VIRGIN HARLEY | ビギナーからベテランまで生涯着続けたい珠玉の一着を手に入れる KADOYAから始まる革ジャンライフ 特集記事&最新情報

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    取材協力/KADOYA  文/佐賀山 敏行 写真/増井 貴光 構成/VIRGIN HARLEY.com 編集部
    掲載日/2013年12月11日

ハーレーライダーをはじめ、あらゆるスタイルのバイク乗りから支持を集めるレザーブランドが、東京・浅草に本社を構えるKADOYAである。
『HEAD FACTORY』や『K’S LEATHER』といった人気のブランドに加え、修理やレザー専門クリーニングなど、まさに「革」のことなら何でもおまかせ。創業1935年の老舗メーカーのこれまでの歴史と今後、そして各ブランドのコダワリなどを、同社代表の深野将和さんに語ってもらった。

ライダーの革ジャンへの情熱に応えるために、
あらゆるサービスとブランド展開を続けた78年間

KADOYAの創業は1935(昭和10)年。創業者は祖父の深野正次郎で、もともとはいろいろな商売をやっていた人でした。しかし洋裁学校を出ていたこともあって、革製品に携わることになったのが創業のなりそめだそうです。最初は革製ジャンバーの修理や染め変えがメイン。戦争もあって米軍の払い下げを染め変えたり修理したり、外人サイズを日本人サイズにしたり……。それが創業時にやっていたことだそうです。


KADOYAが大きく変わったのは、昭和30年に入ってから。私の父である先代社長(現会長)の深野正孝がバイク好きでして、バイク向けにツナギやジャケットなどを作るようになりました。当時は既製品ではなく注文服、つまりフルオーダーですね。もちろんカミナリ族なんかよりももっと古い時代ですよ。あの頃はバイク一台で家が買えるくらい。だけど、そんな時代にもバイクのチームがあったんです。いわゆる富裕層ですね、そういう人たちに向けて作っていました。当時はまだ革ジャンを国内で作れる技術がなかったから、「浅草の隠れた名店」という風に認識されていたそうです。こうしてその後、どんどんオートバイ用の革ジャンを広げていったのです。


会社が現在の場所に移転したのが昭和60年ごろ。当時はバイクブームで、SUZUKI RG250やHONDA NS250Rなど、きらびやかな時代の幕開けですよ。昭和40年に入ってからはじめていた革ツナギもこの頃はピーク。私も子どもながらに、「すごいお客さんの数だな」と思っていました(笑)。だけど先代社長は、当時KADOYAのこの先10~20年先を見据えたとき、「レースの対極にある“ストリート”(街乗り)をもっと広めなければいけない」ということを感じたそうです。

深野将和 氏 写真

株式会社カドヤ
代表取締役 深野将和 氏

1974年 東京・浅草生まれ。2012年11月、同社三代目社長に就任。物心ついたときからバイクに囲まれた生活を送り、自身も1989年式 SUZUKI GSX-R1100に乗る生粋のライダーである。

1935年に創業したKADOYA。その後、日本で一般的に普及する前のモーターサイクルの世界へ自ら進出していった歴史を持つ。

1935年に創業したKADOYA。その後、日本で一般的に普及する前のモーターサイクルの世界へ自ら進出していった歴史を持つ。

そこで生まれたのが『K’S LEATHER』です。それまではすべての商品にKADOYAという名前がついていましたが、あくまでもオーダーメイドでの製作が中心で、既製品は少なかった。そこで先代社長が徐々に既製品を増やすなかでブランド戦略をはじめたのです。『K’S LEATHER』はバイクのあらゆるシーンに対応できるブランドであり、『M.I.R SPEC』はミリタリーとライダースの融合がコンセプト。ひとくちに革ジャンといっても、ニーズに応えながら多角的にブランド展開をスタートさせました。そこからKADOYAの革ジャンが、ぐーっと広がりはじめたのです。

 

『K’S LEATHER』は、いままでフルオーダーしかなかったKADOYA商品が既製品として店頭に並んでいる。つまり、“KADOYAの良さをより多くのお客さんに分かってもらうためのブランド”だと言えます。対して『HEAD FACTORY』は、より商品のつくりにこだわったブランドです。その意味は名前のとおり「本社工場」で、これ自体はカドヤ創業時から続けてきたものです。ただ、それをブランドとしてクローズアップしたのが10年前。厳密に言うとその呼び方をはじめたのは18年くらい前からで、オーダー品など、本社工場で作ったものにタグをつけはじめていたんです。その中で「本社工場で作った既製品が欲しい」という声に応えるカタチで、10年前にブランドとして確立させました。つまり『HEAD FACTORY』は、「やっぱり日本製は良い」というKADOYAのコダワリを表現するためのブランドなのです。

