VIRGIN HARLEY | 笠井 優子(XRレディ) インタビュー

笠井 優子(XRレディ)

  • 掲載日/2007年09月13日【インタビュー】

ハーレーインタビューの画像

決して乗りやすいバイクじゃない
そういうトコロも魅力的なんです

優さんと知り合ったのは2年ほど前。たまたま訪れた優さんのブログに書き込んだのがきっかけだった。日本では数少ないXR1000に乗る女性というのにまず驚かされたが、話を聞いていくと驚かされることは他にもたくさん。「佐渡にはハーレーショップがない」、「修理のときはフェリーで新潟までハーレーを送る」などなど。大変な環境でハーレーを楽しんでいるんだなと思いきや、本人は「ハーレー以外でもそういう環境ですから」とケロっとしている。多少の不便はありながらも、それを不便と思わない。生まれ育った佐渡島を愛し、その島で送るハーレーライフを満喫する優さんの話を聞いていると、周りの仲間と一緒に佐渡島を走ってみたいと思うようになった。私も佐渡を楽しんだ上で、優さんのハーレーライフの話しを聞かせてもらいたい。今回のインタビューはいつもとは少し違うきっかけでの取材だったため、非常に興味深いものになった。優さんが住む佐渡のハーレーライフ、その楽しさが伝われば嬉しい。

Interview

佐渡では大型免許が取れない
XRに乗るにも一苦労でした

ー優さんはバイクに乗り始めたのは?

笠井●主人と結婚してすぐの頃、25歳からだったと思います。YAMAHA「ドラッグスター400」が初めてのバイクでした。結婚直前に主人がハーレーを買い、後ろに乗せてもらっていて欲しくなったのかもしれません。後ろに乗るだけじゃなく、私も免許を取ったら2台でツーリングを楽しめますから、「私も」と思ったんでしょう。それと、なぜか小さい頃からバイクに乗る夢をずっと見ていたんですよ(笑)。バイクは気になっていた乗り物だったんでしょうね。

ードラッグスターに4年ほど乗り、いきなりXR1000(以下、XR)に乗り換えですよね? なぜXRのようなマニアックなモデルを選んだのでしょう?

笠井●ドラッグスターは400ccと言っても私には大きくて、乗るのがちょっと辛いサイズでした。それで私にも乗れるサイズで、カジュアルに楽しめそうなスポーツスターが気になりはじめました。最初は883がいいなと思っていたんですけど、「どんなカスタムをしようかな」と雑誌をめくっていてXRに出会ってしまったんです。小ぶりのタンクに883と違うスタイルがカッコよくて。どうせ買うならXRがいい、と大型二輪免許が取れる前にXR1000を探して手に入れちゃいました。

ー旧車というほどのモデルではないですが、不安はありませんでしたか?

笠井●インターネットで知り合ったXR乗りの方に相談しましたが「何とかなるもんだよ。どんなバイクだって停まるときは停まるし、壊れるときは壊れる」とアドバイスをもらって。私、車は旧い「ミニ」に乗っているんですけれど、そのときも手に入れるときに同じことを言われていたんです。でも、なんだかんだで7年間も無事に乗れています。だからXRも大丈夫かな、と(笑)。

ー佐渡にはハーレーショップはないんですよね? そこに不安は?

笠井●ミニも専門ショップはありませんが、腕が確かな町工場で助けてもらって大丈夫でしたからね。主人も佐渡でハーレーに乗っていますし、他にもハーレー乗りの友人もいます。「停まったときは、停まったときに考えよう」とあまり心配はしてなかったですね。細かなところは気にしすぎても仕方がないですから(笑)。

ー免許が取れるまでも大変だったとか。

笠井●これは苦労しました…。佐渡では中型二輪免許までしか取れないんです。大型二輪免許が欲しいのなら、フェリーで新潟まで渡って教習所に通うしかない…。2ヶ月間、休みを全部潰してフェリーで教習所まで通いましたよ。佐渡では高校生は普段の足に原付に乗る人が多く、バイクは馴染み深い乗り物なんですが、状況的に大型バイクに乗っている人は少ないんです。島を出ているときに免許を取るか、フェリーで新潟の教習所に通うか、そのどちらかしかありません。

ーそんなに大変だとは…。中途半端な情熱ではXRに乗れなかったんですね。

笠井●だからこそXRに乗り始めたら周りも驚くだろう、と。主人以外には内緒で教習所に通っていました。両親にはいまだに大型に乗り換えたのは内緒ですけど…心配しそうですからね(笑)。

ー免許が取れ、思い焦がれたやっとXRに乗れた感想は、いかがでした?

笠井●楽しいバイクですけれど、足が熱いのは予想外でした。マフラーの取り回しが独特なので、ふくらはぎや内腿をヤケドしそうになります。暑い日はサポーターをして熱気が肌にこないように気をつけていますけれど、とにかくマフラーが熱いんです(笑)。あとはクラッチの重さ、かな。クラッチを軽くするパーツもあるんですけれど「軽くしたら負け」な気がするので、我慢しています。こんな風に言うとXRが嫌いみたいに聞こえるかもしれませんが、そんなトコロも含めてXRを気に入っているんですよ。私は手がかかるじゃじゃ馬なモノに愛情を感じてしまうタイプなので。ミニもそうですし、趣味でやっているカメラも手がかかるモノなんです。Mっ気があるのかも。

ハーレーなのか、そうじゃないのか
そんな括りを気にする人はいません

ーツーリングで佐渡の外に出ることはありますか?

