ライダーが無謀とも言える服装でバイクに乗るのはなぜ?

ライダーが無謀とも言える服装でバイクに乗るのはなぜ?

掲載日:2007年08月24日 ライダー考現学    

読者からの質問

月に一度地元のツーリングチームで走りに行くのですが、毎回驚かされることがあります。それは結構多くの方が準備不足なことです。春秋だと夜は冷えると判っているのにトレーナー1枚で来たり、夏はTシャツ1枚で羽織るものを持って来なかったり。冬でも昼間ちょっと暖かいと薄着で来る方も多いです。ほとんどの場合、夜になったら困っています。初心者ならわかりますが、ベテランなんかでもそういう悲惨な目に遭っている方でもそうなんです。これはなぜでしょうか?

奈良県/枝豆はハズせないねさん (Ducati GT1000所有)

 

ライダーが無謀とも言える服装でバイクに乗るのはなぜ?

 

バイクという乗り物は、自動車と異なり積載スペースが極端に少ない。多くのライダーは、できる限り荷物を減らしたいと思っているものだ。あわよくば「パンツのポケットだけで、すべてを済ましたい」とさえ。それだけにライダーは"余計なモノ"を見る目に卓抜した力を持つ。しかし、実際は多くのライダーがナメた服装をしては、自然の脅威の前に後悔する。なぜだろうか。それは悲しいかな、ライダーが"今"を生きる動物だからだ。このストレスで渦巻く現代社会をバイクという乗り物に乗ることで抜け出す…そういう気持ちはすべてのライダーが持っているだろう。バイクに乗って鼻歌を歌ったり、叫んだりするのはこのためでもある。しかしこういう根本の精神状況が引き起こすワナもあるのだ。

 

この開放感から来る高揚感、超ご機嫌モードは「俺様(女性なら「ア・タ・シ」)」思考を誘発する。となると「ちょっとくらい寒くても(暑くても)、俺様なら平気」という無謀な超プラス思考が作用するのだ。となれば、ライダーに「その日の夜、気温が下がるかも」という不安を抱けというのが無茶。もともと余計な荷物、まさにお荷物には敏感なだけになおさらである。決して悲惨な目に遭いたいという"M的"な思考ではなく、どちらかといえば"ドS"な思考から来るライダーの悲劇だと認識いただきたい。

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