KADOYAは創業当時から一貫して自社工場を持っています。これは一番の強みだと言えるでしょう。そして当社の強みは店舗展開も同様で、ちょうど『HEAD FACTORY』ブランドを広める10年ほど前から直営店を増やしてきて、いまでは5店舗を展開しています。KADOYAは実際に自社で商品を作って、それがどういうものかを直接お客さまに伝えながら売るというスタンスを取っています。だから、「東京本店に来ないと『HEAD FACTORY』の商品を手に入れづらい」というお客さまの声に応えて、直営店を増やしたのです。仙台店は昭和59年にオープンしましたが、それ以外では10年前に大阪店と福岡店、8年前には名古屋店、ここ10年の間で3店舗の直営店をオープンさせています。

 

こうして製品を企画、製造、そして販売、さらに修理までもやっているのですが、8年前からはクリーニングも行っています。一般的なクリーニング屋さんでも革を洗えるところはありますが、当社はそれとは違います。製品ひとつひとつを状態に合わせて職人が洗っています。お客さまの革製品に対する情熱を分かっているので、それらすべてに応えたいと考えているのです。

 

私は昨年11月に代表に就任しましたが、三代目としてやるべきは、いまKADOYAが行っていることを長く続けることだと思っています。KADOYAを支持してくれているお客さんに、より長く喜んでもらう。それが私の代表としてのスタンスなのです。

KADOYA本社工場の職人によって手がけられる最上級の製品にだけ与えられるブランド『HEAD FACTORY』。品質に対するこだわりの姿勢こそが、今日のKADOYAを支えているのだ。

KADOYA本社工場の職人によって手がけられる最上級の製品にだけ与えられるブランドタグ『HEAD FACTORY』。品質に対するこだわりの姿勢こそが、今日のKADOYAを支えているのだ。

オーダーメイドでの製作、そしてアフターサービスも充実

相談からアフターメンテナンスまで
すべてをKADOYAに委ねられる!

これだけ商品ラインナップが充実していても、同社がバイク用ジャケットを手がけるようになったときから続くフルオーダーシステムは健在。身長や体重、胸幅などの各サイズはもちろんのこと、体型や性別によっては着座ウエストやくびれなども計測。チェック項目は最大で70以上におよぶ。チョッパーやスーパースポーツなど、モデルによって異なるライディングポジションなども考慮されるなど、まさに自分だけの一着が仕上がるのだ。「フルオーダーはさすがに……」なんて人にはセレクトオーダーも用意されており、こちらは比較的リーズナブル。店内にはオーダーカウンターもあり、スタッフが気軽に相談に応じてくれる。

 

そして、フルオーダーでも既製品でも、同社の革ジャンは修理が可能。部材などは豊富にストックされてあり、よっぽどヒドい状態でなければ、まさに一生モノとして付き合うことができる。さらに革ジャンをより長く愛用するためにKADOYAが近年、力を入れているのが革のクリーニング『Ref Leather』だ。革へのダメージが少ない専用の石油系溶剤を使い、職人が一点ずつ、商品の状態を確認して手洗いするのが最大の特徴。洗い方には水洗いとドライの2種類があり、革質や状態、汚れの種類等によって使い分ける。『Ref Leather』は通販も行っているが、預かった商品を洗い、送って終わり……ではなく、作業前には必ず店舗から電話をかけ、オーナーと直接クリーニングの詳細について話し合ってから作業に入る。オーナーの革に対する情熱に最大限応える――これこそがKADOYAの姿勢である。

オーダーメイド

オーダーメイド写真1

オーダーメイド写真2

既存のデザインをベースに自身の体格に合わせることはもちろん、写真下のようにフルオリジナルを注文することも可能。まさに自分だけの一着を手に入れることができるのだ。
 

クリーニング

クリーニング写真1

クリーニング写真2

クリーニングは革の状態を見て、オーナーと打ち合わせた後、職人がひとつひとつ手作業で洗う。オーナーの革ジャンへの愛情を知っているからこそのKADOYAのサービスである。


