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FLSTF / ファットボーイ
FLSTF / ファットボーイ
キャラクター&歴史

常に人気モデルの上位にある
ハーレーの定番モデル

100年以上の歴史を誇るハーレーは、現在5つのファミリーに分かれる。ツーリング、ソフテイル、ダイナ、スポーツスター、そしてV-RODだ。今回紹介するFLSTF(ファットボーイ)はソフテイルファミリーのモデル。ソフテイルは1984年から登場したファミリーで、その特徴はフレームの構造にある。当時、すでに盛んだったハーレーのカスタムの中では、古いモデルのリアサスペンションが取り付けられていなかったフレーム形状(リジッドフレーム)の人気が高かった。ただ、リアサスペンションが装備されていないと快適なはずもなく、快適さとフレームのリア周りのデザインの良さを両立させるため、開発されたのが“ソフテイルフレーム”だったのだ。フレーム下にサスペンションを隠し、一見するとリアサスペンションがないように見えるスタイル。これをメーカーが採用したことによって、ハーレー人気はさらに広がった。

 

また、ソフテイルは2つのシリーズに別けられる。FLシリーズとFXシリーズだ。どちらもソフテイルフレームを採用するものの、FLシリーズはどっしりとした重厚感のあるモデルで、FXシリーズはチョッパーテイストが色濃い。今回紹介するFLSTFはソフテイルファミリー・FLシリーズに属し、旧き良きハーレーのスタイルを守り続けるモデルの1つなのだ。伝統的な“ハーレーらしい”スタイルから、1990年の登場以来、常にハーレーの人気モデルの上位にあり続けているFLSTFについて、じっくりとご紹介しよう。

特徴

前後17インチホイールと
極太のタイヤが特徴的

車両写真1990年以来、搭載するエンジンこそ「エボリューション→ツインカム88B→ツインカム96B」と変化したものの、ファットボーイのスタイルに大きな変化はない。「クラシックなスタイル×現代の技術」を体現するモデルであるため、大幅な見た目の変化は求められていないのだろう。ただ、2007年モデルでエンジンがツインカム96Bに変更された際、ファットボーイのみ特殊なタイヤサイズに変更されている。従来、ソフテイルFLシリーズは前後16インチと、クラシックテイストのハーレーが当たり前に採用してきたタイヤを履かせてきた。しかし、2007年モデル以降はFLシリーズではファットボーイのみ、前後17インチでフロント140mm、リア200mmの太いタイヤを採用した。このため、同じFLシリーズの中でもファットボーイは前後左右、どの角度から見ても重厚感、存在感があり、その人気をさらに高める結果となっている。その他、FLシリーズの中でファットボーイのみの特徴というと前後のホイールにディッシュホイールを採用していること。このホイールデザインもファットボーイの大きな特徴となっている。

 

これはソフテイルファミリー共通の部分になるが、エンジンは1584ccツインカム96Bを搭載。力強いトルクで加速するものの、エンジン内部に搭載したバランサーによって不快な振動を抑える仕組みとなっている。1584ccのエンジンはダイナファミリー、ソフテイルファミリー、ツーリングファミリーの3ファミリーが搭載しているが、それぞれのファミリーごとにエンジン仕様には差があり、エンジンだけで見るとソフテイルファミリーのツインカム96Bがもっとも快適な走行を約束してくれるエンジンと言えよう。もちろん、快適なだけではなく、ハーレーには外せない要素、“鼓動”もしっかりと残されている。

ハーレー・ディテイル

1584ccツインカム96Bエンジン

2007年モデルから排気量アップ、ミッションが6速化されたエンジン。エンジン内部にバランサーが内蔵され、不快な振動を軽減。その真価は高速巡航時に発揮され、快適そのもの。

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ハーレー・ディテイル

肉厚のノーマルシート

長距離走行時も疲れを感じない肉厚のシート。ライダー側のシート幅がやや広いので、身長が低い人は足つきに不安を感じるかも。純正オプションで足つきをよくするシートも用意されている。

ハーレー・ディテイル

質感の高いディスクホイール

ソフテイル・FLシリーズで唯一採用されている存在感大の前後17インチディスクホイール。美しい外観とクオリティの高さが人気だが、高速走行時に横風を受けるとやや怖い。

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ハーレー・ディテイル

大型のヘッドライト

ファットボーイならではのデザインのフロント周り。威風堂々としたスタイルで人気だ。大型のヘッドライトを装備しているため、走行中にヘッドライトに映る景色を楽しめるのも、このモデルの魅力の1つ。

