VIRGIN HARLEY | 佐橋 慶信(V-RODに乗るIT系ライター) インタビュー

佐橋 慶信(V-RODに乗るIT系ライター)

  • 掲載日/ 2008年06月26日【インタビュー】

ハーレーインタビューの画像

V-RODは他にない個性の塊
乗るほどに魅了されてしまいます

「ハーレー=ビックツイン」未だにそのイメージを持つ人は多いと思うが、スポーツスターやV-RODなど、ビックツインにはない個性を持つファミリーもある。なかでもV-RODは群を抜いて個性的だ。それまでハーレーに見向きもしなかった人、アンチハーレーな人をも魅了してしまうキャラクターの強さを持っている。身近にV-RODオーナーがいなかったため、V-RODの魅力をじっくりお聞きする機会はなかったが、取材を通じ、今回ご紹介する佐橋さんに出会うことができた。佐橋さんは何と、物書きを仕事とするライター。人や物の魅力を探り、それを人に伝えるのが仕事だ。そんな佐橋さんがV-RODのどこに魅力を感じたのか、お話をお聞きしてきた。

Interview

子供がある程度大きくなり
またバイクに戻ろうかな、と

ー佐橋さんは私と同業、ライターだとお聞きしましたが。

佐橋●バイク系ではなく、IT系のライターです。ソフトウェアやモバイルなどについての文章を書くのが仕事です。

ー著書も何冊か出されていますよね。関西を起点にそういった活動をしている方は珍しいのでは?

佐橋●今はライター1本で仕事をしていますが、10年ほど前まではライター業は副業だったんですよ。以前の本業は学習塾経営で、それで塾があった兵庫に住みながらライターをやりはじめました。

ー学習塾経営からライター業?? どういった経緯で?

佐橋●今のようにインターネット環境が整備される前、ウインドウズがまだ無かった頃から仕事でパソコンを触わっていたんです。それではじめたパソコン通信(会員制の通信サービス、今のインターネットのようなもの)で、いろいろな人向けにソフト不具合の解決方法などを紹介していたら、パソコン関係の出版社の目に留まり、アルバイトで雑誌にコラムなどを書くようになりました。

ープロの目に留まるとは…かなり詳しかったんでしょうね。

佐橋●私より詳しい人はいくらでもいたでしょうね。でも、文系の、文章を書ける人がいなかったんです。当時、パソコンをやっている人は理系の人が多く、初心者にわかりやすい言葉でITのことを伝えられる人はあまりいませんでした。私は大学で哲学を専攻した文系人間ですし、子供に勉強を教える仕事をしていたので、重宝されたんでしょう。

ーライター1本になったのはなぜ?

佐橋●1995年の阪神淡路大震災がきっかけでした。被災地で塾をやっていたので、被災して塾に通えなくなる生徒もいて…残念ですが塾は閉じることに決めたんです。それで副業だったライターが本業になりました。

ーバイク系の仕事はしていないのでしょうか?

佐橋●そういうチャンスがなかったので(笑)。文章を書くのも、写真を撮るのも慣れてはいますが、10年ほどバイクを離れていて復活したのは数年前。バイクの文章を書くにはまだまだ知識が足りませんよ。

ーバイクにはいつ頃から乗り始めたのでしょう?

佐橋●高校を卒業するのを待って中型二輪免許を取り、上野のバイク街でHONDA CB350を手に入れました。高校時代はまだ免許区分の改正前だったので、在学中に免許を取れば大型二輪免許がついてきたんですけれどね…。高校はバイクに厳しくないところだったのに、勿体ないことをしました(笑)。

ーでも、大型二輪免許はすぐに取ったんですよね。

佐橋●大学在学中に取りました。京都の大学に入学したので、それまで住んでいた千葉から祖父の家のある兵庫に引っ越したのですが、兵庫から京都までは毎日バイク通学。通学する道の途中には、当時走り屋が多く集まっていた六甲山というスポットがあり、毎日そこを走っていたんです。そこで腕を磨き、大型二輪免許を取得しました。

