VIRGIN HARLEY | 選ばれしモーターステージのマフラー 特集記事&最新情報

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    取材協力:モーターステージ 写真:鶴身 健(Photographer) 取材・文:田中宏亮
  • 掲載日:2010年2月1日(月)

モーターステージの創業は今から10数年前。当時はハーレーも今ほど人気を博しておらず、一般の人にとってまだ“遠い存在”だった時代のこと。創業時にまず手掛けたのが、現在もラインナップに並ぶ≪SSTスーパーサイレンサーツール≫で、そこからオールステンレス製マフラー≪V-Speed マフラー≫が誕生した。しかしモーターステージの方向性は、カワサキW650やエストレヤなど国産クラシック系バイクをターゲットにしており、「ハーレーで商品展開をしようとは考えていなかった」と代表の廿枝正氏が語るとおり、ハーレーは範疇外だった。

 

そんな廿枝氏がハーレーに目を向けたのは、ハーレーに乗る友人から「オリジナルのマフラーを作って欲しい」と依頼されたことから。「ならば」と以前から暖めていた“ブラス(真ちゅう)を素材とするマフラー”の製作に着手してみることに。

 

「真ちゅうを選んだのは、他のメーカーが扱っていない素材だったことと、真ちゅうは楽器にも使われているので『これならきっといい音が出るに違いない』と感じたこと。ただ、誰も扱ったことのない素材を用いての開発だったから、製品化するまでは大変でしたけどね(笑)」


初のブラスマフラー誕生、その型は今や定番となった≪シガー≫。カラーは「ブラスならではの存在感を出す意味で」ソリッドバフ、つまり金色だけとした。その後、メッキで覆うクロームメッキや黒メッキなどカラーバリエーションを増やしたが、「ソリッドバフに比べると、音質に差がある」と廿枝氏は言う。

 

【1】ショールームの階段にはノスタルジックなモーターサイクルのイラストが飾られている。 【2】マフラーを知り尽くしたスタッフの手によって、製品はオーナーの元に届けられる。 【3】Brass 76 series スーパーブラス。一見するとノーマルマフラーのようだが、音が決定的に違う。 【4】XR1200に装着されたV-Speed。スタイリングが際立つ。 【5】チェッカー柄がレーシーな雰囲気を醸す。

 

「メッキで覆われていると、“音のやわらかさ”に違いが出てくるんです。例えばコップを叩いて音を出すとき、手に持って叩くのとテーブルに置いたまま叩くのとでは音が違ってくるでしょう。わずかな差かもしれないけど、ブラス本来の音を出すならメッキで覆われていない方がいい。後は外装のイメージなど、好みで変わってきますから、オーナー次第ですね」

 

廿枝氏はマフラー開発に際して、徹底的にサウンドにこだわる。「他メーカーのモーターサイクルと比較したとき、ハーレー最大の魅力は“音”の一言に尽きる」と断言するあたりに、同氏の哲学が垣間見える。

 

「ただ音がデカければいい、というわけじゃない。音質やトルクがきちんと調整できるエキゾーストじゃないと、走行性能や走行状態に影響を及ぼします。それでは“バイクに乗る楽しさ”の本質が分からないでしょう」

 

だからこそモーターステージが手掛けるマフラーは、音量や音質、トルクアップまであらゆる点でオーナーの好みに合わせた調整ができる設定になっている。例えばブラスマフラーの場合、さまざまなパターンのインナーサイレンサーがラインナップされているので、愛車の状態や音の好みはここを交換するだけで変えられる。「多種多様なユーザーの好みになるべく合わせられるように」と、さまざまなパターンのインナーサイレンサーをテストして今に至るのだ。

 

もうひとつユニークな点が、各商品のネーミングである。≪バンカーバスター≫や≪ロコボーイ≫、≪グライドショットガン≫などの名称が付けられているが、これも廿枝氏のアイディアだと言う。

 

「アメリカという国は、モノに名前を付けて愛着を持たせようとする文化があるでしょう。“これは面白いな”と思い、取り入れることにしました。“購入してくれる人に愛着を持ってもらいたい”というところからですね」

 

元々ヨーロッパ系モーターサイクルがお好みだったと言う廿枝氏は、ハーレーとの出会いにより新鮮さをもってアメリカ文化を一気に取り入れ、そして今、ハーレーだけに許されたカスタムの世界により一層の幅をもたらすまでになった。V-Speedに関しては、すでにのダイナ版やソフテイル版を開発し終え、また新たな企画を練っている最中なのだとか。

 

「ハーレー乗りならば、マフラーのサウンドが気になるのは当然。だからこそ、音質にはこだわって欲しい。音質が調整できるかできないかで、愛車との付き合いの長さに変化が出てきます。やっぱりウチのマフラーを選んでくれた人には、永くハーレーライフを楽しんで欲しいですからね」

 

マフラーが奏でるサウンドは、オーナーの個性の象徴であると同時に、愛車の状態を知らせる大切な信号でもある。大切な一台との蜜月をより長く続けるためにも、ハーレー乗りには音とともに、いちモーターサイクルとしての性能も重視してあげたいところだ。モーターステージのラインナップには、こだわり抜いた同社が選んだエキゾーストがずらりと並んでいる。

【6】ショールームの棚にずらり並ぶブラスマフラーの数々。来店した人は、まずここに見入ると言う。 【7】ショールームの2階にはMVアグスタのF4が。ほかにトライアンフや国産モーターサイクルなど、廿枝氏の好みが反映されたバイクが並ぶ。 【8】出荷を待つマフラーやインナーサイレンサー。このバリエーションが、ユーザーにオンリーワンの製品をもたらす。 【9】吹き抜けになっているショールーム。2階にはshottのレザージャケットなども展示された、モーターサイクルのための空間に仕上がっている。 【10】ダイナ仕様のV-Speedが完成。ソフテイルとともにカスタムの幅が広がっていくだろう。

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