VIRGIN HARLEY |  スポーツスター de サーキットライフ「第1回 サーキットデビュー」トピックス

スポーツスター de サーキットライフ「第1回 サーキットデビュー」

スポーツスターでサーキット走行の画像

サーキットという特殊な環境にV-H編集部員が自身のスポーツスターを持ち込み、これまでになかった“ハーレーで走る楽しさ”をお届けしていこうという、お気楽ながらも“コケたら一大事”なコラムです。

サーキットデビュー

キッカケは、2011年10月に取材した デグナー 主催のサーキット走行会。いつもお世話になっている TRAMP CYCLE 代表の長岡 守さんが「しょっちゅうデグナーさんとこのサーキット走行会にお客さん連れて行ってるんやけど、今度一緒に行かへん?」と声をかけてもらい、好奇心もあってご一緒させていただいた。

これがまぁ面白いこと面白いこと。

当時の自分の愛車は、ローダウンしたドラッグスタイルだったため、「サーキットには不向き」と、車両を持ち込んではいなかった。それに、たったひとりの取材班のため、仕事に専念しようとあくまで第三者として見るにとどめようと思っていた。一方で、「違う世界のできごと」と思っている自分も存在した。それが、岡山国際サーキットを疾走するスポーツスターを見ていて、素直に「カッコいい!」と楽しんでいる自分がいた。

いつか、スポーツスターでサーキットを走りたい。

ローダウンスタイルから前後アップ、そしてロードレース向けのミリバーへの換装は、そうした想いに少しでも近づこうと思ったから。ローダウンという最近の流行に逆向する形で、ロードスポーツを楽しむスポーツスターへと変貌させるイメージばかりが湧いてきた。おそらく僕自身、元々このカテゴリが好きだったのだろう。そしてレーサー型スポーツスターを手がける TRAMP CYCLE、そして長岡さんとの縁が、その傾向を加速させたのだと思う。

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2011年10月に開催されたデグナー サーキット走行会にて。サーキットを走るスポーツスターはカッコよかった。

思いもよらぬところから
キッカケが舞い込んできた

「こないだ、サーキット走ってきたんよ」

今年のはじめ頃、HIDE MOTORCYCLE 代表のヒデさんがそんな話をはじめた。聞くと、現在メインで取り扱っているスポーツスターのカスタムにおいて、きちんと走れるスポーツスターに仕上げるため、実際に自分でサーキットを走って、スポーツスターというバイクのことをもっと研究しようと思ったという。まさかヒデモがサーキットに通うようになるとは思いもよらなかったが、同時に「一緒に走りたいなぁ」という気持ちもあった。

2012年8月、僕のスポーツスターのカスタム第2弾が終わり、お目見えにてお邪魔した際、「これでようやくサーキット行けるね。一緒に行こうよ」と声をかけてもらっていた。が、生来のズボラな性格から一度、二度と参加のキッカケを逃してきた。

そんな僕に、「10月31日(水)、行くからおいでよ」と、ヒデさんは何度も声をかけてくれた。このままキッカケを逃し続けたら、もう走る機会なんて来ないかもしれない。思い立ったが吉日とばかりに、Xデーの直前にクシタニにお邪魔してツナギをレンタルし、レーシンググローブとブーツを買い集めた。前日の夜には、マイカーである HONDA ステップワゴンに積むための湾曲型ラダーも購入するなど、なんともバタバタした動きをしながら、サーキットデビュー当日を迎えたのだ!

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マイカー ステップワゴンに積んで、いざトミンへ。
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茨城・霞ヶ浦のトミンモーターランドにて、ヒデモ一行と合流。

ジャージーのサーキット走行における装備 ※2012年11月現在

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【左】ヘルメットは、アライのフルフェイス RX-7 RR5 (プラチナグレー)。「ヘルメット、グローブ、ブーツは一番エエもんを選びや」という長岡さんの言いつけを守っての購入。また、シャクれてるくせにベストフィッティングだったことも決め手。 【右】レーシンググローブは、ヒデモのヒデさんのススメもあって five 5 RFX NEW2011 に。購入はもちろん量販店で、他メーカーのものとフィッティング比較して決めた。申し分ないフィット感に店内で小躍りするほど。
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【左】ツナギは クシタニのレンタルスーツ サービスを利用。LサイズとLLサイズを着比べた結果、LLとなった。“着ている”というよりは“詰め込んだ”という表現が正しいかと思う。ちょっとは痩せろ馬鹿。次回の課題はダイエットに決定。 【右】「もっとも手痛い出費」と本人が泣き顔になった アルパインスターズ ALN125 SUPERTECH R。長岡さんの言いつけを守るがためとは言え、ここまで来ると財政感覚が麻痺している。そして、ここまで見て気づくのが「ブランドがバラバラ」であること。

サーキットを走るうえでやっておかねばならないこと

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まずはミラーを外す

転倒時に割れた破片がコース上に散らばるのを防ぐため。サーキット走行においては常識中の常識。付けたまま走ったら怒られます。
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灯火部位のテーピング

