VIRGIN HARLEY |  【ハーレーダビッドソン 2026モデル FLHLT ストリートグライド3リミテッド 試乗記】より一層、軽く、快適、安全に。増された”アメンボ”感。試乗インプレ

【ハーレーダビッドソン 2026モデル FLHLT ストリートグライド3リミテッド 試乗記】より一層、軽く、快適、安全に。増された”アメンボ”感。

  • 掲載日/ 2026年06月09日【試乗インプレ】
  • 取材協力・写真/HARLEY-DAVIDSON 取材・写真・文/小松 男
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HARLEY-DAVIDSON FLHLT STREET GLIDE 3 LIMITED(2026)
ハーレーダビッドソンの歴史を語る上で、スリーホイーラーモデルは欠かすことのできない存在だ。1914年には純正サイドカーが登場し、その後も様々な形で発展を続けてきた。そして2026年、ハーレーダビッドソンのトライクシリーズは大幅刷新を実施。新設計リアサスペンションやMilwaukee-Eight VVT117エンジン、新方式のリバースシステムなどを採用し、その走りは大きく進化を遂げている。

ハーレーダビッドソン史を語る上で
省くことはできないスリーホイーラーモデル

キング・オブ・モーターサイクルブランド、ハーレーダビッドソンが提供するラインアップの中でも、トライクシリーズは特別な存在であると言える。

それは、一般的な2輪車のように、停車時に足をつく必要がなく、また車体を傾けて曲がるのではなく、4輪車のようにハンドル操作によって旋回するという構造上の違いだけではない。存在そのものが、他のモデルとは異なる独自の世界観を持っているのである。

そもそも現在のトライクシリーズが登場する前は、サイドカーがカタログモデルとして長年扱われてきた。

その歴史は古く、創業から約10年経った1914年には純正モデルとしてのサイドカーが誕生しており、安全かつ実用的な乗り物として受け入れられ、当時生産されたハーレーダビッドソンにおいて半数以上を占めていたとも言われている。

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その後2010年前後のタイミングで、従来のサイドカー(モーターサイクルの側方に舟が備わるスタイル)から現在のトライク(リアに2輪のスタイル)へと移行し、現在に至るのだが、実は1930年代から70年代にかけて、サービカーと呼ばれる商業用のトライクが製造されていた。

知人がこのサービカーを手に入れ、日常的に走らせているのだが、どこに行っても注目の的となっており、そのように人の目を惹きつけるキャラクターもまた、現在のトライクモデルに通じるものがあると私は思う。

そんなハーレーダビッドソンのトライクが2026年モデルで大幅に刷新され、この度メディア向けの試乗会が開催されたので、実際に走らせた印象をお伝えしていこう。

FLHLT ストリートグライド3リミテッドの特徴

ホイールトラベル量2倍超増!
バネ下重量約31kg削減!!

東京モーターサイクルショー2026のハーレーダビッドソンブースで開催されたプレスカンファレンスにおいて、2026年型トライクモデルの発表を聞いた私は大いに興味を惹かれた。

なぜなら今回の変更は、単なる装備追加やエンジンのアップデートではなく、シャシーそのものを一新するフルモデルチェンジとも呼べる内容だったからだ。

最大のトピックは、従来型で採用されていたライブアクスル方式を廃止し、新たにドディオンアクスル方式を採用したことである。

ライブアクスルは左右の駆動輪を一本の車軸で結び、その車軸自体がサスペンションとともに上下動する構造。一方のドディオンアクスルは、デファレンシャルギアを車体側へ固定し、左右のホイールのみを上下動させる構造となる。4輪車の世界では古くから知られた方式だが、ハーレーダビッドソンの市販トライクとしては大きな転換点と言えるだろう。

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この新設計シャシーによって、リアホイールのトラベル量は従来の2.3インチから5インチへと2倍以上に拡大。さらにバネ下重量は約31kgも削減されたという。

数字だけを聞くとピンとこないかもしれない。しかしサスペンションが路面追従性を高め、なおかつ重量物を車体側へ移すというのは、乗り物の運動性能を語る上で極めて大きな意味を持つ。少々大げさな表現を許してもらえるなら、二輪車がリジッドフレームからサスペンション付きフレームへ進化した時に匹敵するほどのインパクトがあるのではないか――そう感じたほどである。

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もちろん進化はシャシーだけではない。エンジンには可変バルブタイミング機構を備えた最新のMilwaukee-Eight 117 VVTを搭載。フェアリングやインフォテインメントシステムも現行ツーリングファミリーと共通化され、12.3インチのフルカラータッチスクリーンを採用するなど、快適性や利便性も大幅に向上している。

さらにリバース機構も刷新された。従来のスターターモーターを利用したボタン操作式から、専用電動モーターによるスロットル連動式へと変更され、より自然な操作感を実現している。

こうした変更点を知れば知るほど、「実際に乗るとどう変わっているのか」が気になってくる。そして今回のメディア向け試乗会では、新型だけでなく従来型も用意されており、同じステージで比較試乗できるという願ってもない環境が整えられていたのである。

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FLHLT ストリートグライド3リミテッドの試乗インプレッション

新たな時代を切り開く乗り味。
唯一無二の魅力はさらに深まった

試乗会にはロードグライド3、ストリートグライド3リミテッド、CVOストリートグライド3リミテッドという2026年モデルのラインアップに加え、比較用として従来モデルも用意されていた。私はその中からストリートグライド3リミテッドを選び、新旧比較を交えながら試乗することとなった。

