VIRGIN HARLEY | 2018年式でソフテイルファミリーとなったローライダーをインプレッション 試乗インプレ

2018年式 FXLR ローライダーの画像
HARLEY-DAVIDSON FXLR LOWRIDER(2018)

2018年式でソフテイルファミリーとなったローライダーをインプレッション

メインフレームとエンジンを一新した2018年モデル
これはローライダーの長い歴史を見ても革新的な出来事!!

カリフォルニアのワインディングを2日間、300マイル(約480km)テストライドするジャーナリスト向け試乗会にて、フルモデルチェンジを果たした2018年式ローライダーに乗ってきた。

FXシリーズの顔とも言うべきこのモデルは、1977年の初代FXS ローライダーでは排気量1,200ccのショベルヘッドを積み、翌78年には1,340cc化。87年にFXRフレームに1,340ccのエボリューションエンジンを搭載するFXLR ローライダーでそのネーミングが復活すると、93年にはダイナフレームのFXDL ダイナ・ローライダーが誕生。99年にツインカム88(1,450cc)にエンジンを換装し、以来、段階的に排気量を1,584cc、1,690ccと上げつつ、外装も少しずつ変えてきた歴史がある。

そして2018年式で、メインフレームとエンジンを大刷新。これはローライダーの長い歴史のなかで、重要な出来事だといえる。

FXLR ローライダーの画像

FXLR ローライダーの特徴

ツインショックではないことに違和感……!?
走りを重視し、モノサスの最新ソフテイルフレームへ

2本サスではないローライダー、これは衝撃的だ。77年から40年以上続く系譜を辿ってみても、メインフレームの変更はあったものの、ツインショックという部分は変えてこなかった。それを新作ソフテイルフレームとすることでモノショック化し、リアサスペンションがシート下に隠れて見えないフォルムとしたのだ。

FXLR ローライダーの画像

賛否両論分かれるだろう。いや、ハーレーが好きな人の多くは新型に否定的な意見を言う気がするから「従来型の方がよかった」という意見が上回るのかもしれない。スタイルの良し悪しは個人の好みの話しだから、ここでは言及を避けるとして、進化という意味ではアリだと思う。

FXLR ローライダーの画像

というのも、「ビッグツインでもスポーティな走りを楽しみたい」という要望から生まれたファクトリーカスタムが「FX」であり、その狙いを現代で満たすなら、モノショック化した最新式のメインフレームがあるなら、それを用いるのが筋ではないだろうか。エンジンも当然、もっともハイスペックなものに換装し、ローライダーが目指すべきスポーティなライディングを実現させるべきである。

FXLR ローライダーの画像

そう考えると、少し残念なのがフロントブレーキが伝統的なダブルディスクではなくなってしまったことだろう。せっかく初代から続くアイコンたち、タンクオンのデュアルメーター、ヘッドライトバイザー、キャストホイール、ダブルシートなどを残すのだったら、ブレーキにもこだわって欲しかった。ただし実際に乗ってみると、フロントブレーキの制動力やタッチに不満は感じられないのだが……。

FXLR ローライダーの試乗インプレッション

剛性が上がり、軽くなったシャシーと
動きの良いリアショックがベストマッチ

FXLR ローライダーの画像

ならば肝心なのは走りだと思う。ツインショックの伝統的なフォルムを捨てるだけのことが、モノサス化した新設計ソフテイルフレームにあるのか否か。結論から言ってしまえば、ニューソフテイルのシャシーはかなりスポーティに走れる。剛性が上がっているのに大幅な軽量化も達成され、なによりもモノショックの動きが素晴らしくいい。

ツインショックを廃止したことでマスの集中化に大きく貢献するのは言うまでもないが、サスペンションの動きそのものを見てもストローク量に余裕があって路面追従性が高く、段差を乗り越えたときの衝撃もしっかり吸収してくれる。

リアからの情報量が多いから乗り手はトラクションを把握しやすく、コーナーで深くバンクさせた状態からでもアクセルをジワジワ開けていける。サスペンションに強い負荷がかかっても、ストロークの奥でしっかり踏ん張ってくれるから剛性の高いシャシーと上手くマッチしてかなり無理が効くのだ。

FXLR ローライダーの画像

フロントサスペンションもツーリングファミリーと同じSHOWA製デュアルベンディングバルブフォークにグレードアップされ、乗り心地を向上。ワインディングがメインのテストコースだったが、ハイウェイをハイスピードで走行する区間もあり、そこでも余裕を持ってクルージングできた。

ミルウォーキーエイトエンジンはカウンターバランサーをデュアル化することで微振動が消され、リジッドマウントであるにも関わらず快適。プルバックハンドルは見た目こそ豪快だが、実際にグリップを握ると脇が若干締まって、ライディングポジションは小柄な人でも操れるよう考慮されている印象だった。