ー学生時代はいかに速く走るのか、に夢中になっていたわけですね。

佐橋●あの当時にバイクに乗っていた人なら山に走りに行くのは珍しいことじゃありませんよ。山道を駆け抜けるのも楽しかったですが、KawasakiのW3やZⅡ、HONDAのCB750なんかを安く手に入れてレストアしたり、日本のあちこちへツーリングに出かけたりして、バイクライフを満喫していました。

ー社会人になってからもバイク熱は冷めなかったのでしょうか。

佐橋●大学を卒業し、自分で学習塾をやるようになってからも時間を見つけてはバイクに乗っていましたよ。何台かバイクを乗り継ぎ、バイクを降りる直前はYamaha「V-max」をかなりカスタムして乗っていましたね。V-maxは今のナイトロッドスペシャルと同じドラッグスタイルのバイクで、あちこち手を入れて、かなり飛ばせる仕様にしていました。よく事故をしなかったと思いますよ(笑)。

ーそこまでバイクに夢中になっていて、なぜ降りてしまったのでしょう?

佐橋●結婚して子供が生まれるのがきっかけでした。妻に何か言われたわけではないんです。バイクに乗っていると、家族と過ごす時間がどうしても減ってしまいますし、事故に遭って家族に迷惑をかけたらマズいな、と。だから、V-maxは「これが最後のバイクになるかも」と思いながら乗っていましたね。

ーバイクを降りている時期に「また乗りたい」と思うことは?

佐橋●バイクに乗り続けている友人もいましたし、街でバイクを見かけることもありますから「ああ、いいなぁ」と思うことはありました。でも、一度バイクを降りてしまうと、何かきっかけがないとなかなか戻ってこれないものなんですよ。

ー10年振りにバイクに戻ってきたきっかけは何だったのでしょう?

佐橋●何台もバイクを持っている友人がいて、古いナナハンのバイクを譲ってくれたのがきっかけです。それほど状態がいいものではなく、特別それに夢中になったわけではありません。でも、そのナナハンがきっかけで「もう一度真剣にバイクに乗ろうか」と思い始めたんです。子供も中学生になり、それほど手がかからなくなっていましたし。

乗りこなすには癖がある
でも、じゃじゃ馬なところが魅力的

ーそしてハーレーに乗り始めた、と。他のメーカーは候補に挙がらなかったのですか?

佐橋●スピードを出して走るのは20代で散々やりましたからね。「のんびり走ってもサマになる、事故に遭いにくいバイク」を探したらハーレーがピッタリだったんですよ。

ーでも、V-RODでしょう? 結構飛ばすバイクですよ(笑)。

佐橋●ディーラーに車両を見にいくまでは“のんびりバイク”を探すつもりだったんです。でも、FL系のスタイルはいかにもハーレー然としていましたし、スポーツスターは試乗してみると少しパワー不足でした。ナイトロッドスペシャルは一目見てスタイルを気に入りましたし、試乗してみると「これはスゴイぞ」と心に響くものがあったんですよ。エンジンが水冷だとか、排気音が3拍子じゃないだとか、そういうところにはこだわっていなかったので、迷うことなくナイトロッドスペシャルに決めました。

ー他にない個性的なドラッグスタイルと、スロットルを捻ったときの加速感はV-maxに通じるところがあるのでは? やっぱり飛ばすバイクが好きなんでしょうね。

佐橋●確かにV-maxに通じるところはあるかもしれません。ナイトロッドスペシャルは納車後しばらくはノーマルで乗っていましたが、結局V-maxと同じようにイジりはじめることになりました。大掛かりなカスタムではありません。積極的に走ろうと思うと、ポジションが気になったんですよ。ナイトロッドスペシャルは後輪に体重を乗せるようにして走るんですが、フォワードコントロールとノーマルハンドルだと腰にかなり負担がかかってしまいます。それで、純正のミッドコントロールとスポーツスター用ハンドルに交換しました。エンジンはノーマルで十分速いので、ポジションを変えてやることでかなり走りやすくなりましたね。

