VIRGIN HARLEY |  ハーレー新型ソフテイルのデラックスは重厚なスタイリングと操作性向上の両立が計られている試乗インプレ

2018年式 FLDE デラックスの画像
HARLEY-DAVIDSON FLDE DELUXE (2018)

ハーレー新型ソフテイルのデラックスは重厚なスタイリングと操作性向上の両立が計られている

FLDE デラックスの詳細写真

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美しい光沢を放つ伝統的なトリプルライトはついにLED化。ターンシグナルも60年代のアメリカ車のようなデザインだ。
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インナーチューブ径49mmは変わらないが、フロントサスペンションをデュアルベンディングバルブフォークへと進化。踏ん張りの効くセッティングとなった。
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リジッドマウントされるミルウォーキーエイト107エンジンは、フレームメンバーとなって車体の剛性アップに大きく貢献。オイルタンクの面影が残るサイドカバーといい、ラウンド型のエアクリーナーといい、クロームを多用するデラックスはエレガントということばがよく似合う。
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デコレーションパーツで飾られたディープフェンダーには、アメリカ車みたいにゴージャス主義なエンブレムがよく似合う。
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低く広い形状のハンドルもまたオールドハーレーを彷彿させるもの。クローム仕上げのハンドルクランプにはHARLEY-DAVIDSONのロゴが刻印され、所有感を高めている。
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タンクオンメーターは写真の本国仕様では130mphまで速度を表示する。デジタル液晶モニターにはバーグラフ式のフューエルゲージ、シフトインジケーターを表示。さらに切り換え式で、オド、トリップA/B、エンジン回転数、時計、燃料から割り出した航続距離がわかる。
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フレームネックにはメインスイッチを入れると電流が流れるUSB端子を備え、ハンドルマウントするスマートフォンやポータブルナビゲーションの電源を確保した。トラディショナルなスタイルの中に近代的な装備が見られる。
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大柄なソロシートもデラックスには欠かせない。側面をメッシュにしたダブルテクスチャーで質感も申し分ない。デビュー以来セパレート式のダブルシートとしていたが、18年式ではソロ化。リアキャリアの装備もなくなった。
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シートを外すと、モノショック化したリアサスペンションが姿を見せる。路面の段差でフルボトムしていた従来のサスペンションだったが、新型ではストロークに余裕があり減衰もしっかり効く。
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新型リアショックにはプリロードアジャスターを搭載。デラックスとヘリテイジクラシックは、写真のようにレンチを用いて調整する。
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タンデム、荷物積載時にスプリングの初期荷重を最適化できるプリロード調整機構。ローライダー、ストリートボブ、ソフテイルスリムではフックレンチを使う。
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リアサスペンションのプリロード調整。ファットボブ、ファットボーイ、ブレイクアウトはハンドノブ式になっていて工具要らず。
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クラッチレバーの調整をマイナスドライバーなどで簡単にできるようにしたクラッチケーブルの新調整機構。メンテナンス性も至るところで向上している。
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トゥームストーンテールライトも伝統的なアイコン。スタイリッシュな新形状ウインカーとともにLED化され、ネオクラシックなイメージを強調している。
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H-D シニアプロダクトマネージャー(新型ソフテイル担当)のケビン・ヒンツ氏。「他社の競合モデル多数と乗り比べながらテストを繰り返し、ソフテイルに何が足りないかを考え、2011年より新型ソフテイルの開発に極秘で着手してきた」という。

こんな方にオススメ

落ち着きのある安定志向の乗り心地が好きな人も
ソフテイルビギナーも、誰もが納得できる!

テストライドはアメリカ・カリフォルニアにて2日間、300マイル(約480km)の道のりでおこなった。新型ソフテイルの開発を担当したH-D社シニアプロダクトマネージャーのケビン・ヒンツ氏に同行していただき話しを聞いたが、ヒンツ氏は従来のソフテイルが抱えていた悩みを打ち明けてくれた。

これまでのソフテイルは伝統的なスタイルと、ドッシリとした昔ながらの乗り心地で、それが“らしさ”としてファンに支持されてきたものの、大きな段差を乗り上げると突き上げを食らうといったように、走りの性能面においては決して高く評価されてこなかった。H-D社は世界中のライダー3000人に聞き取り調査をおこない、よりスポーティで、より快適な乗り心地が必要だということに気づき、今回のフルモデルチェンジへと至ったという。

また、ラインナップに偏りがあることも問題視した。もっと幅広い層のライダーに受け入れられるようにしなければと、既存のトラディショナル路線だけでなく「ファットボブ」のようなスポーティ路線のモデルもなければならないとファミリーを新展開したのだ。

開発は2011年から極秘でスタートし、ついに18年モデルでデビューとなった。NEWファットボブのような新路線を打ち出しつつも、デラックスはトラディショナルな路線を堅守。ハンドリングも安定感があり、従来からの“らしさ”を失っていない。

FLならではのドッシリとした重厚感が好きな人は、デラックスをまず試すべきだろう。ビンテージテイストをそのままに走りのポテンシャルを上げ、ゆっくり流すのも相変わらず気持ちがいい。従来のファンも納得ができるし、これまでソフテイルに乗っていなかった人もぜひ味わって欲しい。これがハーレーダビッドソンのFLだ。

試乗ライダー プロフィール
青木 タカオ
雑誌 Virgin Harley 編集長を務める傍ら、多くのバイク専門誌、一般誌、WEBメディアに寄稿するモーターサイクルジャーナリスト。10代の頃からモトクロスレースでライディングの基礎を学び、現在では競技用オフロードモデルから、サーキットでのロードスポーツモデルの試乗インプレッションまで手広く担当する。また、バイクの仕組みを解説する著書もある。
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