VIRGIN HARLEY | スポーツスター史上最強の足周りを備えたカフェレーサースタイルのXL1200CX ロードスター 試乗インプレ

スポーツスター史上最強の足周りを備えたカフェレーサースタイルのXL1200CX ロードスター

スポーツスター史上最強の足周りを備えたカフェレーサースタイルのXL1200CX ロードスターの画像
HARLEY-DAVIDSON XL1200CX(2018)

乗ればわかるその特異性を
余すところなく暴いていく

スポーツスターで唯一ロードスポーツバイクとしてのキャラクターが与えられたマシン、ロードスター。ローダウンモデルで溢れるラインナップに投入された”原点回帰”とも言えるこのモデルは、欧米で人気を博しているカフェレーサーブームのマーケットに送り込まれた刺客でもあるわけだが、そこはさすがにハーレーダビッドソン、優等生モデルとはかけ離れた一台に仕上げてきている。乗ればわかるロードスターの知られざる魅力を紐解いていこう。

XL1200CX ロードスターの特徴

王道とは異なるハーレー流カフェスタイル
伝統をインスパイアした”攻めるモデル”

XL1200CX ロードスターの画像

2年前の2016年5月、何の前触れもなく鮮烈デビューを果たしたXL1200CXロードスター。かつてスポーツスターファミリーにはXL1200SやスタンダードなXL883、XL883Rなど車高が高く走行性能を最大限に生かすスポーツライド向けのモデルがラインナップされていたが、それも昔の話。2015年に”最後のスポーツモデル”と言われたXL883Rがカタログ落ちしてから、スポーツスターファミリーのモデルはいずれも最低地上高が低いローダウンモデルで占められるようになった。

XL1200CX ロードスターの画像

「ハーレーダビッドソンはスポーツスターでスポーツライドを楽しませる気がないのか」。そんな声がチラホラと聞こえ出した矢先のロードスター デビューだっただけに、スポーツスターフリークは大いに色めき立った。それも、XL883R以上に”攻めたモデル”としてドロップされたのだから、ハーレーのみならず他メーカーバイクに乗るライダーも注目するモデルとなった。

欧米で話題を集める「カフェレーサー」ブームに乗り込むモデルとして開発されたロードスター、ダブルディスクブレーキングシステムにミッドコントロールステップといった かつてのXL883Rに見られた仕様を踏襲しつつ、フロント19/リア18インチというサイズを実現したオリジナルホイールにシングルカートリッジ式倒立フロントフォークと、これまでにないフットワークを特別に付与されていたのだ。さらに、カフェスタイルを彷彿させる垂れ下がったコンチ型のバーハンドルにガンファイターシート、ショートカットされたリアフェンダーなど、フォーティーエイトやアイアン883といった既存モデルとは大きくかけ離れたキャラクターモデルとなっている。

XL1200CX ロードスターの画像

ビキニカウルこそ備わっていないが、全体的にブラックアウトしたボディやマシンコンセプトなどから、思い出されるのは1977年に登場したハーレー初のカフェレーサーモデル XLCR だ。無駄のないボディラインに同径ホイールサイズ、そして高められたスポーツ走行性能と、XLCRをインスパイアしたモデルであることに疑いの余地はない。スポーツスターの冠である「XL」の血脈であることも、説得力を高める。専用のセパレートハンドルにバックステップキットが開発されているのも、ロードスターの個性を強めんとする狙いだろう。

「ここはあくまでスタートラインだよ」と、乗り手を刺激してくるようなロードスター。”スポーツバイクとして”という明確なテーマ性を有しているからか、見れば見るほど「ハンドルはこんな感じにしたい」「ステップを思い切ってバック仕様に」「マフラーはメガホン型が似合いそうだ」といったイメージがどんどん湧いてくる。ブレない世界観という点も、ロードスターの魅力と言えよう。

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ハーレーダビッドソンのなかで唯一といっていいスポーツバイクに仕上げられたロードスター、それでは実際に試乗した感想を、忌憚なき感想でまとめていこう。

