VIRGIN HARLEY |  Tribal(アマチュア革細工師)インタビュー

Tribal(アマチュア革細工師)

  • 掲載日/ 2004年12月18日【インタビュー】

ハーレーインタビューの画像

1枚の革から自分のイメージを形にしていく
出来上がった作品を見るとね。疲れなんて感じませんよ

今回ご紹介するのは兵庫県尼崎市在住でスプリンガーソフテイルを愛するTribalさんだ。お会いしてみて驚いたのはTribalさんの趣味に対する真摯な姿勢だった。好きなことには本気になって情熱をささげる、簡単そうだがなかなかできることではない。情熱を注ぎ続けた結果、趣味ではじめたレザークラフトはもう趣味の域を越えてしまっている。「ハーレーに出会ったことで、自分の世界が広がりました」そう語るTribalさんの世界を、是非皆さんに垣間見て欲しい。

Interview

通勤で、1台のハーレーを見かけて
「ハーレーかぁ。かっこいいじゃない」

ーTribalさんがハーレーに乗り始めた、きっかけを教えていただけますか?

Tribal●もともとはアメリカンバイクは好きじゃなかったんですよ。バイクは、速く走ることしか考えていませんでした。でも、毎朝通る道で、いつもハーレーを見かけて。毎日眺めているうちに、「ハーレーもいいかも」と気になりはじめてたんです。それからですね、憧れを持ちはじめたのは。実際ハーレーを買うまではちょっと時間がかかってしまいましたけれど、やっと、やっと手に入れたハーレーが今の「スプリンガーソフテイル」です。

ー夢の1台を手に入れたわけですね。ハーレーのために自宅の1階を、強引にハーレー用ガレージにしてしまっていますが(笑)。

Tribal●それまではカバーをかけて路上駐車だったので、盗難が怖かったんです。しかも僕のハーレーは「スプリンガーソフテイル」なので、路上駐車だと「スプリンガーフォーク」が錆びるのも怖かったんですよ。だから、一軒家を建てるときには居間にガレージを造ることだけは譲れませんでした(笑)。おかげで屋内保管ができるようになりましたし、居間でくつろいでいるときにも自分のハーレーが目に入ってくる、それが一番嬉しいです。気持ちがいい景色ですよ。でも、家にいると自分のハーレーを見てしまうので、つい「あそこをカスタムしたい」って考えてしまいますけれど(笑)。

ー手に届く場所に自分の愛車がある、幸せなことですね。正直羨ましいですよ。

Tribal●雨に降られることもありませんし。明るい室内に置いているので、夜中でもハーレーを触ることもできますから。時間を忘れてつい徹夜で作業をしてしまうこともありますよ。

ーTribalさんは「スプリンガーソフテイル」を塗り替えるときに、デザインやロゴを自分で造ってみたり、多少のパーツの取り外しであれば、それも自分でやってみたりしていますが、「自分でやる」ということにこだわりを持っているのでしょうか?

Tribal●いえ、単にお金がピンチなだけです…。「鬼の84回ローン」でハーレーを買って、自分の家まで建ててしまって。毎月のお小遣いはほとんどないんです。でも、カスタムはやりたい(笑)。そうなったら「自分の手を動かす」しかないですよね。できるだけ自分でやって、塗装やどうしようもない部分だけはプロにお任せする、そういう工夫をしないと、家族の目もあるので僕にはカスタムなんてできないんですよ。

ー家族の目ほど怖いものはないですからね(笑)。ただTribalさんは、カスタムをご自分でやられるだけではなく、レザークラフトをやられています。作品を見ると「もう趣味のレベルではない」と思います。もともと「造る」ということがお好きなのでは?

Tribal●普段の仕事がデザイン関係、というのもあって「造る」、「デザインする」というのは身近なことなんです。だから抵抗なく「自分でやってみよう」 というように思えるのでしょうね。バイクをいじることも、ハーレーに乗る前から自分でやっていましたし、「自分の手を動かして作業をする」のが性に合っているんでしょう。

ハーレーが僕の趣味の軸なんですよ
僕の楽しみはすべてそこから派生しているんです

ーレザークラフトはハーレーに乗る前からやっていたのですか?

