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寡黙。
だが、その技術は強烈に彼を主張する

埼玉県新座市に2004年2月にオープンしたばかりのカスタムショップがある。
「MOTORROCK KUSTOMSHOP(モーターロック・カスタムショップ)」だ。ここのオーナー、千葉氏の経歴は実に面白い。クールブレーカーの主催でも有名なカスタムショップ「HOT-DOCK」でショーバイクの製作を任されていたのだ。いかにして彼が「HOT DOCK」でショーバイク製作を任されるまでになったのか。ぜひ堪能して欲しい。

カスタムに欠かせない技術を何年か学んでから
「HOT-DOCK」の門を叩いた

hostbar千葉さんはかつて車のレース車輌の製作をやっていたとお聞きしましたが、なぜバイクではなく、車のレース車輌だったのでしょうか?

イメージ千葉●小学生の頃から常にバイクに触れてきて、いつかは自分のショップを持ちたいな、と思っていました。そのために「自分に必要な技術とは何か」を考えると、いきなりバイクショップに勤めるのは得策ではないなと。いつか必ず必要になるだろう、樹脂の加工技術を学ぶことが先決だと。それで勤め始めたのが、富士スピードウエイの近くにある会社でした。そこは某車メーカーのレース車輌のボディやフレームを造っている会社で、設備も技術もありました。そこでFRPやカーボンなどの加工を教えてもらいました。

hostbarその会社で一通りのことを学んだことが千葉さんの基礎になっているわけですね。

千葉●いえ、さすがに車に関するすべてを学べたわけではないです。その会社のあとにも機械加工の会社でNC旋盤の使い方を学んだり、バイクメーカーの試作パーツの製作をやっている会社で、溶接・板金・フレーム加工やバイクのパーツ製作の技術を学んだりしました。加工技術のようなカスタムに欠かせない技術を本業にしている会社で何年か学んでから、「HOT-DOCK」の門を叩いたわけです。

hostbar「HOT-DOCK」の河北さんとは元々面識があったのですか?

千葉●バイクのパーツ製作の会社にいたころに、何度か河北さんとはお会いさせていただいたり、レース場でも声をかけていただいたり、という程度には。

hostbarなぜ「HOT-DOCK」に?

千葉●当時、自分もショベルヘッドのハーレーに乗っていて「HOT-DOCK」のカスタムはよく見ていたこと、それに仕事の関係で「HOT DOCK」のカスタムバイクを実際に見る機会も多かったんです。あの「ロー&ロング」のスタイルが好きでしたから。「いつかショップで修行するのであれば『HOT-DOCK』がいいな」と思っていました。そうするうちにたまたま「HOT-DOCK」で人を募集していたので、思い切って河北さんにお願いしたんですよ。

プレッシャーよりも「ショーバイクを造れる」
楽しみが、まずはありました

hostbar当時、「クールブレーカー」はすでに始まっていたのでしょうか。

イメージ千葉●勤めはじめたのが、ちょうど「クールブレーカー」が始まった年でした。間近でショーバイクが造られていく過程を見ることができまして。感動しましたね。その翌年からは嬉しいことに、ショーバイクの製作に関わることができました。地道な修行が報われた瞬間ですね(笑)。

hostbar入社2年目でいきなり製作に携わることができたのですか! 大抜擢ですね。

千葉●本当に。運がよかったです。製作でも、お客様のイメージを固めるところからの関わることができましたし。そのイメージを基に「HOT-DOCK」らしさも加味し、一台のバイクを仕上げていく、大変でしたけれど刺激的な作業でしたね。

hostbar千葉さんの技術力を見込んだ上での即戦力として採用されたということもあるのでしょうね。

千葉●入社してすぐに何でもできたわけではないです。最初は「できること」から仕事をやって、その合間に「できないこと」を頑張って学ぶという日々でした。2年目でショーバイクを手がけることができたのは、車輌のオーナーの方が、親しくさせていただいていた方で、彼のイメージするものを自分がよく理解できた、ということがあったんだと思います。

hostbar技術力だけではなく、センスも問われる作業ですよね。

千葉●さすがに難しかったですが、前職で河北さんと仕事でお付き合いがありましたので、「HOT-DOCKのスタイル」には頻繁に接していました。ですから頭の中で「HOT-DOCKはこういうショップだ」という自分なりのイメージはできていました。自分が好きな方向性、スタイルとも近いものがあったから、「HOT-DOCKのスタイル」は馴染み易かったというのもありましたね。

hostbarプレッシャーは感じませんでしたか?

千葉●プレッシャーよりも「自分でショーバイクを造れるんだ」という楽しみがまずありました。「他のショップが手がけたことのないバイクを。オリジナルなバイクを造ってやろう」とずっと考えていました。

hostbar「HOT-DOCK」のカスタムバイクは細かなパーツからワンオフで造られますよね。そういったパーツの製作もされたのでしょうか?

