VIRGIN HARLEY | ミルウォーキーエイト114エンジンを搭載したハーレーの新型ヘリテイジクラシック 試乗インプレ

ミルウォーキーエイト114エンジンを搭載したハーレーの新型ヘリテイジクラシック

ミルウォーキーエイト114エンジンを搭載したハーレーの新型ヘリテイジクラシックの画像
HARLEY-DAVIDSON FLHCS(2018)

モデルチェンジを果たした
ベストセラーモデルの進化に迫る

デビューから30年を超えるベストセラーモデル、ヘリテイジソフテイルクラシックが新型エンジン & 新設計ソフテイルフレームとともに「ヘリテイジクラシック」として生まれ変わった。そのエンジンも107ci(排気量1,745cc)と114ci(排気量1,868cc)の2タイプが用意されるなど、新世紀のヘリテイジへと変貌と遂げたかに思える。しかしヘリテイジが醸し出すクラシカルな佇まいは健在で、その雰囲気は以前と変わりないようにさえ思える。今回は114ciモデルであるFLHCSを徹底的に解剖してみよう。

FLHCS ヘリテイジクラシックの特徴

黒い衣をまとった新しいヘリテイジ
その佇まいは以前と何ら変わらず

FLHCS ヘリテイジクラシックの画像

現在のヘリテイジのベースモデルである「FLSTCヘリテイジソフテイルクラシック」がデビューしたのは1986年、エンジンはツインカムのさらに前の世代となるエボリューションエンジンだった。当時は限定モデルという扱いで、翌1987年に登場したFLSTヘリテイジソフテイル(〜1990年)を挟んでレギュラーモデルとなった。2000年、ソフテイル用ツインカムエンジン「ツインカム88B」を搭載するようになってからも、その姿は変わることがなかった。

前後16インチ・スポークホイールに大きなタイヤ、リジッド型のソフテイルフレーム、油圧式テレスコピックフォーク、スポットライトを両脇に備えた大きなヘッドライト、クラシカルなウインドスクリーン、そして昔と変わらないスクエア型テールランプに大きなライダーシート & サドルバッグと、ヘリテイジのディテールは今回のニューソフテイルにもしっかり受け継がれている。

ホワイトリボンタイヤでなくなったところは、近年のダークカスタムモデルによる影響か。その観点で見ると、ツインカムモデルと比べてブラック仕様な部位は増えた。タイヤに加え、フロントフォークにウインドスクリーンの下半分、ヘッドライト部分、ロッカーカバー、ハンドルバーなどなど、クローム仕様だった以前のヘリテイジとはイメージが異なる。またヘッドライトがLED仕様になって表情が一変、一気に近代モデルとしての顔を持つようになった。

FLHCS ヘリテイジクラシックの画像

2018年のフルモデルチェンジに伴い、ソフテイルファミリーの一員であるヘリテイジも基本骨格の総取り替えとなった。これまでフレーム下部だったサスペンションをシート下へと移動したカーボンスチール製の新ソフテイルフレームが採用され、エンジンはツーリングファミリーなどに用いられている「ミルウォーキーエイト」を搭載する。そしてニューソフテイルの数モデルに採用されている107ci(排気量1,745cc)と114ci(排気量1,868cc)の2タイプがヘリテイジにも取り入れられ、「FLHC ヘリテイジクラシック」と「FLHCS ヘリテイジクラシック」の2モデルが並ぶことに。見た目が変わらないだけに、購入を検討する方にとっては悩ましいところだろう。

ダークテイストに一新されたことを除けば、新型エンジンと新型フレームに組み替えられたとは思えないほど以前の姿を踏襲しているヘリテイジ。だからこそ、ハイパワーエンジン&スポーツライドフレームとなったライドフィールはしっかりと知りたいところだろう。今回ハーレーダビッドソンジャパンからお借りしたヘリテイジは排気量1,868ccのハイパワーモデルでもあったので、そのパワーが過不足ないものかどうか、インプレッションを通じてチェックしてみた。

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FLHCS ヘリテイジクラシックの試乗インプレッション

ハイパワーエンジンに振り回されることなく
しなやかに受け止めるスポーツバイクに進化

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またがって車両を引き起こした瞬間の感想は「軽い」。2017年モデルと車重を見比べると、347kgに対して330kgと、何と17kgも軽くなっていた。スイカ一個が約5kgと言われており、つまりはスイカ3個分も軽量化されたのである。これはすごい!サドルバッグの意匠など少なからずの変更点はあるものの、基本的なスタイルが変わっていないことを考えると、新型ソフテイルフレームの恩恵に他ならない。慣れていない方には330kgという重量は決して軽くはないかもしれないが、ヘリテイジがこんなに引き起こしやすいというのは嬉しいところだ。