笠井●私の場合、バイクが一番気持ちいい季節が、仕事で忙しい季節なので、まとまった休みがなかなか取れません。それでも主人と休みが合えば年に1度くらいはフェリーで新潟まで走りにいくことはあります。でも体に鞭を打ってまで遠くに行きたい、とは思わないですね。自分のペースで、乗りたいときにカジュアルに楽しみたいんです。それに、佐渡の中でもまだ走ったことがないところがたくさんありますから。佐渡は外周が200kmくらい。1周するだけなら1日あればできるんですが、山を抜ける道などに知らない道や景色がたくさんあって、まだまだ飽きませんね。

ー佐渡は北と南でも随分と印象が違いますね。

笠井●北側は日本海の荒波にさらされるせいなのか、海も景色も荒っぽいんです。打ち寄せる波で島が削られて、海沿いに迫力の岩山がたくさんあるのは北側ですね。逆に南側は海も景色も穏やか。それぞれに表情が違うので、気分によって北に向かうか、南に向かうか、ツーリングルートも変わってきます。

ー冬の寒さはきついと思いますが、年中バイクには乗れるのでしょうか。

笠井●雪はそれほど降らないんです。ただ、12月~2月は海がかなり時化るので、潮風がバイクを錆びさせてしまいます。冬でも走れなくはないですけれど、乗る人は少ないでしょうね。走らなくても外に置いておくだけで潮風を受けるので、佐渡では屋根のある駐車場を持っているのが普通。屋内に駐車していても錆が出てしまうことがあるんですよ。

ー沖縄のハーレー乗りの方もそんなことを言っていました。車もバイクも、海に近いところで乗るのは大変なんですね。

笠井●小さい頃からそういうものだ、と思っているので私たちにとっては普通のことなんですけれどね。外にポンと置いていて錆びない環境が信じられません(笑)。

ートラブルが起こったときもショップがないので大変だと思いますが、修理やカスタムのときはどうしているのでしょうか。

笠井●フェリーで新潟市内のショップに送っちゃうんです。“荷物”扱いで送ればそれほどお金はかかりませんし、ショップがフェリー乗り場まで取りに来てくれますから。XRに乗り始めた頃、調子を崩して困ったことがあるんですが、その時にお世話になったショップがあるので安心なんです。ただ、突然のトラブルが怖いので、年に1度はトラブルがなくても主人のハーレーと一緒に点検整備に出すようにしています。おかげで最近はバッテリーが弱ってきた、くらいしか不安なところはありません。

ー周りのハーレー乗りも同じようにしているんですか? 自分でやる人は?

笠井●簡単なことなら自分でやってしまう人もいますが、下手に触って動かなくなってしまうと後が大変ですから。それに佐渡ではハーレーに合うインチ規格のネジが手に入らないらしいんです。かなり詳しい友人もいますが、「自分でできるところも、限界があるんだよね」と言っていました。そんな事情があってこちらでは新潟にハーレーを送ってしまうのは一般的ですね。

ー渡全体でハーレー乗りって何人くらいいるのでしょう。

笠井●正確には知りませんが、人口6万人くらいの佐渡島で4,50人くらいだと思います。少ないですが、もちろん全員が知り合いというわけではありません。けれど、誰かを辿って行けばかなりの人数が繋がるかも。主人の友人に一人詳しい人がいて「こんなカスタムをしたいんだけど、いいショップ知らない?」だとか、いろんな人から相談を受けているみたいです。佐渡にショップがない分、ショップを紹介してもらうみたいに、情報交換はよくやっているようですよ。私はあんまり知りませんけど(笑)。

ー数少ないハーレー乗り同士で一緒に走る機会は多いのですか? 今日一緒に走らせてもらった人たちは、XRもいればツインカム、スポーツスター、ショベル、フルカスタムのチョッパーなど、いろんなジャンルの人がいて驚きました。

笠井●みんな、あまりジャンル分けにこだわってないんだと思います。一緒に走る人がハーレーかどうかも気になりませんから。佐渡でバイクとすれ違うときは、どんなバイクでも当たり前に挨拶をしますし、一緒に走るバイクはメーカーも排気量もバラバラ。バイク乗り自体が少ないトコロですから、そんなところを気にしていたらキリがないですよ(笑)。同じバイクが好きな者同士、それぞれ好きなバイクは違いますけれど、仲良く楽しんでいます。メーカーやモデルの違いを気にする人がいる方が私には驚きかも。佐渡は大らかな性格の人が多い島ですし、バイク乗りが多いところではないから、そんなバイクライフが当たり前なのかもしれませんけれど。

プロフィール
笠井 優子
佐渡島在住、1983年式XR1000を所有する。生まれも育ちも佐渡島で、佐渡をこよなく愛する女性ライダー。佐渡の魅力を多くの人へ伝えたい、その想いから観光業に携わり、趣味の写真で佐渡の風景を撮影する日々。写真の腕前はかなりのモノ。

Interviewer Column

インタビュー当日は8月半ば。全国で記録的な猛暑となったお盆の最中だった。佐渡に向けて北へ北へと進んできたので涼しいかと思いきや、真夏は非常に暑い島らしい。そんな酷暑の中、優さんを含め、佐渡のハーレー乗りの方に集まってもらい、丸一日一緒に走ってのインタビュー。これまでにないやり方だったので、非常に楽しかった。優さんがどんな走り方をする人なのか、取材ではないときにどんな話をする人なのか、周りにはどんな仲間がいるのか。それを踏まえた上での取材だったので、優さんだけではなく、佐渡に住むハーレー乗りの気質まで少しは理解できた一日だった。陽気に気楽に自然体でハーレーを楽しむ佐渡のハーレー乗り。佐渡島自体がバイクで走るに素晴らしい島だったが、現地のハーレー乗りを知り、佐渡をもっと好きになった私だった。(ターミー)

注目のアイテムはコチラ

ピックアップ情報