VIRGIN HARLEY | 2018年式の新型FLFB ファットボーイのパフォーマンスを検証 試乗インプレ

2018年式 FLFB ファットボーイの画像
HARLEY-DAVIDSON FLFB FATBOY(2018)

2018年式の新型FLFB ファットボーイのパフォーマンスを検証

フルモデルチェンジを果たした新型では
ローとの2本立てを改め一本勝負!!

アメリカ・ロサンゼルスで開催された8月下旬のジャーナリスト向け国際試乗会では、新型ソフテイルファミリー全モデルをテストライドすることができた。前回はまず速報としてファットボブの試乗インプレッションをお届けしたが、今回からはそれに続く各機種の試乗記を複数回にわたって寄稿する。

第2弾はハーレーダビッドソンのラインナップのなかでも屈指の人気を誇るファットボーイ。2010年モデルから「ロー」との2本立てとなっていたが、フルモデルチェンジを果たした新型では1本勝負としてきた。そのライドフィールはいかに!? カリフォルニアのワインディングを2日間、300マイル走り込んだ。

FLFB ファットボーイの画像

FLFB ファットボーイの特徴

スタイルを一新しているが、
ディッシュホイールなどアイコンたちは健在

FLFB ファットボーイの画像

まず目を惹くのが、ナセルと異型LEDヘッドライトによって近未来的なイメージに生まれ変わったフロントマスクだろう。ふてぶてしいとでも言おうか、大胆で根性の座ったファットボーイのキャラクターに相応しい顔だ。そこに見るからに丈夫そうなフロントフォークがあり、図太いフロントタイヤに繋がる。新採用デュアルベンディングバルブフォークの49mm径インナーチューブは覆い隠すようにガードされ、幅160mmの前輪もワイドなフェンダーがカバーしている。

FLFB ファットボーイの画像

見る者に力強い印象を与えるディッシュホイールといい、握りの太いファットバーといい、フロントエンドからしてもう逞しいのだが、燃料タンクも容量18.9リットルの迫力あるもの。ニューソフテイルでは、小振りにした新作タンクを採用するモデルもあらわれたが、この堂々たるタンクシルエットはファットボーイに欠かすことはできない。

FLFB ファットボーイの画像

モノショック式のサスペンションを採用する新設計フレームには、ミルウォーキーエイトエンジンがリジッドマウントされ、排気量は107ci=1,745ccをベーシックに、114ci=1,846ccもチョイスできる設定としている。セパレートタイプのダブルシートや240mmのワイドなリアタイヤ、随所をサテンクローム仕上げとすることなど、新作となってもアイコンたちは健在だ。

FLFB ファットボーイの試乗インプレッション

160mmというワイドなフロントタイヤが
ヘビーなハンドリングを演出し、操るのが楽しい

FLFB ファットボーイの画像

前回の試乗インプレッション記事で取り上げたファットボブでは、軽快な身のこなしとシャープなハンドリングに感心するばかりであったが、ファットボーイでは印象が少し違う。もちろん、剛性を上げたシャシーとしなやかにストロークする前後サスペンションのおかげで、運動性能を従来のソフテイルより飛躍的に向上しているのは間違いないのだが、そのなかであえてフロントタイヤを160mmとワイドにし、前後17インチだったホイールを前後18インチ化するなどでヘビーなハンドリングを演出している。コーナーの進入では、車体はスムーズに寝ていかず、曲がるキッカケを与えなくてはならない。

FLFB ファットボーイの画像

これをH-Dカンパニーのプロダクトマネージャーに伝えると「ファットボーイとは何かを考えた結果さ」と答えて返した。つまり、直進安定性の高さを印象づけるようライドフィールに味付けをしているのだ。昔から同じエンジン、同じフレームで数多くのラインナップを展開してきただけに、こういった手法はハーレーダビッドソンはじつに上手い。

テストコースは大小様々なコーナーが続くワインディングがメインだったが、旋回を意識的にさせなければならないファットボーイを操り、カーブを1つずつクリアしていく行程は決して苦ではなく、猛獣遣いのような気持ちでとても楽しかったことを最後に付け加えておく。

