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そもそも…
ショベルヘッドとは?

ショベルヘッド(以下、ショベル)は1966年から1984年まで販売されていたモデルです。ショベルは、それ以前の4速時代のモデルであるパンヘッドやナックルヘッドなどとはカスタムパーツにも共通部品があり、(多少の加工は伴いますが)カスタムが広い範囲で可能になるため、カスタムベース車輌としての人気が高いモデルです。ショベルについてよく言われている「古い=壊れる=お金がかかる」というイメージ。確かに古い設計のモデルですので間違っているとは言えません。ただ、カスタムやオーバーホール、チューニングなど、大技を使ってあげると現代の道路事情でも普通に扱えるポテンシャルはしっかりとあるのが、ショベルです。

 

エボリューションやTC88を購入した方がショベルに乗り換える、ショベルが手に負えずエボリューションを選ぶ、どちらも珍しい話ではありません。では何がいけなかったのでしょう? それはその方ご自身に合った買い物をされていないことが大きな原因である気がします。初めてハーレーに乗るお客様と私が相談させていただく際には「どのような使い方をするのか?またはしたいか?」、「本当に乗りたいのはどれか?」をじっくりとお聞かせいただいています。車輌選びで重要なことは、ここに尽きます。「どうしても通勤の足にしなくてはいけない」と言われれば、ランニングコストを下げられるTC88かエボリューションをお薦めしますし「週に1〜2度休みの日にしか乗れない」のであれば、迷わず好きなモデルを選んだ方がいい、とお薦めします。

 

ショベルが欲しいのに、他の理由でTC88やエボリューションを選び、信号待ちでショベルに並ばれるたびに後悔してしまう、それだとバイクが可愛そうです。逆に快調に高速道路を巡航して気持ちよく飛ばすモデルに違和感を覚えた体が後悔を囁くかもしれません。体は1つしかありません、選べるマシンも1つです。ショベル以外の購入に際しても言えますが、購入を希望するモデルについて、よく調べないまま侮ってしまったり、逆に怯え過ぎてしまってもいい買い物にはなりません。解らないことは納得いくまで質問して確認する、という基本に沿って皆様が良い買い物をされますように願っています。

中古車購入の際
注意点しておくポイントは?

ショベルを大まかに分類してみると以下の3つのモデルに分けることができます。ショベルは年式だけでは良し悪しの判断は難しいのですが、以下で簡単に説明させていただきます。

 

アーリーショベル
1966年から1969年までのショベル

ジェネレーターショベルとも言われています。その個性的な造型からファンも多いモデルですが、よほど好きではない限り、このモデルは控えるべきでしょう。改造車が多く、ノーマルはなかなか見かけませんが、発電はジェネレーターよりもオルタネーターの方が扱いやすいです(夜のライト点灯時の発電や充電は大型のジェネレーターを使用すればカバーできますので、ご安心を)。

69年までパンヘッドのクランクケースを継承し、発電方式はパンヘッド同様のジェネレーターを利用しています 。
※ジェネレーター:電気式モーターを利用した直流発電機。1920年代からハーレーには採用されていました。
※オルタネーター: 1970年から採用されている交流発電機のこと。エンジンが高回転にならなくても安定した電力を供給することができるため、ジェネレーターに比べると信頼性の高い発電システムです。

 

1200ccのショベル
1970年から1977年までのショベル

「1340ccに比べると非力だ」とよく雑誌などに書いてあります。1340ccも好きですが、私は1200ccに乗っていますし、あくまでフィーリングの差です。排気量についてはさほど気にしなくてもいいと思います。

1970年から発電システムはオルタネーター式になり、低回転時も安定した電気が供給できるようなりました。オルタネータが採用されたため、クランクケース形状も変更されています。

 

1340ccのショベル
1978年から1984年までのショベル

1978年に登場し、1984年まで販売されていたモデルです。ということは、割と後期のものになってくるので程度の良し悪しによる間違いは他のモデルに比べると、少なくなります。