XL1200CX ロードスターの試乗インプレッション

そこかしこに秘められた”寸止めの美学”に
ハーレーダビッドソンの伝統が垣間見える

XL1200CX ロードスターの画像

最低地上高150mm、シート高785mmという数値は全ラインナップ中でも上位に位置する高さだ。当然またがった際の足つきは、小柄な人にとっては決して良いとは言い難い。身長174cmの筆者ならベタ足だった。しかし”足つきが良いか悪いか”よりも、そのポジションにロードスターのキャラクターが隠れている。

それは「尻上がりなポジション」であること。ほとんどのスポーツスターが16インチというリアホイールを備えているなか、このロードスターはクラシックスポーツスタイルの再現から特別に18インチホイールを装着している。ホイール径が大きければ当然リアが高くなり、結果ライディングポジションはどっしりと座り込むクルーザーモデルのそれとは真逆の前傾姿勢となるのだ。1970年代スポーツスターのオマージュとしつつレーシーなポジションとなっているのは、開発陣の意図するところだろう。

その前屈姿勢をさらに強めるのが、両サイドが垂れ下がったコンチ型のバーハンドルだ。カフェレーサーのマナーであるセパレートハンドルではないが、その角度によって両腕はグッと下に向く仕様となり、よりレーサースタイルのポジションとなる。ハーレーダビッドソンにクルーザーテイストを求める人にとっては違和感でしかないだろうが、ハーレー流スポーツバイクの在り方だと大らかな心で受け止めることが求められるモデルである。

XL1200CX ロードスターの画像

アイアン883などと同じく、ちょうど両足を降ろしたところに来るミッドコントロールステップだが、このロードスターのそれはアイアン883以上に外に出っ張った仕様となっている。これは「出っ張らせることでバンクセンサーと路面を早めに設置させたい(ハーレーダビッドソンモーターカンパニー開発陣談)」とのこと。「そこまで無理して倒し込まなくても、きちんとバイクを操ってあげて」というメッセージでもあるわけだ。

小気味良いエンジンフィーリングとともに走り出したロードスターは、ほどよいスロットルワークで都心を駆け抜けていく。1,202ccというリッターオーバーの排気量エンジンなだけに、高回転域で回してやるのがベストなモデルだと考えると、ストップ&ゴーが多い都心部でその本領を発揮させてやるのはなかなかに難しい。かといって、ただ高速道路をまっすぐ走らせるだけではそのフットワークが活かされない。

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やはりロードスターの主戦場は、ハイウェイやワインディングロードとなろう。やはりロードスターはフルフェイスで攻めてこそのマシンだ。コーナーに飛び込む際はしっかりとコースを見極め、その流れに適したスピードで飛び込みつつステップワークでバイクをバンクさせ、立ち上がりと同時にスロットルを開けてスピーディにクリアしていく。ばっちり決まれば言い表せない快感が得られる、ハーレーらしからぬバイクと言えよう。

そんな楽しさを持つマシンでありながら、何とも寸止めされているような気分になる仕上がりでもある。ミッドコントロールステップをはじめ、19/18というホイールサイズながら鉄製なのでやや重ったるく感じたり、「リアタイヤも150mmではなく130mmまで細くしていたら旋回性が上がったのに」「エボリューションエンジンのセッティング(チューニング)がもう少し細やかな設定になっていれば」という感想が頭をもたげる。

XL1200CX ロードスターの画像

それらすべてを含めて、やりすぎない、攻めすぎないよう組み上げられているのか?と思わされたりした。もちろん好意的に受け止めての感想で、実際にロードスターのオーナーとなったら「もっと攻めた走りができるバイクにしたい!」と、さまざまなカスタムプランに挑戦することだろう。そう、カスタムという楽しみ方を前面に押し出してくるハーレーダビッドソンらしいモデルだとも言えるわけだ。