ヘッドライト、ウインカー、反射板にテーピングを施すこと。これも転倒時の破片の散らばりを防ぐため。やらなかったら怒られます。
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「うわ、ホントに乗ってる!」と、ヒデモ組一同、ステップワゴンにスポーツスターが乗っている事実に驚き。でも、以前スポーツスターよりホイールベースの長い トライアンフ スラクストン を積んだことあるんですぜ。
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マイカーからスポーツスターを降ろし、まずは車両のミラー外し&テーピング。
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受付横の自販機で購入する走行チケットと交換してもらう走行券をヘッドライト部分に貼ります。
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ウインカーにもテーピング。
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テールランプと反射板にもテーピング。ちょっと雑すぎ。これは悪い例です。
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ツナギを着てストレッチを開始するヒデさん。僕はその逆で、先にストレッチをしてからツナギを着ます。だって、そうしないと入らないんだもの。
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このエンブレム、カッコいいなぁ。
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緊張の一瞬。ついにこのスポーツスターがサーキットに入ります。
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安全確認をして、左手を上げながらコースイン。第1コーナーまではコースの外側を走るのがルール。
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初サーキット、そして「コカしたらマズい」という異常なまでの緊張感から、ビビりまくりの走行。まったく寝かせられていません。ヘタレです。
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コースインを待つヒデモのビルダー ワタリさん。
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聞くところによると伸び悩んでいたそうですが、すでにヒザ擦りとかしています。
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ヒデさんとワタリさんの車両&レーシングブーツを借りながら走っていたカスガさん。愛車のアイアン復活時には、それで走る?
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ヒデモの仕事を受けているペインターの keen さんはヤマハ WR250 で参戦。普段からサーキットには走りに来るのだそう。はえぇーです。
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そして総帥ヒデさん登場。威圧感があります。
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一周めからヒザ擦りとか、意味が分からない。
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インからアウトから、トロトロ走るジャージーをガンガン抜き去ります。
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小雨が降ってきたので、一時退避。ほんの数分ほどで止みました。ほっ。
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しばらく走っていたヒデさんがピットイン。どうもバイクの調子が良くないらしい。
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しばし休憩。走ったのは午後の部のみで、トミンでは 12:45 から 16:00 まで好きなだけ走れます。
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行く人、来る人。
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たまに国産スーパースポーツ勢に囲まれることも。走っていると、めっちゃ怖いです。
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CBR とバトルしていた(?)総帥ヒデ。トミンAコースで 30秒フラットというタイム。相当な速さだとのことですが、実際見ていても超速かったです。
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カスガさんのインが空いた瞬間、刺していくヒデさん。カスガさんが睨んでいるように見えるのは、気のせいです。
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徐々にペースが上がってきたジャージー。体型のみっともなさはさておき、走っているうちにコツを掴んできたか。
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ノーマルステップもご覧のとおり。が、これはまだまだ序の口でした。
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隠し撮り。
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コースに向かうカスガさん。フォルツァ!(頑張れ!)
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「前回から思ったほど伸びなかった」と意気消沈していたカスガさん。
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こちらもチーム最速ながら、前回よりもタイムが伸びなかったことにテンションやや下がり気味だった総帥ヒデ。十分速いと言われるトミン30秒のカベをスポーツスターで破ったら、賞賛に値すると思います。
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随所に潜むバトルの様子が刻まれた一枚。
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終盤になって覚醒しつつあるジャージー。さらなる飛躍は次回以降か。
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本日の走行会は終了。のどかな空気が漂う。
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まるでサンドペーパーの上でも走ったかのようなタイヤ。サーキットを走れば、どんなタイヤでもこうなります。こないだ交換したばかりなんだけど……。
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お疲れ様―。各々気づいたこと、反省点などを口々に述べます。この時間が楽しいのです。
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次回もここトミンにて。

うれしはずかし初サーキット
次回はタイムアタックと……

怖かった。第一印象はこれに尽きる。何周か走ってからすぐにピットインし、転倒の怖さから「今日はもうヤメとこうかな」と臆病風に吹かれかけたが、思い直して再びコースへ。そうして走っているうちに、ブレーキングや加速のタイミング、コース取りなどを考えるようになり、また追い抜かれるものの、先を行く人の走り方を見ながら「何が違うんだろう?」と思い始め、気がついたらそれらすべてが楽しくなってきていた。終盤、「もっとイケるな、もっと倒しながら走れるな」と思い始め、気がついたらステップは写真のとおり……。TRAMP CYCLE のみんなやヒデモのふたりがバックステップにしている理由がよーく分かった。もちろんスポーツスターは、サーキットという特殊な環境での走行を考えて作られたバイクというわけじゃないから、こんな走り方をすればステップがこうなるのは目に見えているわけだけど、それにしても随分な走り方をしたなぁ、というのが感想。

今回は初参戦ということで、走ることを楽しむため、あえてタイムは測っていなかった。が、次回はいよいよタイムアタックに挑戦しよう……と、そんな話を TRAMP CYCLE の店主に話したら、「じゃあ、バックステップにしたらええやん」と……。おぉ、さらにそこにイっちゃうのか? 大丈夫なのか?

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終盤に攻めまくった結果、ステップはご覧のとおり。中の芯が出てきちゃいました。
プロフィール
VIRGIN HARLEY.com 編集担当 田中 宏亮

通称“ジャージー”。愛車は2008 XL1200R TRAMP CYCLE special。齢30代後半にしてサーキットライフに開眼、周囲が止めるのにもかかわらず、フルカスタム スポーツで走り出した馬鹿。記事の好みもスポーツスターに集中するなど、完全に偏ってきているが、本人はあえてその方向でブレイクスルーするつもりらしい。

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