試乗インプレッション

エンジンは非常に扱いやすい
低速〜高速まで快適に楽しめる

車両写真乗る前に車輌の周りをぐるりと回ってみたが、リアの200mmタイヤの存在感はかなりのもの。ハーレーのカスタムの世界ではワイドタイヤを履かせるのが人気だが、これだけ存在感があれば充分。その他、クロームメッキが美しいエンジン、マフラー、フロント周りなど、どこから眺めても高級車を買ったという所有感を満足させてくれるだろう。筆者自身は少し前のスポーツスターに乗っているが、こういった風格あるモデルで悠々と街を流すのも楽しいだろうなと、ついつい思ってしまう。

 

ではファットボーイに跨ってみよう。まず感じたのは「ハンドルが思った以上に近い」ということ。もう少しハンドルが遠くてもいいかな、と思う。ただ、筆者は身長が178cmと大柄の部類であること、納車時にハンドルを近くする人の方が多いということから、これは決してマイナスポイントではない。次に車輌の重さ。エンジンをかけない状態での車輌の押し引きは見た目ほどの重さはなかった。車輌重量はカタログ上では330kgもあるが、車高が低いため数字上より軽く感じるはず。一方、足つきはノーマルシートの横幅があるせいで、両足はベッタリ地面にはつくものの、ヒザの余裕はなかった。私でそうなので、体格に自信がない人は足つきに不安を感じてしまうだろう。実際、納車時にシートを薄くて幅が狭い純正のバッドランダーシートに換える人が多いと聞く。

 

車両写真エンジンをかけると「ハーレーらしい、力強いサウンドが…」と言いたいところだが、近年の環境規制の結果、ハーレーのサウンドはかなり抑えられたモノとなっている。個人的にはマフラーの音量・音質にはもうこだわりがないので気にならないが、映画で聞くようなハーレーサウンドを期待している人は覚悟のほどを(笑)。2007年から吸気システムはインジェクション化されているので気温の低かった試乗日もエンジンは一発で始動、少し前のキャブレターモデルに乗っている私には楽に始動ができるのがちょっと羨ましい。スロットルを回し、走りはじめると“ドッドッドッ”と大排気量ツインエンジンは重い車体を力強く前へ進めてくれる。ツインカム96が発売された当初のエンジンフィーリングより気持ちよくなった気がするが、インジェクションのデータの設定が2008年モデルでさらに煮詰められたのか? エンジンの回り方は初心者に扱いにくいものではなく、低回転で必要以上のパワーが出てしまうことはない。

 

エンジンに組み込まれたバランサーのおかげでダイナファミリーやツーリングファミリーほどの振動はお尻には伝わってこず、快適そのもの。バランサーの快適さは街乗りではなく、高速走行でその有り難味を発揮してくれるだろう。低速走行の街中〜高速まで、どんなシチュエーションでも走行中は重さを感じることはなく、扱いやすいのだが、他の1584ccモデルと比べて気になったのが、コーナーリング時。ファットボーイの前後タイヤの太さから、スポーツ性を求める気はもともとなかったが、コーナーを曲がっていると思った以上に外に膨らんでしまう。コーナーが続く道での軽快性はあまり求めない方がいいだろう。ややネガティブな面も書いたが、ハーレーのイメージにもっとも似合うストレートの道での気持ちよさはさすがに格別。「ハンドルから手を離してもまっすぐ走るんじゃないか」と思わせる直進安定性はこの太いタイヤのおかげが大きいだろう。

こんな方にオススメ

ポジションは後からどうにでも
ルックスに惹かれたら即買い

ソフテイルのFLファミリーは、ツーリングファミリーの一部モデルとで悩む人が多いと聞く。この2ファミリーで悩んでいる人は必ず試乗して欲しい。エンジンのバイブレーションがまったく違うため、どちらが自分好みなのか、自分の体で確かめて欲しい。ただ、ファットボーイはホイールサイズなど他にはない特徴があるモデルのため、指名買いも多いはず。ツーリングファミリーや同じファミリーのFLSTCのような、ツーリング時の積載性はないものの、シンプルな装備で悠々と街を走りたい人にはオススメ。サドルバッグなど余計な装備は最低限に、このシンプルなスタイルを楽しんで欲しい。足つき性などから「乗れるかな?」と不安に思う人がいたら、心配ご無用。ファットボーイは最低地上高やシート高が他のモデルと比べても低いため、体格に不安がある人もハンドルやシートを換えるだけで乗りやすくなるから大丈夫だ。女性や身長が高くないユーザーが非常に多いのは豊富なパーツを組み合わせれば、ポジションはどうにでもなる。