ー走りだけではなく、使い勝手をよくするカスタムもしていますよね。タンクバッグは自作だとか。

佐橋●レザークラフトは以前からやっていたんです。雑誌でモバイル機器を持ち歩きやすいレザーポーチの作り方の連載を持っていたくらいですから(笑)。デジカメなどを収納できるウェストバッグなどもレザーを縫って自分で作りました。

ーV-RODでロングツーリング仕様とは珍しいですよね。

佐橋●そんなことはないですよ。東京から九州までの往復をV-RODで走る方だっているんですよ。V-RODオーナーはソロで走っている人が多いので、ロングを走る人に出会う機会は少なく、そんなイメージがあるのかもしれませんね。

ーV-RODはドラッグスタイルのモデルのせいか、のんびりツーリング、というイメージがないんですよ。V-RODオーナーはどんなペースで走っているのでしょう?

佐橋●ビックツインに乗る方よりはペースは速いでしょうね。ビックツインが長距離を走るマラソン選手だとしたら、V-RODは短い距離のダッシュを繰り返す短距離走者。巡航速度が速く、かなりの風圧を受けますし、ビックツインほど燃費がよくないので休憩の回数は多いですよ。巡航速度も休憩の回数も違うので、他のモデルの人と一緒に走るとペースがなかなか噛み合わないんですよね(笑)。

ーDUCATIなんかだと、ペースが合いそうな気がしますね。

佐橋●直線だけならペースが合うかもしれませんが、コーナーはついていけませんよ。直線で飛ばして、コーナーは安全運転、それがV-RODですから(笑)。私がまだ慣れていないだけかもしれませんが、コーナーではフロントが暴れがちなんです。

ーかなり癖のあるバイクなんですね。

佐橋●V-RODは誰でも乗れるバイクなのですが、かなり癖のあるバイクなので、誰でも速く走らせることができるわけではありません。「ここはどう乗ればいい?」とバイクと対話しながら走るバイクのような気がします。

ーそういうところも魅力的だと。

佐橋●そうですね(笑)。走るのに慣れが必要なところも、アメ車らしいじゃじゃ馬なエンジも、すべてが愛らしいですね。見かけや暴力的な加速をするエンジン以外にも、V-RODには乗らないとわからない魅力がたくさんあります。ビックツインやスポーツスターとはまるで違うフィーリングのバイクですが、他の何にも似ていない、V-RODだけが持つ個性に魅了されてしまいました(笑)。

プロフィール
佐橋 慶信
49歳、兵庫県在住。2008年式VRSCDX所有。学習塾経営のかたわら、副業でIT系のライターをはじめ、現在はライターが本業になっている。デジタルな世界に身を置き働くものの、レザークラフトなど、アナログな趣味も持つバランスの取れた趣味人。

Interviewer Column

V-RODはロングを走るバイクではない。そんなイメージを持っていた私だが、佐橋さんのナイトロッドスペシャルを見て、話を聞いて、そのイメージは払拭された。佐橋さんは日に500kmを走ることもあり、街乗りよりももっぱらロングを走るという。家族のために一時はバイクを降りる決断した佐橋さんは、今も家族との時間を大事にしながらバイクに乗っており、今は家族をバイクに巻き込むことを画策中だ。中型免許を持つ奥さんのために小型バイクを1台用意し、お子さんは小さい頃にバイクの魅力を刷り込み、現在免許取得費用を貯金させているのだとか。一人だけでバイクを楽しむことはせず、家族も巻き込んでバイクを楽しもうとする佐橋さんは、家庭を持つバイク乗りの理想の姿のように映った(ターミー)。

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