FXLR ローライダーの画像

FXLR ローライダーの詳細写真

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ヘッドライトはソフテイルファミリー全モデルでLED化。ローライダーには伝統的とも言えるバイザーが小径ライトの上にセットされる。ライザーやトップブリッジ、トリプルツリーを含めフロントエンドはクロームで仕上げられた。
FXLR ローライダーの画像
フロント19インチのキャストホイール仕様は先代から受け継いだが、スポークにカッティング加工が施されたカスタムホイールにグレードアップ。タイヤ幅は10mm広がり、前輪サイズを110/90B19としている。ブレーキはシングルディスク仕様だ。
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燃料タンク上に2つのメーターを配置するのがローライダーの伝統。上が速度計で、下がエンジン回転計、いずれも電気信号から読み取るもののルックスはオーソドックスな指針式としている。スピードメーター内の液晶画面では、バーグラフ式の燃料計、オド/トリップ、時計、ギア段数などを表示。また、ソフテイル全車でキーレスイグニッションとしているのも見逃せない。写真は北米仕様のため、速度がマイル表示だ。
FXLR ローライダーの画像
フューエルタンクは容量を17.8リッターから18.9リッターに増やした。17年式までは初代FXS ローライダーをイメージしたグラフィックが描かれていたが、新型ではカラーリングも一新。ボリューム感を増し、イメージチェンジを図っている。
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リジッドマウントで搭載された空冷Vツインはミルウォーキーエイト107。ローライダーには114の設定はなく、ボア100mm×ストローク111.1mmの1,745ccのみ。クロームメッキで仕上げられ、高級感やゴージャスさを見る者に与えている。
FXLR ローライダーの画像
新作のエアクリーナーボックスは、各モデルで異なるフィニッシュとしている。ミルウォーキーエイト107は全機種ラウンド型だが、カバーを専用設計。ローライダーではエンジンに合わせて、美しいクロームが施された。114ciエンジン仕様車には、エレメントを剥き出しにしてより吸気効率の高いハイフロータイプがセットされる。
FXLR ローライダーの画像
シンプルなダブルシートはダブルテクスチャーで、タックロール調にした中央部はパンチング加工で快適な座り心地を実現。ダブルシートもまた、ローライダーでは初代から続く伝統的な装備だ。
FXLR ローライダーの画像
クローム仕上げのヒートガードが備わった2in2ショットガンマフラーは、上下2本のサイレンサーエンドが揃って真っ直ぐにカットされたフォルム。テールセクションは灯火類をLED化しているものの、ライセンスプレートを立てたオーソドックスな構成とした。
FXLR ローライダーの画像
新型ソフテイルフレームではネック部左にUSB端子が設置された。ハンドルマウントするスマートフォンなどのチャージに活用できそうだ。
FXLR ローライダーの画像
強度をフレーム単体で65%向上し、シャシー全体で34%の剛性を高めた新設計ソフテイルフレーム。構造が簡略化され、パーツ点数を50点、溶接箇所を22%減少させた。ミルウォーキーエイトのビッグトルクに負けない次世代メインフレームだ。

こんな方にオススメ

ビッグツインでスポーティに走りたい
FXの根幹にあるコンセプトに賛同できる人へ

「ツインショックのローライダーがいい」と言うのなら、まだ間に合うだろう。17年式の新車が手に入るはずだ。新型は走りを重視する人にオススメしたい。やはり排気量を1,745ccまで上げ、4バルブ&デュアルスパーク化したエンジンは1,690ccのツインカム103より強力だし、専用のビッグオイルクーラーをメインフレームの2本のダウンチューブ間に備えたミルウォーキーエイト107は熱対策という観点から見ても安心のできるパワーユニット。1カムとロングストローク設計、フライホイールのウェイトバランスなどでエンジン回転数を下げ、ノンビリ流しているときのドコドコ感も心地いい。

そしてローライダーは女性にも人気で、足着き性やライディングポジションも気になるところだろう。車体のボリューム感が増して大きくなったように感じるかもしれないが、実際には車体重量が11kgも減り、シート高は690mmと10mmほど下がった。ステップは両膝を自然に曲げればペグが待つミッドコントロールで、グリップも先述したとおりナローな位置にある。

ラインナップを代表するビッグネームだけに、ビギナーからベテランまで乗り手を選ばないモデルとなっているのは、以前と変わらない。

試乗ライダー プロフィール
青木 タカオ
雑誌 Virgin Harley 編集長を務める傍ら、多くのバイク専門誌、一般誌、WEBメディアに寄稿するモーターサイクルジャーナリスト。10代の頃からモトクロスレースでライディングの基礎を学び、現在では競技用オフロードモデルから、サーキットでのロードスポーツモデルの試乗インプレッションまで手広く担当する。また、バイクの仕組みを解説する著書もある。

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