう視点で考えると、今の日本のバイクにないものが、RH には詰まっていますね。

山本:日本のモノ作りの伝統、文化といったものを RH で表現したいという思いもあります。ただ、カタチがカッコいいだけじゃない。機能もすべて万全で、隙のない精密機械を作らせたら、日本人は世界でもトップレベルだと思ってますが、それを証明したいですね。

羽島:これさえあればメシもいらない。そう思えるバイクですよ、RH は。僕たちがバイク少年だった頃、胸をときめかせたあの感動を、次の世代にも伝えていきたいし、僕たちと同世代や上の世代の人たちにも感じてもらいたいですね。

山本:夢がほしいですね。今の若い世代はどこか冷めてる。それが時代なのかもしれませんが、乗り物文化、日本の文化を彼らが感じられる環境を作っていきたいです。

羽島:お互いにがんばっていきましょう。未来のバイク乗りのために。

山本:ですね。私たち、今のバイク乗り自身のためにも!

ロードホッパー東京 SETAGAYA

住所/東京都世田谷区尾山台2-26-9
電話/03-5760-0530
営業/10:00~19:30
定休/水曜 (祝祭日は営業)

WEBサイト

 

環八沿いにあり、首都高・用賀 IC からはバイクで約 10 分。第三京浜・玉川 IC からは約3分とアクセスは良好。鉄道の場合は東急大井町線・尾山台駅から徒歩 10 分。ロードホッパー専門店として、都内で唯一新車展示をしている。ハーレーダビッドソン世田谷と隣接しており、ロードホッパーの源流を同時に見られるのもポイントだ。

 

 

ロードホッパー東京 KAWASAKI

住所/神奈川県川崎市幸区南加瀬5-4-1
電話/044-599-8900
Fax/044-599-8905
営業/10:00~19:30

定休/年末年始

WEBサイト

 

首都高1号横羽線・浜川崎 IC からバイクで約 20 分。都内からは中原街道を経由して綱島街道・木月4丁目交差点を左折し、県道 14 号線を約 2.6 キロ(約6分)。ユーメディア川崎と同じ敷地にあり、大きなガラス壁が美しく広い店内にロードホッパーの新車が展示される。ロードホッパーに心底惚れ込んだ羽島さんが店長を務めている。