Tribal●自分で造り始めたのは、ハーレーに乗り始めてからですね。昔から革製品やインディアンジュエリーが好きで、行き着けのお店に遊びに行っては気に入ったものを買って、集めていたんです。でも、ハーレーを買ってしばらくしてからね、ふと思ったんですよ。「自分で造りたいなぁ」。

「自分で革を選んで、切って、縫ってみたい」、と思ったんです。お店に並んでいる革製品には、自分が欲しいものに限りなく近いモノはあっても「100%自分の感性にあったモノ」はないんですよね、当然ですが。100%自分のイメージ通りのモノが欲しいのなら「自分でやる」しかないだろう、と思ったのがきっかけです。もちろん、そんなに簡単にイメージ通りのモノが造れるわけもなく、その考えは甘かったですけれど。

ー自分でやってみて「これは難しいな」思った、と。

Tribal●思い知らされました(笑)。でも、知識もなく、いきなり自分でやりはじめたわけではないですよ。やるからには本格的に勉強してみたくて、僕の行き付けのお店で知り合った、TONYさんという方に教えてもらうことにしました。本当のプロが造る作品を見せてもらって「これはとんでもない世界に足を踏み入れちゃったな」と思いましたね。それまではお店で完成した作品だけを見ていましたが、できあがるまでの工程を見てしまうと「1つの作品にこんな手がかかっているのか」と驚きました。

ーそんなにたくさんの工程があるのですか?

Tribal●1枚の革からカバンや財布を造る、口で言うのは簡単ですが難しいですよ。何を造るのかによって、まず革の種類を選ぶことから始まります。それから「革の裁断、面取り、縫製・・・」と手間と時間をかけて完成するんですよ。さらに刺繍やカービングも施すとなると、1つの作品を造り上げるのに膨大な手間と時間がかかります。販売されているものが高いわけです。僕はまだ、基本も身についていませんから、1つの作品を造りあげるのには特に苦労してしますよ。

ー素人の私が見ると、Tribalさんのレザークラフトでも充分にお金をお支払いする価値はあるように見えるのですが…。知り合いの人から「財布を造って欲しい」など頼まれたりはしないのですか?

Tribal●オーダーを受けて造ることはありますね。今も友人に頼まれている注文が貯まっていて、友人とはいえ「お客様」ですから、早く造らないといけないんですが…なかなか進まなくて。

ー本業のお仕事が終わってから、レザークラフトの作業をやっているわけですので大変でしょうね。

Tribal●そうですね。仕事後、しかも子供が寝てからしかできませんし、勉強しながら造っていますからね。それほど数は造ることができないんですよ。造れば造るほど、僕の寝る時間は減っていきますから(笑)。でも、お願いされると引き受けてしまう。最近は友人からサドルバックの注文も受けてしまって…かなり手がかかるので、これはちょっと大変なんですけれど(笑)。

ーそこまで自分の時間を費やして、レザークラフトをやっていると、Tribalさんがハーレーに乗る時間はどんどんなくなってしまいますね。

Tribal●ハーレーに乗る時間はちゃんと確保していますよ。あくまでハーレーが僕の趣味の軸ですから。ハーレーに乗れなくなってしまうと、趣味でやっているレザークラフトもやる意味がなくなってしまいます。「自分がハーレーに乗るときに身に付けたいモノ」を造りたい、そう思って始めたわけですからね。最近は友人からの注文の作業ばかり、で自分のためのレザークラフトの時間がなくなっていますが、本来は自分がハーレーに乗るときのための作品も、少しずつですが手がけていますよ。

ーハーレーから始まって、趣味がどんどん広がっているわけですね。ではもし、今Tribalさんからハーレーを取り上げたとしたら(笑)、どうなってしまいますか?

Tribal●ハーレーがなくなったら…やることが何もなくなってしまいますね。休みの日は家でゴロゴロと。「ダメなパパ」になってしまうでしょう(笑)。

プロフィール
Tribal
29歳。00年式 FXSTSを所有。愛車のメンテ、カスタムにはじまり、革用品までも自分で制作する、まさに「造り手」。これで寡黙な人であれば、まさに「職人」の風格があるのだが、根っからの関西人で「職人」よりは「噺家」。だが、そこが彼のいいところでもある。

Interviewer Column

Tribalさんは本当に話し好きな人だ。今まで20人近くの人にインタビューをしてきたが、インタビューが終わるまでに、いつもの2倍くらいの時間がかかってしまった。どんなテーマの話を振ったとしても延々と話すことができる(であろう)Tribalさん(笑)。そんなTribalさんに自分の好きなテーマの話を聞いてしまったから、もう大変だった。もし皆さんがTribalさんにお会いする機会があれば、長期戦になる覚悟を決めてTribalさんと戦って欲しい(笑)。(ターミー)

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