ハーレー最新モデル徹底研究室 - スポーツスター XL883R

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XL883R / スポーツスター883R
XL883R / スポーツスター883R
キャラクター&歴史

XR750をモチーフにした
人気の高い883モデル

今回紹介するXL883Rの排気量「883cc」は50年以上変わらずにスポーツスターに採用されてきた。1957年に誕生した883ccの初代XLモデルから進化するにつれ、1000cc、1100cc、1200ccと大排気量のスポーツスターも登場してきたが、883だけは変わらない。ビックツインでも、エンジンが代わるたびに排気量が拡大されてきているのに883シリーズはいつまでもラインナップにあり、ユーザーからは「パパサン」の愛称で親しまれ続けている。この排気量にはそれだけの魅力があるのだ。883シリーズには現在、仕様やスタイルの違う4モデルが存在している。その中でもXL883と並び、スポーツスターらしい走りを実現できるのがXL883Rだ。往年の名ダートトラックレーサー「XR750」のワークスカラーをまとったこのモデル魅力に迫ってみよう。なお、今回の試乗は2009年モデルの発表に前後して行われたため、写真の車輌は2008年モデルとなっているので注意して欲しい。

特徴

883唯一のダブルディスク仕様
スポーツ向きの足回りを採用

車両写真現在のXL883R(以下、883R)は2005年モデルの期中発表モデルとして登場した。しかし、883Rは2002、2003年モデルでも販売されていた過去がある。販売時期が現行モデルと近い旧883Rだが、現在のモデルとはやや違った仕様だった。旧モデルはリジットマウントの旧エボリューションエンジンを搭載し、フレームは一回り小さく、乾燥重量が15kgほど軽い。マフラーは2in1を採用し、スイングアームはフレームマウント、エンジンのロッカーカバー上部がアルミポリッシュとなっている。共通したデザインや装備などはあるものの、現在の883Rとは一線を画すモデルだった。一方、2005年モデルから続く883Rの場合、大きな変更は2007年モデルからのインジェクションの採用くらい。先日発表された2009年モデルでもシフター、ブレーキペダルがブラック塗装仕上げになったこと、タイヤとのクリアランスがタイトになったフロントフェンダーの採用など、小変更に留まっている。インジェクションのデータは年々熟成されているものの、これはディーラーでアップデート可能なので、年式による違いとは言えないだろう。

 

次に他モデルと比較した883Rの特徴について。もっともわかりやすいのはXR750のワークスカラーをモチーフにしたカラーリングだろう。スポーツスターのカスタムではタンクを小振りのものに交換するのは珍しいことではないが、883Rではこのタンクがアイデンティティとなっているため、タンクや外装交換をされることはまずない。逆に、他モデルのオーナーがこの外装を欲しがるほど、デザインは洗練されたといえる。前後サスペンションはXL883やXL1200Rと同じものを採用。スポーツスターのノーマルサスペンションの中ではもっとも長く、スポーツ走行に適したものが装備されている(09モデルからサスペンション設定が小変更)。また、883シリーズで唯一ダブルディスクブレーキを採用。外装のデザインで883Rの魅力が語られることは多いが、実はしっかりと走り、停まる、スポーツ向きの883モデルなのだ。

旧883Rとは違い、ロッカーカバー上部までブラックに統一されたエンジン。2009年モデルではさらにブラックの統一感が進み、シフターペダル・ブレーキペダルもブラックアウトされたものを採用している。

ブラック塗装のエンジン

旧883Rとは違い、ロッカーカバー上部までブラックに統一されたエンジン。2009年モデルではさらにブラックの統一感が進み、シフターペダル・ブレーキペダルもブラックアウトされたものを採用している。

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タンクロゴはXR750をモチーフにしたワークスカラーを採用。旧883Rではレーシングオレンジのカラーのみだったが、現在は3種類のカラーパターンから好みのモノを選択することができる。

XR750譲りのワークスカラー

タンクロゴはXR750をモチーフにしたワークスカラーを採用。旧883Rではレーシングオレンジのカラーのみだったが、現在は3種類のカラーパターンから好みのモノを選択することができる。

キャストホイールに883シリーズでは唯一のダブルディスクブレーキを装備。しっかりと止まることができる安心感は大きい。アウターチューブがブラックなのも他モデルとの違いだ。

ダブルディスクブレーキを採用

キャストホイールに883シリーズでは唯一のダブルディスクブレーキを装備。しっかりと止まることができる安心感は大きい。アウターチューブがブラックなのも他モデルとの違いだ。

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幅広でやや高めのXRハンドルを採用。幅広なのが気になり、ハンドル変更をしてしまう人も多いが、街乗りからツーリングまでどのような走行シーンでも体に負担にならないポジションは秀逸。

絶妙なポジションのハンドル

幅広でやや高めのXRハンドルを採用。幅広なのが気になり、ハンドル変更をしてしまう人も多いが、街乗りからツーリングまでどのような走行シーンでも体に負担にならないポジションは秀逸。

試乗インプレッション

シャーシの剛性が強化され
扱いやすく進化している

車両写真883Rは加重時シート高が714mmと、スポーツスターファミリーの中ではXL1200Rと並んで最もシート高が高いモデルだ(742mmのXR1200を除く)。そのため、女性や身長の低い人には足つき性が少し不安かもしれない。シートを変更することで足つきを改善することはできるが、前後サスペンションの交換まで行うと、ヒラヒラとした軽快感がスポイルされてしまうことがある注意して欲しい。883Rで秀逸なのはハンドル。幅広で高さのあるオフロードバイクのようなハンドルポジションは、街中でもコーナーでも扱いやすく、車高の高さと相まって走る楽しさを強調してくれるポイントだ。低く、背中を丸めるタイプのスポーツバイクとは違い、アップライトなポジションでスポーツ走行が楽しめるのは、スポーツスターならではの魅力だろう。また、883Rはどのような道を走っていても、積極的に自分から車輌を操りたくなる楽しさがある。883Rに“R(レーシング)”の名がつけられているのは伊達ではない。走る楽しさを追求する度合いは1200シリーズを含め、スポーツスターのどのモデルより高いように思える。883ccという排気量も絶妙。大型バイクの中では非力とも言えるパワーだが、ここ日本では逆に扱いやすい、バランスのいいエンジンと感じられる。この程よいパワーこそが多くのユーザーに883が支持される理由なのだろう。

