VIRGIN HARLEY |  1954年式 FLフルカスタム

1954年式 FL

  • 掲載日/ 2010年03月05日【フルカスタム】
  • 撮影/磯部 孝夫
    本記事は HOTBIKE japan vol.107 にて掲載されたものです
1954年式 FLのフルカスタム画像
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メカニズムとシンクロできる
旧車だけの世界を知る

バッテリーとコンピューターでオートマチック化された利便性が飛躍的に向上した現行モデルに対し、SV/ナックルヘッド/パンヘッドは手動、すなわち人間の感覚でのメカニズムの調律が必須だ。無論、マニュアル(=旧車)orオートマチック(=現行車)の選択は、どちらが良い悪いというハナシにあらず。乗り手により長所にも短所にも変化するものである。

しかし、クルマとオートバイの差異に前者は実用性、後者は趣味性を重視する傾向があるのは事実。ゆえにオートバイ、利便性が高ければ「優」という単純な図式は成立しない。乗り手の感性を必要とするメカニズム。これを面白いと感じるなら、旧車に勝るものはない。

当時のエンジニア達の情熱が投影されたディテイルは、古き良き時代のアメリカンプロダクトの真骨頂だし、それらが経年の劣化により醸し出す枯れた雰囲気は新車にはない歴史だが、その一方で半世紀以上前に生産された車両ゆえの歴史や希少性には、昨今プレミアムが付き、旧車の価格は上昇の一途を辿っている。年式/H-D Genuineパーツの保有率/レストレーションの度合いとそれを手掛けたレストアラーの名声で、市場でのプライスが決まる。

しかし「血統」とプライスでは計り知れない重要なポイントが旧車には存在する。このハイドラグライド、純正度や血統が突出して優れている車両ではない。だがパンヘッド本来の豊かな乗り味は十二分に堪能することができる。文字で記せばさも当たり前のこととして映るのかもしれない。しかし多くの旧車が溢れる今の日本で、旧車本来の乗り味をこれほど明確に体感できる車両は、残念ながらまた決して多いとは言えない。希少性や純正度とは別次元に存在する旧車の醍醐味。乗り手の感性とメカニズムがシンクロした瞬間に訪れる高揚感。ひとりでも多くのフリークに体感して欲しい旧車ならではの世界。

1954年式 FLのフルカスタム画像

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艶かしいシルエットの分割フューエルタンクはH-D Genuine。オーナーとの歴史を物語る無数のスクラッチが刻まれる。
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リトルウイングと友好関係だというカスタムショップ「TMR」のオリジナルシフトノブ。ほどなくリリースされる予定だそう。
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質感とシルエットともに屈指のクオリティを誇るリトルウイングの人気アイテム「INDIAN SPARTO TAIL LAMP」を装着。
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ブラックアウトされたサイレンサーもH-D Genuine。ちなみにこの54ハイドラ、元はH-D50周年記念モデルなのだそう。
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