ソフテイルスリムと同じくシーソーペダル仕様でなくなった点には少なからずがっかり。フットボードが備わるツーリングバイクであることを考えると、ブーツを痛めないシーソーペダル化はある意味必須項目とも言える。オプション(有料)扱いではあるが、ヘリテイジを購入される方は最初のカスタムプランに必ず組み込んでいただきたい。

以前までフューエルタンクのメーターダッシュに備わっていたイグニッションスイッチはなくなり、スイッチボックス右側のセルスターターのみで始動させる。ソフテイルからツアラーモデルまですべてセキュリティフォブキーが必要なので、一見すると不安なセキュリティシステムも、このキーをしっかり保有しておけば心配はいらない。

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走り出してすぐに感じたのは、ハンドルポジションとウインドスクリーンの高さだ。まずハンドルだが、2017年以前のモデルと比べると低く、そしてプルバック化されていることに気づいた。以前よりもニュートラルで腕にゆとりができるポジションになっているのだ。これなら小柄なライダーでもハンドリングしやすいだろう。

そしてウインドスクリーンの改善だ。2017年モデルだと、ちょうどまたがった目線の先にウインドスクリーンの切れ目がきてしまい、上下の風景が分割されるような違和感があった。今回このウインドスクリーンが小型化したことで切れ目が低くなり、視界を遮られるということがなくなったのだ。実際に走っていると、しっかりとウインドプロテクション効果を発揮しつつ良好な視界を確保してくれている。またスクリーンの下半分が真っ黒になっていることで、路面による太陽光の照り返しを防いでくれている。特に暑い時期に効果を発揮してくれるもので、ライダー目線での正常進化だと評価したい。

スロットルを開けてスピードに乗せていく。さすがはミルウォーキーエイトエンジン、しかも114ci仕様だ。エンジンの底から湧き上がるようなパワーが軽やかにマシンをグイグイと押し上げてくる。ギアを上げるたびに一段、また一段とパワーアップしていくのが手に取るようにわかる。

FLHCS ヘリテイジクラシックの画像

街中だと、3速ギアで過不足なく流せる。いや、むしろ持て余すほどで、2~3速で流しつつブレーキングで調整するような走り方がバランスを取りやすい。車体が軽量なので、重々しいハンドリングにならずスポーティに走り抜けられるのが楽しい。何度もツインカム仕様に乗った者としては「これがヘリテイジ?」(良い意味で)と思うほどのスポーツライディングである。

そして本領を発揮するのは、やはりハイウェイに入ってから。そう、4速で時速100kmに達してしまうので、5~6速は法定速度が時速120kmに設定されている高速道路での使用にとどまるだろう。ハーレーにかける思いは人それぞれではあるが、「ゆったりとしたクルージングを楽しみたい」と考えている未来のオーナーには、107ci(排気量1,745cc)でも過不足ないと考える。確かに「大は小を兼ねる」が、「(パワーを)持て余すのでは」と言う思いが頭をよぎったら、107ciモデルでも全然問題ないとお伝えしたい。

FLHCS ヘリテイジクラシックの画像

そして、約150kmほど走ってみて、ふと気づいた。走り終えたときの疲れが軽いことに。人間、歳をとれば疲れも溜まりやすくなるもの(年配者には“釈迦に説法”かと恐縮する次第)だが、ツインカムモデルのときほど降車時の「疲れた」感が薄いように思えた。これは間違いなく車体の軽量化とエンジンフィーリングの向上によるもので、取り回しやハンドリングに以前ほど力を割く必要がなくなり、Vツインエンジンのトルクはそのままにスポーティな吹け上がりで走り出すミルウォーキーエイトがライダーへの負担を軽減しているのだ。コンパクトになったがウインドスクリーンのプロテクション機能は十分なもので、走行風での疲れも軽い。