めいっぱいカスタムしたとて、他メーカーのスポーツバイクには一歩届かないところが限度とも言えるロードスター。その一線を超えたいのならそのまま乗り換えてしまえばいい。しかしこの一歩手前、”寸止めの美学”こそハーレーダビッドソンたる証と言えるものなのだ。

XL1200CX ロードスターの詳細写真

XL1200CX ロードスターの画像
排気量1,202cc、空冷4ストロークV型2気筒OHV2バルブエンジン『エボリューション』。ブラックとグレーからなるツートーンのカラーリングが特徴的だ。
XL1200CX ロードスターの画像
フォーティーエイトと同じボトムマウントタイプのハロゲン型ラウンドヘッドライト。
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43mm径のシングルカートリッジ式倒立フロントフォークを専用トリプルツリーによる組み合わせで備える。他のスポーツスターモデルと違う”攻める”姿勢と性能を有する部位だ。
XL1200CX ロードスターの画像
両サイドがやや垂れ下がった形状のコンチ型バーハンドルはロードスター専用設計パーツ。ある程度高さを持たせつつも、カフェレーサーのセパレートハンドル風ポジションをイメージしたスタイルとなっている。
XL1200CX ロードスターの画像
デジタルスピード計内蔵型のラウンドメーターを、フォーティーエイトと共通のライザー一体型ステーでマウント。「MILWAUKEE,USA」の刻印がハーレーダビッドソンというブランドを象徴してくるも、レーサースタイルであるならライダー向けに起こされたマウントであって欲しいところ。
XL1200CX ロードスターの画像
容量12.5リットルのスポーツスタータンクを継承しているところにも伝統を感じる。スラッシュ型フォントと2本のラインでスピード感を主張する。カラーリングはこのコロナイエローパールのほか、ビビッドブラック、スマトラブラウン、エレクトリックブルー/シルバーフォーチュン、インダストリアルグレーデニム/ブラックデニムの計5色が用意されている。
XL1200CX ロードスターの画像
ライダーの体をしっかりとホールドしてくれるガンファイター型ダブルシート。パッセンジャーのためのタンデムベルト付き。
XL1200CX ロードスターの画像
スポーツスターモデルでもっともショート化されたチョップドリアフェンダー。テールランプ一体型ウインカーがさらにリアエンドの無駄を省き、マシンにソリッドな印象をもたらす。
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専用設計のフロントホイールにはダブルディスクブレーキングシステムが備わり、安心のストッピングパワーを付与する。そして、実はフロントフェンダーはハーレーでは珍しいFRP製となっている。
XL1200CX ロードスターの画像
外に大きく張り出たミッドコントロールステップ。「必要以上にバンクさせずに乗って欲しいという我々の意思の表れ」とは、米ハーレーダビッドソン・モーターカンパニーのロードスター開発陣の弁。
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ショットガンスタイルのエキゾーストには専用のブラックカバーが備わり、ダークカスタムテイストを演出する。
XL1200CX ロードスターの画像
リアを支えるのは336mm仕様のプレミアムライドエマルジョンサスペンション。こちらもブラックアウト仕様となっている。
XL1200CX ロードスターの画像
ロードスターというキャラクターのキモとも言える18インチリアホイール。古き良き1970年代のXLモデルを彷彿させるホイールサイズの採用に、オールドファンも色めき立った。

こんな方にオススメ

あえてハーレーでのスポーツを極めたい
マニアック路線を突き詰めたい人向け

教習所で習った基本的な操作をきちんと入力してやれば、オーソドックスなスポーツバイク同様にライディングプレジャーを味わわせてくれるロードスター。そう、良くも悪くもオーソドックスに仕上げられており、つまりは”ハーレー流スポーツバイク最初の一歩”というマシンと言える。ここに個性を持たせるのはオーナー自身で、その味付け如何で一層ソリッドなバイクへと育てられていく……という愉しみが秘められているわけだ。他メーカーのそれとはひと味もふた味も違うロードスポーツを、それも自分色に染まったロードスポーツを……そんな路線に好奇心を抑えられない人にこそふさわしい一台だ。

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