VIRGIN HARLEY | FLHXSE CVO ストリートグライド 試乗インプレ

2017年式 FLHXSEの画像
HARLEY-DAVIDSON FLHXSE(2017)

FLHXSE CVO ストリートグライド

ラインナップの最高峰を誇る
受注生産プレミアムモデル

ハーレーダビッドソンにはCVO(Custom Vechicle Operations=カスタム・ビークル・オペレーションズ)という純正カスタムパーツとアクセサリーを予めふんだんに組み込んだ受注生産のファクトリーカスタムがラインナップされるが、その1つがCVO ストリートグライドだ。エンジンは専用となる「ミルウォーキーエイト114」を2017年モデルから初搭載。妥協は存在しないプレミアムモデル、その魅力に迫ろうとアメリカ・ワシントン州オリンピックナショナルパークにて2日間400マイル(およそ640km強)のテストライドに出かけた。

FLHXSE CVOの特徴

トレンドをリードするエクステリアと
パワフルな走りだけでなく、オーディオも別格

これぞ究極のホットロッドバガー。見る者を圧倒する手の込んだカスタムペイント、隅々まで磨き込まれたカスタムパーツ群、パワフルな走りを実現する新生ミルウォーキーエイト114、そこにもはや死角は一切ない。

FLHXSE CVOの画像
18年ぶりとなるニュービッグツイン・ミルウォーキーエイト114は、ボア×ストローク100×111,1mmの107に対し、102×114.3mmの設計。最大トルクを150Nmから160Nmに上げているが、ロングストロークならではの大らかなフィーリングやVツインの鼓動感は損なわれていない。

カスタムトレンドをリードする美しいエクステリア、強力なエンジン、グレードアップした前後サスペンション、すべてが完璧なまでに追求され尽くしたものだが、CVOストリーグライドの魅力はオーディオシステムにもある。

カーボンファイバーのコーンウーファー、ポリプロピレンファイバーのドームミッドレンジ、アルミニウム製ドームツイーター、なんと12基ものスピーカーをインストール。どんな速度域でも乗り手の耳にクリアなサウンドが届くよう瞬時に音量を自動調整し、さらにバスとトレブルのバランスを最適化するインテリジェントなオーディオシステムを搭載。

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堂々たるスタイルは、見る者の視線を釘付けにするだろう。フロント19、リア18インチの足まわりはミラークロームアグレッサーホイールでよりゴージャスにドレスアップ。L字バルブが備わり空気圧調整がしやすいだけでなく、6.5インチディスプレイで空気圧が確認できるオートモニタリングシステムも搭載する。

そしてそのコントロールは、インナーフェアリングに埋め込まれる6.5インチのタッチパネル式カラーディスプレイで自在に操作ができる。300W×2、合計600Wの8チャンネルアンプでドライブされる迫力のサウンドが、ライディングしながらいつだって楽しめるのだ。

FLHXSE CVOの試乗インプレッション

あらゆるシーンで平均点以上
その万能っぷりはファミリー随一

手の込んだカスタムペイントや高級感あるパーツ群には惚れ惚れするばかりだが、見て満足するのではなく、その真価は豪快な走りのなかにある。

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車体色は写真のスターファイヤーブラック×アトミックレッドのほか、ダークスレートキャンディー×アークティックブラック、サンバーストオレンジ×スターファイヤーブラック、キャンディーコバルト×インディゴインクの全4色を設定。カラーによって価格差があるハーレーだが、CVOでは同一となっている。445万7,600円だ。

なんと言っても、その心臓部は114キュービックインチ=1,846ccもの排気量を持つミルウォーキーエイト114。低中速の図太いトルクは圧倒的で、クラッチを繋いだ途端、巨体を悠然と加速させ、一気にクルージングスピードに到達。そこからは、もう見たときに感じるボリューム感はなく、軽やかな操作フィールとなるから面白い。

フロント周りで強い存在感を放つバットウイングフェアリングはウインドプロテクション効果が高く、ショートスクリーン化されていても乗り手は余裕のハイウェイクルージングが楽しめる。

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ロー&ロングなスタイルを強調するエクステンション・サドルバッグを標準装備し、ホットロッドバガースタイルを強調するだけでなく、収納力も向上。バッグ内には荷物を運ぶときに便利なキャリーアウトライナーも付属している。

エンジンに一次振動を75%低減するカウンターバランサーが内蔵されたことと、前後サスペンションをグレードアップしたことで乗り心地が良いのも特筆すべき点。SHOWA製のデュアルベンディングバルブ・フォークとハンドアジャスターを備えたリアショックは、ハイスピードで大きな段差を乗り越えても衝撃をしなやかに吸収し、高い路面追従性を発揮した。

そしてギアが滑らかなに噛み合うシフトフィーリングや、ブレンボ製ブレーキシステムの上質なタッチやコントロール性の高さは、さすがはCVOと言えるものだ。

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すっきりとして無駄のないテールセクションも特徴的。サドルバッグの内側にLEDブレーキおよびターンシグナルが埋め込まれ、シンメトリーな2本出しマフラーが迫力のリアビューを演出。この後ろ姿に、惚れ込むライダーは少なくない。

こんな方にオススメ

エキスパートを唸らせる究極の1台は
アグレシッブな走りを好むライダーに

もちろん、ガレージにこんなゴージャスなハーレーがあればさぞかし鼻が高いだろう。しかし、CVOの真骨頂は走りにあり、眺めて磨き自慢するためのものでは決してない。特に軽快な走りが楽しめるCVOストリートグライドは、そうだ。フロント19インチのハンドリングは切り返しが軽く、ワインディングでの高い旋回性には目を見張る。

