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本場に渡って知ったこと
アメリカのディーラーは一般のショップに比べて高級なイメージがあり、敷居がある程度高く設けられているように感じます。一般的にどのディーラーも立派な店構えで、一部の都心を除き、非常に広い敷地にショップが建てられています。一般のディーラーが日本のメガディーラーに匹敵する広さはあるでしょう。これは国土の面積の差が露骨に出てしまうので、比較しても仕様が無いことかと思いますけれどね。また、従業員の人数の多さも驚きです。私の勤めているディーラーは、店の規模はアメリカでも比較的大きめになるかと思いますが、メカニックだけでも常時10人前後はいます。その他に大雑把に部門分けしても各部門管理職、営業、サービスライター(日本で言うフロントマン)、部品管理、アパレル販売、ロットテック(メカニック見習い兼雑用係)、パーツ販売担当のカワイイ女性たち(おい!)、その他にも非常に多くの部門があります。私が把握しているだけでも、軽く30人以上はいるのではないでしょうか。
スタッフが多すぎて、正直会ったことが無い人もたくさん居て、たまに名前を呼ばれても何処の誰だか分らずに戸惑ってしまうがあります、特にカワイイ子には(おい!)。これだけ多くの人員がいると、日々の業務ではそれぞれの専門職に専念することができ、僕の場合メカニックの仕事以外一切やったことがありません。僕はバイクを磨き込むのが好きですが、それはアメリカではメカニックの仕事ではありません(個人的には磨きもメカの仕事だと思うのですが…)。また、扱うモデルに至っては、そのおおよそ7割がツーリングモデルになります。入庫してくる車輌のエンジン構成はツインカムが80%を占め、吸気に関してはインジェクションが90%を占めます。これは日本の方には驚きの数字かもしれませんね。アメリカ人の「新しい物好き」な性格が出ているのと、アメリカでの日常の使用条件を考えると、いたって自然な結果と言えるでしょう。アメリカではバイクが道中故障で止まった場合、引き上げに来てもらうにも結構な距離になることが殆どです。最悪のケースだと、命に関わることも無いとは言えませんから。 日本では星分け制度
一方、現在私が勤めているディーラーにも熟練度を指し示す指針がありまして、表現は違いますが同じ意味だと思います。熟練度の高い順に「Aテック」、「Bテック」、「Cテック」、「ロットテック」となります。「マスターオブテクノロジー」を筆頭とした「星分け制度」はアメリカでも使われているようですが、ディーラーによってその表現は違うようです。今勤めているディーラーにはAテックが2人おりまして、一人は間違いなく私が今まで会った中でも、1,2を争うメカニックです。その熟練度たるや目を見張るものがあり、常に冷静沈着、メーカーから配布された、過去現在ほとんどのサービスブリテン(※1)を記憶しているという達人です。ちなみに私は(またお前かよ!)Bテックです、パチパチ。ロットテックとは見習いメカニックのことで、彼等は普段雑用をこなしながら一人前のメカニックを目指します。彼等が一貫した作業を任されることは殆どありません。アメリカでは作業を信任出来る人間を「テクニシャン」と呼び、尊厳ある職業として扱われます。もちろん、その責任は大きいです。仕事上でのミスは店の信頼や収入に直結するため、大きなミスをしでかしてしまうとその作業が次に回ってくることはまず無い、と聞きます。再修理や問題のある作業をしたメカニックはその作業時間分、給与を引かれてしまいます。つまり、ミスをして「すいませんでした。」では済まないのです。そんな中でメカニック達は互いにしのぎを削りながら生きていきます。
※1 サービスブリテン ふとしたきっかけから 私が働き始めて早3ヶ月が経ちました。研修前から「研修中の時間の流れは早く感じるよ」と聞かされていました。ところがどっこい私にはスローモーションのような感覚に襲われています(いつも大袈裟なんだよ!)。日本と同じように、この3ヶ月間は試用期間として過ごしてきたのですが、2ヶ月目が始まった頃から故障診断を主に任されるようになりました。きっかけは誰も分らなかった故障を直したことでした。細かく書くと長くなってしまうので割愛しますが、ある配線の被服内での断続的な断線に気づくことができたのです。これも性格でしょうか、こういう故障を見るとアドレナリンが出てきます(笑)。「俺は故障診断が得意なんだ!」なんてアピールしたつもりは無かったのですが、結果的にアピールになりました。
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![]() 芦田 剛史 26歳。幼少からバイクと車に興味を持ち、メカニックになることを誓う。高校中退後、四輪メカニックとして4年の経験を積み、ハーレー界に飛び込む。「HD姫路」に6年間勤務、経験と技術を積み重ねたのち「思うところがあり」渡米を決意。現在はラスベガスHDに勤務。 |