イメージ千葉●もちろんです。ですが、何もかも一人でやったわけではありません。同僚にも多々協力してもらいました。ただ、自分が携わって製作したパーツがバイクに着けられていく「世界で一台しかないオリジナルバイク」が出来上がっていくのを見るのは、特に気分がよかったですね。しかも、お客さんに満足していただける。「ああ、これが『ビルダーの醍醐味』なんだなぁ」と実感しましたね。

hostbar普通のショップだとなかなか経験できないでしょうね

千葉●そうですね。「HOT-DOCK」に入社して、本当に良かったなと思います。「ラジアル4バルブエンジン」のようなショップオリジナルのエンジンの製作に携わったり、とことん「オリジナル」を追求したカスタムバイクの製作ができたり。一台のバイクをすべてオリジナルパーツで組むことができるなんて、本当に貴重な経験なんですよ。

hostbar河北さんと一緒に仕事をして、刺激を受けた部分などありますか?

千葉●もちろん、多いにありますよ(笑)。お客さんの「イメージ」をいかに「形」とするか、そのプロセスです。お客さんの言ったまま造ると、どうしても全体のバランスがおかしくなってしまうことが多いんですね。オーナーさんの希望するパーツを付け、ただ組み立てるだけのバイクではなく、バイク全体の流れを考えながら一台のカスタムバイクを造っていく、河北さんの本当にすごいところです。独立してからも、いまだにお店には顔を出して相談に乗っていただいたり、お世話になりっぱなしですしね。忙しい中お邪魔しても嫌な顔一つせずに相談に乗ってもらえる、そんな人です。今までも師匠でしたし、これからもずっと師匠です。

「自分のスタイルでバイクを造ってみたい」
そんな、抑えがたい思いが出てきた

hostbar「HOT-DOCK」に勤めていて、なぜ独立しようと思われたのですか?

イメージ千葉●何台かショーバイク製作に携わっていくうちに、少しずつ自分が手がけてみたいスタイルがイメージできてきました。「HOT-DOCK」スタイルは大好きですが、自分のスタイルでバイクを造ってみたい、という思いが出てきたんです。

hostbarそれは、どういうものなのでしょうか?

千葉●70年代前後の「オールドスクール」なノリが好きで、以前に乗っていたショベルもそんなカスタムをしてました。ハーレーに限らず、車やインテリアなどもその時代のものが好きなんですよ。「オールドスクール」というとチョッパーをイメージされる方が多いかもしれませんが、僕はもう少し気軽に乗れるハーレーを造ってみたいな、と思っています。

hostbar「モーターロック」は、そういう千葉さんのカスタムスタイルを具現化する場所だと。

千葉●はい。ですが、ハーレーだけにこだわっているわけではないんです。実は「ハーレーで自分を表現する」のは僕にとって、あくまでスタイルの一つ。表現方法としての1手段と言い換えても良いかもしれません。僕は「エンジンが着いている乗り物」が好きなので、タイヤの付いている乗り物でしたら何でも作ります(笑)。

hostbarそれは、ショップ名にある「ROCK」と関係が?

千葉●ええ、そうです。鋭いですね(笑)。エンジンの付いている乗り物で「MOTOR」、Rock'n'rollのようにジャンルを越えた融合をめざして「ROCK」、それを自分なりのアプローチで「KUSTOM」するという意味を込めてつけました。オリジナルを含めウェアなどの展開は少しずつ揃えていきますが、エンジンというモノを中心においたトータルなライフコーディネートをさせていただこうと思っています。「MOTORROCK KUSTOMSHOP」を立ち上げて思う、僕のライフプランですね。

MOTORROCK KUSTOM SHOP

住所:埼玉県新座市池田2-6-20

電話:048-480-5099

URL:http://motorrock-ks.com/

※なんと、モーターロックさんは、パーキングも運営している。詳しくはコチラ

INTERVIEWER COLUMN

ハーレー業界のビルダーの方は「おしゃべりな」人が多い気がするが、千葉さんは寡黙な方だ。そんな千葉さんが手がけたカスタムバイクはよく見ないとわからない、細かなところまで、手をかけられた一台だ。カスタムバイクというと華やかなイメージがあるのだが、その製作過程は「地味な作業」の連続だという。ワンオフで造ったステーを磨き、お客さんのイメージとするスタイルに悩み、時間をかけて造り上げて初めて「KOOL」な一台が完成する。「カスタムショップって実は地味な仕事が多いんですよ」そう言いながら黙々と作業に励む千葉さんに「ビルダーの誇り」を見ることができた。(ターミー)

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