リフレザーについての詳細はこちら

KADOYAが誇るオリジナルブランド群

HEAD FACTORY
KADOYA創業時から継承され続けた技術を
最高級の既製品として一点一点に落とし込む

その名が示すとおり、KADOYA本社工場にて作られるのが『HEAD FACTORY』。創業時からある本社工場で培い、継承されてきた技術をフルオーダーだけでなく、既製品にもフィードバックさせるべく生まれたブランドである。その最大の特徴は、各職人が最初から最後までを縫い上げる「職人一人一着縫い」。パタンナーから渡されたパターンを革にレイアウトして裁断、漉きと芯貼りを経て縫製し、さらに自己検品までを一人の職人が行うのである。現在、KADOYA本社工場では15人の職人が在籍しており、60~70代のベテランから最年少は21歳。それぞれが責任とプライド、そして情熱を持って作業にあたる。当然、その技術はベテランから若手へしっかりと受け継がれており、その出来映えはどれもが素晴らしいのは言うまでもない。歴史が生み出した名ブランド、それが『HEAD FACTORY』なのだ。

 

HEAD FACTORYの詳細ページ
K'S LEATHER
KADOYAの良さをより多くのライダーへ……
ベストクオリティをリーズナブルに提供する
それまでフルオーダーをメインにしてきたKADOYAが1980年代、より多くのライダーに同社製品の良さを知ってもらうためにはじめたのが今に続く既製品ブランド『K’S LEATHER』だ。KADOYAのモノ作りに対するこだわりはそのままに、国内外の専任工場で生産し、地域性やスケールメリットを活かして価格を抑えているのが大きな特徴。レザー専業メーカーとしての長年の実績が工場との信頼関係を太くしそれを可能としている。ハイクオリティをリーズナブルに提供する『K’S LEATHER』が高い人気を誇るポイントである。また、豊富な商品ラインナップも魅力のひとつで、オーソドックスなライダースジャケットからハードプロテクションを備えたデザインまで、革質もソフトな風合いから厚手でハードなものまで網羅しビギナーからベテランまで老若男女あらゆるライダーのニーズに応えている。そう、すべてのライダーにオススメできるのが『K’S LEATHER』なのだ。
KADOYA ONLINESHOP

PICKUP SERIES 表示価格は2013年12月6日現在

一生モノの革ジャンがあれば、
冬のライディングはもっと楽しくなる

『HEAD FACTORY』と『K’S LEATHER』、それぞれにこだわりの異なるブランドであるが、どちらも同社が情熱と技術を注いだ珠玉の商品であることに変わりはない。どれを選んでもまさに一生モノ。ここに紹介するオススメ商品をはじめ、他にもKADOYAには多くのレザーアイテムがラインナップされているので、ぜひとも実際に手に取っていただきたい。冬のバイクライフがさらに充実したものとなるのは間違いないだろう。

HF/N-1

FPS-1/SFT

メーカー希望小売価格

54,000円(税抜)

品番/No.1138
素材/[表]ソフトステア、[裏]ポリエステル (Zip 着脱アルミライナー)
サイズ/S・M・L・LL・3L
カラー/ブラック

AS-P VS

FPW-R

メーカー希望小売価格

61,000円(税抜)

品番/No.1123
素材/[表]ハードステア、[裏]ポリエステル
サイズ/M・L・LL・3L
カラー/ブラック

HF/AW-1VS

BOTT

メーカー希望小売価格

62,000円(税抜)

品番/No.1137
素材/[表]ソフトステア、[裏]ポリエステルサテン
サイズ/M・L・LL・3L
カラー/ブラック

AW-P VS

Through Ride EVO-Leather(A)

メーカー希望小売価格

78,000円(税抜)

品番/No.1133
素材/[表]表/ソフトステア、[裏]ポリエステル
サイズ/M・L・LL・3L
カラー/ブラック

Through Ride EVO-Leather(A)

HF/AS-1VS

メーカー希望小売価格

138,000円(税抜)

品番/No.0701
素材/[表]ヴィンテージステア、[裏]ポリエステル・スーパーハードツイル
サイズ/M・L・LL・3L
カラー/ブラック
 

BOTT

HF/N-1

メーカー希望小売価格

143,000円(税抜)

素材/[表]ゴートスキン(山羊革)、[裏]ポリエステル・スーパーハードツイルキルティング、着脱式アクリルボアライナー、襟ムートン
サイズ/M・L・LL・3L
カラー/ブラック、ネイビー、ブラウン

FPW-R

HF/AW-1VS

メーカー希望小売価格

159,000円(税抜)

品番/No.0702
素材/[表]ヴィンテージステア、[裏][裏]ポリエステル・スーパーハードツイル
サイズ/M・L・LL・3L
カラー/ブラック

AW-EVO 3 SFT

AS-P VS

メーカー希望小売価格

163,000円(税抜)

品番/No.0810
素材/[表]ヴィンテージステア、[裏]ポリエステル・スーパーハードツイルキルティング
サイズ/M・L・LL・3L
カラー/ブラック