低重心で足着き性も比較的良く、乗り手の体格を選ばない。なによりも、ストリートを流せば注目の的となるカスタムトレンドをリードするスタイリングも魅力だ。

そして114キュービックインチにまで排気量が高められたエンジンはロングストローク設計が重視され、ボアだけでなくストロークも同時にミルウォーキーエイト107から伸ばされている。ボア×ストローク100×111,1mmの107に対し、114は102×114.3mmとなり、大らかなフィーリングはそのままに、モアトルクと鋭いスロットルレスポンスを獲得。このエンジンフィーリングは、107→114化の純正ボアアップキット(111.1mmのストロークをそのままにボアだけを拡大する)では決して手に入らない。

アグレシッブなライディングを好むライダーに乗っていただきたいし、そうしたエキスパートらを唸らせる究極の1台に仕上がっていると言えよう。

FLHXSE CVOの詳細写真

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高いウインドプロテクション効果を発揮するバットウイングフェアリングには、スッキリとしたスタイルを決定づけるショートスモークスクリーンをセット。カスタムパーツでも人気のあるDaymaker LEDヘッドライト、そしてLEDフロントターンシグナルを標準装備する。
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バットウイングフェアリングに設けられたスプリットストリームエアベントは最適な整流効果をもたらし、ライダー頭部への空気抵抗を大幅に軽減。高速クルージングやロングライドでの疲れを飛躍的に抑え、快適なツーリングが楽しめる。
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上質なペイントが施されたインナーフェアリングには、右からボルテージメーター、エンジン回転計、速度計、燃料ゲージを4連装備。中央には6.5インチタッチパネルディスプレイが配備され、ここで外気温や油温、空気圧などがチェックできるほか、オーディオなども操作できる。
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グリップやスイッチボックスに至るまで特別な装いとなっているのがCVO。ハンドコントロールは内照式で夜間時もしっかり見て分かる。インフォテインメントシステムの操作は6.5インチタッチパネルディスプレイのほか、スイッチボックスでも操れる。
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ツーリングファミリー全機種にも標準装備されるオートクルーズコントロールのスイッチは、ハンドル左のスイッチボックス最下段にあり、50km/h以上からセット可能。アクセルを開閉する右手の疲労を大幅に軽減でき、慣れてしまえば手放せない装備となる。
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エンジンは1,846ccもの排気量を持つツインクールド・ミルウォーキーエイト114。もっとも熱を持つ排気バルブまわりにウォーターラインを設け、ラジエターは足もとのロワーフェアリングに内蔵した。空冷エンジンならではの美しいフィンはそのままに、冷却効率を高めている。
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スクリーミンイーグル製のハイフローエアクリーナーで吸入効率をより向上。もちろんECMキャリブレーション済みで、新車時から114キュービックインチの大排気量を活かした怒濤のトルクを発揮する。また、悪天候時には付属のレインカバーがフィルターをしっかり保護する。
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1936年のナックルヘッド以来のOHVを踏襲した伝統あるV型2気筒エンジン。2→4バルブ化されたミルウォーキーエイトだが、プライマリーチェーンケースを持ち、ミッションを別体にするというオーソドックスな構造は何ら変わっていない。
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プライマリーチェンケースとカバーが薄くなり、足着き性を向上。またアシスト&スリッパークラッチと油圧マスターシリンダーも新型が採用され、クラッチレバーの操作フィールが軽くなっているのも嬉しいかぎり。ブラックグラナイト塗装のエンジンのなか、上質なクロームカバーが効果的に光沢を放っている。
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容量22.7Lの伝統的なフューエルタンク上部には、カスタムインサートをあしらった高級感漂うコンソールが備わる。キーレスイグニッションで利便性に優れることも特筆すべき点。休憩時のパーキング、再スタート時もじつにスピーディでスマートだ。
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ピストンスピードに比例したリニアな減衰力を発生させることが可能となったSHOWA製デュアルベンディングバルブ・フロントフォークを新採用。直進安定性やブレーキング時のダンピング性能が飛躍的に向上し、よりアグレシッブな走りを実現している。
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ベースモデルとなるストリートグライド同様、前後連動式ABSブレーキを搭載するが、CVO専用のブレンボ製キャリパーはストッピングパワーとタッチにより優れ、確かなコントロール性を発揮。いかなる路面状況でも、しっかりと車体を制動させることができる。
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ロングライドでも疲れ知らずな座り心地の良いレザー&カスタムステッチ・ロープロファイルシート。前後セパレート式なので、ソロシート仕様にすることも簡単。よりスッキリとしたテールセクションを演出することができる。
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サドルバッグラッチにもスピーカーが埋め込まれ、3ウェイフロントスピーカーとともに迫力あるサウンドが楽しめる。ダイナミックイコライザーも標準装備され、充実したサウンドシステムを構築。お気に入りの音楽に耳を傾けながら走ることができるのだ。
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こちらはキャンディーコバルト×インディゴインクの車体。ボディカラーを問わず、フットボードやブレーキペダル、シフターペグ、パッセンジャーフットペグは純正カスタムパーツで人気のある「エアフローコレクション」に惜しみなく換装されている。
試乗ライダー プロフィール
青木 タカオ
雑誌 Virgin Harley 編集長を務める傍ら、多くのバイク専門誌、一般誌、WEBメディアに寄稿するモーターサイクルジャーナリスト。10代の頃からモトクロスレースでライディングの基礎を学び、現在では競技用オフロードモデルから、サーキットでのロードスポーツモデルの試乗インプレッションまで手広く担当する。また、バイクの仕組みを解説する著書もある。

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