年式により点火システムが変わっており、詳細は「ショベルの点火システムについて」をご覧ください。

 

点火システムについて

ショベルの中古車の多くが「ポイント点火」のまま、市場で流通されています。もともとポイント点火が純正されている車輌、コストが安いのと3拍子人気で改造され、そのまま売りに出された車輌、とその成り立ちはさまざまですが、ショベルを扱いやすくするためには「セミトランジスタ点火」の使用を、私はお客様にお勧めしています。「セミトランジスタ点火」のメリットとしては、キックオンリーのショベルでも安心なエンジンの始動性の良さ、メンテナンスフリーの利点など、ショベルを購入する際の実に心強いメリットだからです。

もともとショベルにはポイント点火が採用されていましたが、1978年、79年にはセミトランジスタ点火が、1980年以降からはフルトランジスタ点火が採用されています。

 

駆動系パーツについて

クラッチや4速ミッションも、TC88やエボリューションに比べるとメンテが必要ですし、整備する回数も同じ期間で比べれば増えます。ご自身で後々のメンテナンスをやるつもりでしたら問題にはならないでしょうが、全ての作業をショップに委託するのであれば、そのコストも発生してきます。TC88、エボリューション等の高年式の他のモデルは、年々改良が加わっており、良くなっていて当たり前ですが、ショベルはその改良が行われる前の年式のモデルです。そのことを踏まえた上で、悲観することなく冷静に受け止めておいて下さい。

 

ショベルリジットとキャブレター

気をつけて欲しいのは「ショベルリジット」はハーレー純正モデルではありません。ショベルリジットとして販売されている車輌はカスタム車輌になります。キャブレターが純正から変わっているものも非常に多いです。これについても、お店によってお薦めは違うと思いますが、VEGASでは日本製のキャブレターを第一に、排気量と使用方法に合わせてアドバイスして選んでいただいています。こちらはお店の人とじっくり相談してください。

ショベルヘッドのキャブレターにはリンカート製、ティロットソン製、ベンディックス製、ケーヒン製キャブレターが採用されています。

ショベルを選ぶ際の
お勧めポイント

・エンジンオーバーホール済みの車両を購入する

・保障の度合いを確認できるショップで購入する

・ショベルに乗ってる人にお勧めのショップを教えてもらう

・キックオンリーのショベルの購入を検討される際は是非、契約前にご自身で始動してみること

※女性や体重が軽い方は特に!

 

あくまで目安ですが、以上のことをお勧めします。あとは解らないことを、わかったフリをしないで相談することだと思います。予算はあるに越したことはありませんが、確実に言えるのは、乗り続けていく限り避けられないのが「オーバーホールとランニングコスト」です。最初にまとまった出費があるか、乗ったその先でソレを支払って修理するかだけなのが現実です。安くてお買い得なショベル…これは一言では言えませんので、お尋ね下さい。

最後に

少しショベルが嫌になってきてしまいましたか? ご安心ください。ショベルには他の現行モデルにはない魅力が間違いなくあります。「ハンサムなロッカーカバー」、「美しく長いフィン」など、ショベルの造形美は後のモデルに継承されることなく途絶えてしまった魅力が溢れています。他にも「ジョッキーシフト」や「キックオンリー仕様」、「オープンプライマリー」などのカスタムは現行モデルに比べ、安価に行えることもできます。カスタムショーの出品車輌にパンヘッドやショベルが非常に多いのは、実はこういった理由があるわけです。ショベルヘッド。完全な調子であれば、四国だろうが北海道だろうがロングツーリングには行くことができます。ダイレクトな振動、特にアイドリングや中低速トルクは本当に素晴らしく、アメリカ的です。ご自身の知識に自信がなくても情熱があれば大丈夫です。情熱があれば知識はあとからでも学ぶことができます。ショベルヘッドは私がハーレーを好きになったキッカケのモデルでもあり、現在の愛車でもあり、これからも乗り続けていきたいモデルです。

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