VIRGIN HARLEY | 1960年式 XLCH フルカスタム

1960年式 XLCH

  • 掲載日/2011年08月18日【フルカスタム】
  • 撮影/磯部 孝夫  執筆/HOTBIKE japan 編集部 池田 伸
    本記事は HOTBIKE japan vol.120 にて掲載されたものです
1960年式 XLCHのフルカスタム画像
1960年式 XLCHのフルカスタム画像

シンプルな中にも個性が光る
鮮やかな光沢を放つディガー

日本のカスタムショップの草分けと言うべきショップがある。MOTORCYCLE DEN。店を20代でオープンさせて故・佐藤由紀夫は、精力的にカスタムバイクを製作。ハワイにも拠点を設け、1989年にはチタンを使用してフル・スクラッチで作り上げたTITANをカリフォルニア州オークランドのカスタムショーに持ち込み、優勝を果たしている。

DEN は都内から河口湖のほとりへと店を移転したものの、佐藤さんが不慮の事故で亡くなったのは、18年前。しかしその後も DEN が活動を続けているのはご存知のとおりである。

佐藤由紀夫亡きあと DEN を引き継ぐことになった仁田法男は、精力的にカスタムマシンを製作。DEN らしいオーソドックスなチョッパーから、独創的なフォルムのニュースクールへ徐々に視線を移し、COOL BREAKER などのカスタムショーで次々と新作を発表。数年を経て自らのショップ、JENE CHOPPERS を立ち上げた。

JOINTS の会場を歩きまわっていると、一台のオーソドックスなディガーチョッパーが目に留まる。

入念なモールディングが施されたシンプルなリジッドフレームに、クロームメッキで仕上げたアイアンスポーツ・モーターを積むそのマシンは、ベージュとクリームの明るくやわらかなペイントとあいまって、古い雑誌のページから抜け出たようなオーラを放っている。近寄ってじっくり眺めると、ディテールの端々にまで至る丁寧な作りこみがよくわかった。

作者が JENE と聞いて、ちょっと驚いた。仁田さんが自分の店を始めて以来、ベーシックなオールドスクールをショーに持ち込んだのは初めて見たからだ。それにはまさに佐藤由紀夫在りし日の DEN のバイクを思い起こさせる仕上がりで、俺たちはリスペクトを込めて HBJ ピックに選出したのだった。

後日、JENE へ。広い工場では例のディガーが鮮やかな光沢を放っていた。

さあ、走らせてみよう。マグネトー点火の4カムショベルはキック数発で目覚め、ワイルドなサウンドを奏でている。ワンオフで複雑に取り回されたジョッキーシフトをローに入れ、回転を上げ気味にクラッチをミートすると、マシンはスムーズに発進した。

スポーツベースの小柄な車体ならではのコンパクトなライディングポジション、荒々しい加速で河口湖を行く。ショベルスポーツの図太いトルクを思う存分堪能した。

自分にしかできない奇抜なスタイルから、カスタム史の教科書に載りそうな基本スタイルへ。カスタムビルダーにとって、その作品は人生そのもの。この一台はビルダー仁田法男が行き着いた、現在進行形である。

1960年式 XLCHのフルカスタム画像

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カスタムの詳細をチェック!

1960年式 XLCHのフルカスタム画像
ストレートのラインが美しいワンオフのフューエルタンク。シンプルすぎる中に個性が光る。
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輝きを放つ外観のみでなく、徹底的なリビルドが施されたアイアンスポーツの4カムモーター。
1960年式 XLCHのフルカスタム画像
クリーンなステップ回りの裏にセットされた、複雑なジョッキーシフトの取り回しがわかるだろうか。
1960年式 XLCHのフルカスタム画像
これぞストレートパイプ。なにも足さない、なにも引かない。ウイスキーの古い広告コピーを思い出す。
1960年式 XLCHのフルカスタム画像
タック&ロールのシングルシートは、タンクからフェンダーへと流れるようなラインの中に埋め込まれている。
1960年式 XLCHのフルカスタム画像
スポーツスターをジョッキーシフトにするのは楽な作業ではない。シンプルな取り回しに注目。ノブはオリジナル。
1960年式 XLCHのフルカスタム画像
これ以上短くしようがないハンドルバー。レバーも何もない、スーサイドの美しさがあふれている。
1960年式 XLCHのフルカスタム画像
ジョッキーシフトにノーブレーキのスプールハブ。100%スーサイドはオーナーだけしか扱えない誇りがあふれる。
SHOP INFO.
住所/山梨県南都留郡冨士河口湖町船津2457-1
Tel/0555-72-6156
定休日/日曜

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