FLFB ファットボーイの画像

FLFB ファットボーイの詳細写真

FLFB ファットボーイの画像
ボリューム感のあるナセルと一体となった異径LEDヘッドライトが、見る者に強いインパクトを与える挑戦的な面構えを演出。フォークガードを含め、ボリューム感のあるフロントエンドとしている。
FLFB ファットボーイの画像
ファットボーイには欠かせないアイコンのひとつ、ディッシュホイール。前後17インチを18インチ化し、足まわりがさらに逞しくなった。フロントフォークもツーリングファミリー同様のインナーチューブ径49mmのSHOWA製デュアルベンディングバルブフォークを装備。
FLFB ファットボーイの画像
フロントブレーキはシングルディスク仕様。4ピストンキャリパーとフローティングディスクの組み合わせで、制動力とタッチに不満はない。タイヤは160/60R18サイズのミシュラン・スコーチャー11を履く。前輪で160mmの幅は、かなりワイドだ。
FLFB ファットボーイの画像
ブロック形状のガッチリとしたライザーでマウントされるハンドルは、プルバックされたファットバー。クロームメッキが施され、ゴージャスなムードとなっているのもファットボーイらしさ。電子制御スロットルのケーブルはハンドル内に通され、スッキリとした処理が施された。
FLFB ファットボーイの画像
容量18.9リットルの燃料タンク上にマウントされる新型メーターは、ファットボブでは指針式のタコメーターをメインとしていたが、ファットボーイでは速度計をメインとしている。小型液晶画面にて、ギア段数/エンジン回転数、燃料残量、オド、トリップなどを表示する。
FLFB ファットボーイの画像
新型ソフテイルでは全機種、フレームネックの左側にUSB端子を備えている。ハンドルマウントでのスマートフォン操作を考慮しての装備だ。
FLFB ファットボーイの画像
新搭載の空冷Vツインエンジンはミルウォーキーエイト107(排気量1,745cc)がベーシック。リジッドマウントにて積み込まれ、カウンターバランサーをデュアル化し、微振動対策を講じている。
FLFB ファットボーイの画像
よりトルクフルな114ciエンジン(排気量1,846cc)も設定され、マッピングの変更に伴いエレメントを剥き出しにしたハイフローエアクリーナーが組み込まれる。107ciでは145Nmの最大トルクは、155Nmまで引き上げられる。
FLFB ファットボーイの画像
旧ソフテイルではオイルタンクのあった位置には、モノショック式のリアサスペンションが配置されたためにハンドアジャスターが姿をあらわす。工具は不要で、素早く簡単にプリロードを5段階調整できる。
FLFB ファットボーイの画像
シンプルな見た目ながら、ダブルテクスチャーで質感とホールド性の良いシート表皮。前方が大きくくびれたシルエットで、足着き性の良さを実現している。
FLFB ファットボーイの画像
力強く真っ直ぐに伸びる2本出しマフラー。ライセンスプレートは北米仕様ではサイドマウントだが、日本仕様ではリアフェンダーの中央に従来どおりに設置される。

こんな方にオススメ

魅力はストレートでの強烈なダッシュ
エンジンパワーを堪能していただきたい

この斬新なフロントマスクは好き嫌いが分かれるところだろう。ジャッジは個人が決めればいいことだが、考えてみるとファットボーイは1990年にデビューしたときも「近未来のスタイル」と言われ、ディッシュホイールやショットガンマフラーは一歩先を行くものであったはず。となれば、いつの時代もファットボーイはチャレンジングなモデルでなければならない。今回のフルモデルチェンジも、このくらいはしなければと納得がいく。

そして最大の魅力は力強く逞しいフォルムに違いないのだが、新搭載のミルウォーキーエイトエンジンの力強さには目を見張るものがある。車体がツーリングファミリーより軽いため、そのパワフルさが際立ち、107ciのベーシックモーターでも充分だが、ファットボーイでは114ciも選べるところがポイント。その鼓動感、スロットルレスポンス、駆動輪が路面を掴む感触は思わず頬が緩む気持ち良さで、その鋭いダッシュが味わいたくて山岳路の途中に僅かばかりあるストレート区間では、できる限りにスロットルをワイドオープンする自分が滑稽にも思えた。

きっと、ファットボーイを好む人はコーナリング性能が向上したことは良しとして、直線番長であることの方が重要なはず。そういう意味では114ciの設定は然るべきであり、お財布の中身の都合さえ許せば欲しいのは114ciとなるだろう。

試乗ライダー プロフィール
青木 タカオ
雑誌 Virgin Harley 編集長を務める傍ら、多くのバイク専門誌、一般誌、WEBメディアに寄稿するモーターサイクルジャーナリスト。10代の頃からモトクロスレースでライディングの基礎を学び、現在では競技用オフロードモデルから、サーキットでのロードスポーツモデルの試乗インプレッションまで手広く担当する。また、バイクの仕組みを解説する著書もある。

関連する記事

注目のアイテムはコチラ