理想的な進化を遂げた新世紀のヘリテイジ。ここから四半世紀先の未来にいる子孫にも誇れる一台だと断言したい。

FLHCS ヘリテイジクラシックの詳細写真

FLHCS ヘリテイジクラシックの画像
新型Vツインエンジン「ミルウォーキーエイト」。このヘリテイジには107ci(排気量1,745cc)仕様の「FLHC」と114ci(排気量1,868cc)仕様の「FLHCS」の2タイプが用意されており、今回お借りしたのは114ciのFLHCS。
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カスタムパーツリストにも並ぶLEDヘッドライトが標準装備に。同じくLED製スポットライトも兼ね備え、以前のヘリテイジと表情を一変させている。
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路面からの太陽光の照り返しを防ぐべく、下半分が真っ黒にコーティングされたデタッチャブル(脱着式)ウインドスクリーン。ツインカムモデルよりもコンパクトになり、ライディング時の違和感も払拭している。
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ツインカムモデルよりもニュートラルでプルバックなポジションに改善されたミニエイプバー。ダークカスタムの傾向からバーそのものもブラックに。
FLHCS ヘリテイジクラシックの画像
一方、さりげなくアイデンティティを見せつけてくるヘリテイジのポイント「HARLEY-DAVIDSON」刻印入りライザーも継承。これからの四半世紀も受け継がれていくに違いない。
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スイッチボックス左側にはオートクルーズコントロールスイッチが備わる仕様に。メーターの表示切り替えスイッチもこちらに収納された。
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以前と変わらぬ容量18.9リットルのビッグフューエルタンク。タンクロゴは一新されつつもクラシカルな雰囲気を漂わせる新世紀仕様に。FLHCSのカラーリングはこの「オリーブゴールド/ブラックテンペスト」のほか、「ビビッドブラック」「ツイステッドチェリー」「シルバーフォーチュン」「レッドアイアンデニム」「インダストリアルグレーデニム/ブラックデニム」「レジェンドブルー/ビビッドブラック」が揃う(107ciのFLHCはカラーリングが若干異なる)。
FLHCS ヘリテイジクラシックの画像
シルエットそのものは以前と変わらなくも、若干のデザイン変更が施されたライダー&パッセンジャーシート。座り心地の良さはこれまで通り。
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エンジンやフレームが一新されても、クラシカルなリアフェンダー&スクエアテールランプの組み合わせから成るリアエンドは変わらない。
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近代的なフォルム&デザインに変貌したサドルバッグ。キーロック仕様なので防犯性高し。
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外側に向かって開くケースで、ベルトドライブなど車体構造との兼ね合いで若干歪な内部だが、3泊分の荷物なら十分収納できる。
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伝統の16インチ(前後)スポークホイールは継承しつつ、リムはブラックに、そしてホワイトリボンタイヤもブラック一色に変更。ダークカスタムの流れを汲んだものか。
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フロントフェンダーに刻まれた「Heritage」のバッヂ+D41デザインも近年のハーレーダビッドソンに見られるものに。
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フットボードは健在ながら、シーソーペダルはオプション(有料)扱いとなり、一般的なバイクのギアぺダルと同じ構造に。ツーリングバイクとして活用することを考えているなら、最初のカスタムプランとしてシーソーペダル化を取り入れたい。
FLHCS ヘリテイジクラシックの画像
今回お借りしたヘリテイジのマフラーは、2018年3月のモーターサイクルショーでも発表されたスクリーミンイーグル製の純正エキゾースト(車検対応)。どおりで吹け上がりが良かったわけだ……(笑)。ストリートファミリー、トライクファミリー、スポーツスター883モデル以外のモデルに対応するマフラーで、ハーレーダビッドソン正規ディーラーでも取り扱っている。詳しくはこちらへ。

こんな方にオススメ

快適かつノスタルジックな旅を楽しみたい
旧ヘリテイジからの乗り換えにもオススメ

残念なのはシーソーペダルじゃなくなったことぐらいで、それ以外はすべて正常なバージョンアップを果たしており、「これぞ新世紀のハーレーダビッドソン」と胸を張っていい仕上がりとなるヘリテイジ。他メーカーバイクからの乗り換え(ステップアップ)にもオススメしたいし、以前のヘリテイジやソフテイルモデルから乗り換えても良い印象を抱くことだろう。

何より、マシンとして新型化しつつハーレーダビッドソンとしてのスタイルを踏襲しているところに、ヘリテイジらしさを感じる。ソフテイルの代表格としてぜひ試乗の機会を持ってもらいたいモデルだ。

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