 

車両写真以前XL1200Rのインプレ時にも紹介したが、近年のスポーツスターは走りが非常によくなっている。よりスポーティに走るのではなく、より扱いやすくなっているのだ。重量が増え、車体は大柄になっているのだが、車体の剛性が上がっているため安定がある。他メーカーのスポーツバイクのような走りはノーマルでは望めないが、ある程度までのスポーツ走行ならまったく問題なくこなしてくれるはず。筆者の乗る1997年式モデルと比較すると、フレームやスイングアームの強化、スイングアームのマウント方法など、さまざまな部分が変更されている。見た目は昔のモデルとあまり変わらないものの、内部は年式が進むにつれ大きく進化しているのだ。ハーレーは劇的なモデルチェンジが少ないことが魅力ではあるが、進化を怠っているわけではない。新旧モデルの乗り比べをすれば、誰でもその違いに気づくことはできるだろう。

こんな方にオススメ

スポーツもツーリングも
どちらも楽しみたい人へ

のんびり走りつつ、場所によってはスポーツ走行も楽しみたいという人には883Rはオススメ。決して目を吊り上げて走るようなスポーツバイクではなく、パワーがない分スロットル全開で走っても、怖さを感じることはまずない。ビックツインやスポーツスター1200シリーズなどでは、トルクがありすぎて3000回転前後で走る人がほとんどだと思うが、883はスロットルを開けたり閉めたり、自分の意思で操作している感覚が強く、それが面白さに繋がるのだ。また、排気量がハーレーでもっとも小さいこともあり「ツーリングには向いていない」と言う人がいるが、883ccもの排気量があれば高速から一般道まで過不足なく走ることが可能。100km超のスピードでも、ラバーマウントエンジンのおかげで快適な走行を楽しめるのだ。「883ccのラバーマウントエンジン」+「必要十分な足回りとブレーキ」+「XR750譲りのワークスカラー」、これだけ揃った883Rはハーレー全モデルで比較しても上位に入る楽しさを誇る。ビックツインとは一味違う、スポーツスターらしい楽しさを味わいたいなら、883Rは最高の選択肢だ。

プロフェッショナル・コメント

ベテランから評価が高い
スタンダードなバイク

解説ディーラー少し前まで883と1200、両方の試乗車を用意していました。トルクの太い1200も人気なのですが、いろいろなバイクに乗ってきたベテランライダーから883の評価が高いんです。883と1200を何度も何度も乗り比べ、熟考した結果883を選ぶ人が多い。排気量はハーレーで一番小さく、パワーもありませんが、他のバイクにはない魅力にベテランの人も惹かれてしまうのでしょう。水冷4気筒やDUCATIのようなスポーツバイクからXL883Rに乗り換える人も珍しくありません。高性能バイクの楽しさも知った方が「バイクの面白さはスペックだけではない」というのをXL883Rで再認識していただくケースもありました。また、すでにビックツインに乗っている人が増車でXL883Rを選ぶこともあります。1200シリーズだとトルクが太く、ビックツインに近い感覚がありますが、883はビックツインとはまた違った楽しさがあり、夢中になってしまうんですよ。カスタムをする人はあまりいない気がします。ブラックで統一された車体なので、クロームパーツを合わせるのは難しいですし、ポジションなども絶妙。ノーマルの完成度が高いモデル、ということでしょうね。

トガードに穴が開いていて、エキパイの焼けが目立つんです。それを逆手にとって、ヒートガードの穴からブラックのカラーを目立たせる、面白いカスタムを手がけさせてもらいました。

バージンハーレー読者のカスタムハーレー01

ユーザーズ ハーレーダビッドソン

迷ったのはSRとW650
でも883Rで大満足です

2008年式XL883R 東京都/カズさん

大型二輪免許を取ったのは883Rに乗りたかったから。同僚が大型バイクに乗り始めたのを機に、いろんなメーカーのバイクを調べていたときに883Rを見つけて「コレだ!」と。教習所に通っている間は、SRやW650に気持ちが傾いた時期もありましたが、ハーレーサウンドへの憧れがあり883Rに決めました。スポーティなバイクが好きだったので、ビックツインに気持ちが傾くことはなかったですね。ラフな格好で乗ることができるバイクが良かったですし…。納車後しばらくして、車体が汚れないようガラスコーティングを施工しました。あとはツーリングに役立つアイテムを中心に取り付けています。

spacer

ハーレー・ディテイル

[1]デイトナ製スクリーンで長距離走行時の風防効果を、ハンドル手元にはバイク用ナビを取り付け。ツーリング時に大いに役立っている。[2]理想のマフラーサウンドを求め、たどり着いたのはスクリーミンイーグル。 [3]デグナー製サドルバッグにはETCを収納。[4]スモークウインカーレンズはHD純正。

モデル詳細

flhxXL883R
スポーツスター883R

■サイズ=全長2245mm×全幅935mm×全高1150mm

■ホイールベース=1520mm

■最低地上高=141mm ■加重時シート高=714mm

■タンク容量=12.5L

■エンジン=Evolution

■価格=99万8000円(モノトーン)

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