プロフェッショナル・コメント

ターミーネーターUの
影響で来店する人が多いモデル

解説ディーラー FLシリーズの中で唯一リアが200mmタイヤで、余計なものが何もついていないシンプルなスタイルから、ファットボーイは人気が高いモデルですね。人気の秘密の1つには「ターミネーターU」でアーノルド・シュワルツネッガーが乗っていたバイクだ、というのもあるでしょう。公開からかなり時間が経ちましたが、未だに「あの映画を見て…」という人はいますよ。TVで再放送があった後などは必ずファットボーイを見に来る人がいますから(笑)。指名買いじゃない方は同じFLシリーズでいうとFLSTC(ヘリテイジ)で悩む人もいます。FLSTCはウインドシールドやサドルバッグを外せばファットボーイスタイルになりますからね。ツーリング時の積載やウインドプロテクションを考えるとFLSTCの方が上なんですが、ファットボーイの魅力はそういうところではありません。「あったら便利…」なモノをできるだけ省き、フレームやエンジン、クロームパーツの魅力を際立たせていること。ファットボーイを選ばれる方もシンプルさに惹かれているみたいで、サドルバックを着ける方も左側に小振りのモノを1つ、なんてことが多いですね。

 

身長や体格でファットボーイに乗るのを躊躇してしまう人がいるかもしれませんが、ビックツインの中では体格に合わせやすいモデルです。お客さんには身長150cmもない方もいらっしゃいますから。ウチの試乗車には純正オプションのバッドランダーシートをつけているので、足つきに不安がある人には跨ってもらって納得してもらっています。ハンドルポジションはそのままで乗っている人が多いですね。シートだけ交換すれば、どんな体格の方にも乗りこなせるモデルだと思いますよ。

バージンハーレー読者のカスタムハーレー01

ユーザーズ ハーレーダビッドソン

大きなカスタムをしなくても
充分カッコいいのが魅力です

2008年式FLSTF 兵庫県/美穂さん

まだ購入して間がなく、しかも寒いのでまだ距離はあまり伸びていません。父親がバイク乗りだったので、なんとなく「バイクっていいなぁ〜」と思っていたんです。ファットボーイを選んだのは中学校の頃に見たターミネーターUの影響(笑)。購入前に跨ったときは足がつかなくてあせりましたが、シートを換えればなんとかなると思っていました。納車のときは「こんな大きなエンジンを乗りこなせるかな」とちょっと不安になりましたが、すぐに慣れることができましたね。カスタムはマフラー、シート、エンジンガード、ETCくらいです。今後はハンドルを交換したいと思っています。もう少し幅があるハンドルの方が楽なので。

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ハーレー・ディテイル

[1]マフラーは迫力あるサウンドを求めてサンダーヘッダーをチョイス。[2]ノーマルはシート幅があり過ぎたため、納車時に純正オプションシートに交換。[3]スタイルを崩さないサイズで荷物を積載するのに選らんだデグナー製サドルバッグ。[4]一番お気に入りのノーマルパーツはクロームが美しいヘッドライト周り。

バージンハーレー読者のカスタムハーレー02

ユーザーズ ハーレーダビッドソン

ナセルヘッドライトが自慢
少しだけアクセントをつけてみました

2007年式FLSTF 兵庫県/かよぴーさん

友達に誘われてハーレーに乗り始めました。ファットボーイがどんなバイクなのかは知りませんでしたが、いろんなハーレーを見た中で、一番安定感や迫力があるように思えたのでコレを選んだんです。ハンドルもシートもノーマルのままで、車高はサスペンションを触って低くしました。カスタムのポイントはナセルヘッドライト。雑誌や友人のハーレーをたくさん見ましたが、ノーマルのスタイルを崩さず、カッコよくカスタムするにはコレかな、と。ファットボーイにも良く似合っていますよね。購入後それなりに距離を走りましたが、乗りにくさを感じたことはありません。ついつい遠くまで出かけたくなるハーレーですよ。

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ハーレー・ディテイル

[1]ヘッドライトをナセルタイプのモノに変更。ファットボーイにもよく似合うパーツ。[2]マフラーはモーターステージ製ブラスマフラーを。音量を抑えた上品な音を奏でる。[3]純正ETCを装備。ロングツーリングが多いので、非常に助かっているとか。[4]存在感の大きい200mmのワイドタイヤが一番のお気に入り。

モデル詳細

FLSTF FLSTF
ファットボーイ

■サイズ=全長2396mm×全幅995mm×全高1130mm

■ホイールベース=1638mm

■最低地上高=130mm ■加重時シート高=645mm

■タンク容量=18.9L

■エンジン=TWINCAM 96B 1584cc

■価格=モノトーンカラー:227万1000円

    105周年記念モデル:234万7000円

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