VIRGIN HARLEY | 2011年式 XR1200 フルカスタム

2011年式 XR1200

  • 掲載日/2014年12月10日【フルカスタム】
  • 執筆&撮影/田中 宏亮
2011年式 XR1200のフルカスタム画像
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現代ハーレーの世界に放たれた刺客
既成概念を切り裂く歴史の申し子

「ハーレーダビッドソンの歴史の流れを見て、生まれてくるべきモデル──そんなイメージで作ったんだ」

そういって朗らかに笑うのは、この一台を手がけたビルダー 河内山 智氏。ハーレーの古い歴史を知る人ならお分かりかと思うが、イメージソースは1960~1970年代にかけて活躍したファクトリーロードレーサー KRTT。ハーレーダビッドソン ミュージアムにも展示されている名車は、当時ホンダCB750やBSAの3気筒をライバルに米ロードレースでしのぎを削っていたほどで、その歴史のなかでもひと際まばゆい輝きを放っている。アメリカでは、ダートトラックレーサー XR750をベースにKRTT風レーサーでワンメイクレースを楽しむ人が多いと聞くが、「古いモデルをベースに組み立てるのはありきたり。“今、生まれるべきレーサー”がコンセプトだから」(河内山氏)と、ベースモデルにあえてXR1200をチョイス。ドラッグレース参戦を見据えての選択でもあるが、曰く「ハーレーにレーシングスピリットが残っていれば、XR1200はこういう姿になっていた、というイメージが俺のなかにあるんだ。それを形にしただけ」という。

ロケットカウルやワンオフタンク、ワンオフのシートカウルのインパクトが強い一台だが、「基本的にノーマルを活かしている。だってコンセプトは“メーカーから生まれるべき一台”だからね」と河内山氏は語る。確かによく見てみると、レース参戦モデルゆえ前後サスペンションやディスクローターなどはグレードの高いパーツが驕られているが、フロントフォークやホイール、スイングアーム、ステップなどはノーマルのまま。「最小限の手入れで、最大限の効果を狙う」という言葉どおり、XR1200本来の良さはしっかりと息づいている。

マフラーをバンス&ハインズ製とし、BURN!H-D Sports 奥川 潔氏と徹底的に煮詰めたというサンダーマックスでのフルチューン(ノーマル54馬力⇒86.6馬力までアップ)によって、そのパフォーマンスはハーレーの域をはるか超えたところまで引き出されている。それでいて、いわゆるVツインエンジンらしい味わい深さも秘めており、「今なおハーレーがロードレースに参戦していたら、こういうモデルが生み出されていたんだろうな」という想いが頭をよぎる。

「俺たちはモノを作っているんじゃない、コトを生み出すためのモノづくりをやっているんだよ。“オートバイの世界は面白い、ハーレーの世界は面白い”、そういうことが広がっていくための何かが生まれてくれたら最高──。そんなことを考えながら、このXR1200TTを作ったんだ」

ビルダーの迸る情熱を注ぎ込まれた歴史の申し子。この一台からは、カンパニーが忘れつつある輝かしい伝統そのものがにじみ出ているようだ。

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グラスファイバー製のワンオフロケットカウル。「あえて今風にした」というミラーと、ビューエルから流用したデュアルヘッドライトがインパクト。
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ハンドルはかなり前屈気味のポジションとなるセパレートタイプを採用しているが、スイッチボックスにトリプルツリー、メーター類はノーマルのまま。
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たたき出しのアルミタンクとグラスファイバー製カバーという二重構造のフューエルタンク。ブラック×レッドにシルバーラインというテイストカラーに。
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タンクに覆いかぶさるポジションとなるため、ライダーが顎を載せるためのスポンジ製パッドも。レーサーとして開発されたからこそのアクセントが心憎い。
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これぞTTレーサー!と唸らされるシートカウル。その大柄な車格に合わせるためシート幅は広めだが、このL字構造のおかげで体がしっかりとホールドされる。
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ディスクはミスミエンジニアリング製。ノーマルのブレーキキャリパーはブレンボのOEMとされるので、この組み合わせでも86.6馬力をしっかり制動できる。
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バンス&ハインズ製フルエキゾースト。ここにBURN!奥川氏との共同セッティングメニュー入りサンダーマックスが入り、驚異的な走行性能を生み出す。
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レーサー用オイルキャッチタンクをエンジン左側に設置。本来なら見えにくいところに備わるが、左側のビジュアルを引き立たせるためにこの位置とされた。
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リアサスペンションは、走りを意識したスポーツスターの定番でもあるオーリンズS36E。もちろんフロントまわりもテイスト流にしっかりセッティング済み。
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