VIRGIN HARLEY |  排気量1,923ccのミルウォーキーエイト117エンジンを搭載したメガツアラー CVOストリートグライド試乗インプレ

排気量1,923ccのミルウォーキーエイト117エンジンを搭載したメガツアラー CVOストリートグライド

CVO ストリートグライドの試乗インプレッション

街乗りだけでは終わらせられない
メガクルーザーとしてのキャラ強し

CVO ストリートグライドの画像

ツインクールド・ツインカムエンジン時代(2016年式)と車重を比較してみたところ、395kgに対して新型CVOストリートグライドは398kgと、3kgアップしていた。まぁ、この重量まであがってきたら、3kgなんて誤差の範疇である。バイクに乗り馴れているオーナーなら腰と腿を使ってクイッと起こせるので問題なし。未経験者は……練習あるのみ、だ。

相変わらず……というと皮肉が過ぎるかもしれないが、ゆったりと座れる大きなシートは、股で挟む股間部分がやはり幅広だ。この仕様だとガニ股姿勢になるので、走行中はともかく停車時に足が外に開いてしまう。こうなると、身長が低い人には「足つきが良い」とは言い難い。ストリートグライドなのでウルトラなどよりはローダウンされてはいるが、一方19 / 18インチというホイールサイズが車高を上げているのも事実。足つきが気になる人は、このあたりでの相談が必要になるだろう。

イグニッションをオンにするだけでスイッチが入り、そしてセルスタート。さすがは1,923ccエンジンだ、火を入れただけでとてつもない鼓動を体中にビンビン伝えてくる。

CVO ストリートグライドの画像

ギアを1速に入れて走り出すと、それまでの荒馬感たっぷりの鼓動とは裏腹に、滑らかな挙動でアスファルトを駆けていく。1速だけで時速40kmを軽く超え、ギアをあげるたびにパワーとスピードがどんどんアップしていく。渋滞なく流れる都心の道路だと、3速でもスピードが出過ぎるほどで、2速で加減速を繰り返しながら流す乗り方が求められる。

ちょっと混雑した道路になると、モアパワーと重量級のボディを安定させるのに四苦八苦する。青信号になって走り出した……と思ったら、数十メートルほどですぐ信号につかまる。車重が200kg前後のロードバイクならば、さほど気にすることではないが、その倍はある重量で2,000cc近い排気量のエンジンを積んだCVOストリートグライドだ、バランスを取るだけで精一杯というのが本音。ボディそのものも大柄なので、ロードバイクのようにスルスルと駆け抜けることもなかなかに難しい。

CVO ストリートグライドの画像

道幅も広く、長くまっすぐ続くアメリカの道とはわけが違う日本でストリートグライドを操りきるのは、決してカンタンではない。ただ、それを言ってしまうと実も蓋もない話になってしまう。あくまでアメリカのカスタムカルチャーから生まれたメガスポーツモデルなのだと理解したうえで楽しむことが大前提。”乗りやすさ”だけ言うなら、他にもっと乗りやすいバイクがあるのだから。

一方、ストッピングパワーは「さすがツアラー仕様」と唸らされるほど強力に仕上げられている。数年前から導入された前後連動型ブレーキングシステムにブレンボ製キャリパーが備わっており、しかもフロントブレーキはダブルディスク仕様だ。そして、今や標準装備が当たり前となったABS(アンチロック・ブレーキング・システム)も備わる。パニックブレーキをかけても車体のバランスを崩さぬようコンピュータ制御がかかるようになっているので、ちょっとした不注意が大惨事に……という事態を免れられるのは有り難いところか。

そのハイウェイライドで速度域をチェックしたところ、4速で時速100kmに軽く到達してしまった。そのうえのギアに入れたらどれほどの速度域になるかは推して知るべし、「6速ギアを使うときはあるのだろうか」などと考えてしまったほどだ。

CVO ストリートグライドの画像

ギアチェンジからのスピードアップは実に滑らかで、やや機械的な挙動が印象的だったツインカムエンジンとの違いをまざまざと見せつけてくる。スピードに乗れば、ライディングこそメガクルーザーだが、まるでロードスポーツのような味わいも兼ね備えていることに気づかされる。新東名のような最新の高速道路なら、オートクルーズコントロールで気持ちよく走り続けられるだろう、東京~大阪間さえ苦にならないはずだ。

大柄なボディの割に動きが滑らかだから、スピードを出しすぎずに飛び込めば、コーナリングも軽快にクリアーしてくれる。18インチホイールの恩恵か車高も保たれているので、無茶なバンクでなければステップボードを擦る心配もない。

CVOストリートグライドの詳細写真は次のページにて
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