用意されたステージは、スラロームや波状路を備えたクローズドコースと一般公道の組み合わせ。まずは従来モデルに乗り込み、その感触を改めて確認することにした。

従来モデルについては過去にも何度か試乗する機会があり、中には1週間ほどじっくり付き合ったこともある。その経験を踏まえても、私はハーレーダビッドソンのトライクのファンを自負している。今回改めて乗ってみても、その印象は変わらない。独特の操縦感覚や安定感には他では味わえない魅力があり、「やはり良い乗り物だな」と率直に感じた。

しかし、その直後に新型ストリートグライド3リミテッドへ乗り換えた私は、今回のフルモデルチェンジが単なる改良ではないことを思い知らされることになる。

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まずスラロームで感じたのは、ハンドル操作の軽さだった。試乗前はホイールトラベル量の大幅な増加によって車体の動きが大きくなり、切り返しでは穏やかな特性になるのではないかと想像していた。しかし実際にはその逆だった。

リアサスペンションがしっかりと路面を捉え続けることで、車体の挙動がより自然になり、ステアリング操作に対する反応も明確になっている。切り返しでは従来モデル以上に軽快さを感じ、車体がコンパクトになったかのような印象すら受けた。

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続いて波状路へと進入する。路面からの突き上げは確実に軽減されており、ホイールトラベル量の増加が効果を発揮していることはすぐに理解できた。ライダーにとってもメリットは大きいが、より印象的だったのはパッセンジャーへの効果である。

同じセッションに参加していた業界の先輩、後藤武氏に協力していただき、新旧モデルそれぞれのパッセンジャーシートを体験することができた。すると従来モデルでは上半身が左右へ振られる動きが見られたのに対し、新型ではその動きが大幅に抑えられていた。腰から下で車体の動きを受け止められているような印象で、快適性と安心感の向上は想像以上だった。

考えてみれば、リアタイヤのほぼ真上に座るパッセンジャーこそ、新型シャシーの恩恵を最も強く体感できる存在なのかもしれない。

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その後は一般道へと試乗ステージを移した。

Milwaukee-Eight 117 VVTを搭載した新型は、従来以上に力強い加速を披露する。ライディングモードをスポーツに設定すれば、そのパフォーマンスは大型ツーリングモデルとは思えないほど力強い。しかし、そのパワーを安心して使い切れるのは、新型シャシーによる安定感があってこそだろう。

バネ下重量の大幅な軽減とホイールトラベル量の拡大は、車体の動きをより自然で軽快なものへと変化させた。そしてその効果は、ライダーやパッセンジャーへ伝わる不要な揺り返しの低減にもつながっている。

新たに採用されたスロットル連動式リバースシステムも好印象だった。従来よりも車体をしっかりコントロールしながら操作でき、重量級トライクを扱う際の安心感向上にも貢献している。

もちろん、従来モデルが持っていた独特の味わいまで否定するつもりはない。ライブアクスルならではのキャラクターや操る楽しさには、今なお魅力があると思う。

だが、総合性能という視点で見れば、新型が一歩先へ進んだことは疑いようがない。よりパワフルに、より快適に、そしてより安心して楽しめるトライクへ――。2026年モデルは、ハーレーダビッドソンのトライクが新たな時代へ踏み出したことを強く実感させる一台だった。

2輪車でも4輪車でもない、唯一無二の存在であるハーレーダビッドソンのトライク。その魅力は、今回の進化によってさらに深まったと言っていいだろう。

FLHLT ストリートグライド3リミテッドの詳細写真

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排気量1,923ccのMilwaukee-Eight 117 VVTを搭載。可変バルブタイミング機構の採用により、低回転域の扱いやすさと高速巡航時の余裕、そして力強い加速性能を高次元で両立している。2026年型トライクの進化を語る上で欠かせない心臓部だ。

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2024年に刷新された現行ストリートグライド譲りのバットウイングフェアリングを採用。シャープなLEDヘッドライトや細長いLEDターンシグナルによって、従来型よりもモダンかつスポーティな表情を獲得している。空力性能向上も見逃せないポイントだ。

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大型トランクと新設計Grand Tour-Pakを組み合わせることで、長距離ツーリングにも余裕で対応する積載能力を実現。総ラゲッジ容量は約200Lを誇るもので、ライダーとパッセンジャーの荷物をしっかりと飲み込んでくれる。

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2026年型最大のトピックが、このドディオンアクスル式リアサスペンションへの刷新だ。デファレンシャルギアを車体側へ固定することでバネ下重量を大幅に削減。ホイールトラベル量も従来比2倍以上へ拡大され、快適性と操縦安定性の向上に大きく貢献している。

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大型のライダーステップボードを採用し、長距離移動でもゆったりとした乗車姿勢を実現。左側にはハーレーらしいシーソー式シフトペダルに加え、トライクならではのパーキングブレーキレバーも備わり、重量級モデルの扱いやすさに配慮されている。

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シート高は735mm。もっとも、停車時に足で車体を支える必要がないトライクでは数字以上に気楽な乗り味だ。ライダー・パッセンジャーともにヒーテッドシートを装備し、背後にはTour-Pak一体型のリアスピーカーも備えるなど快適装備も充実している。

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12.3インチの大型フルカラーTFTディスプレイを採用。タッチ操作に対応し、車両情報やオーディオ設定はもちろん、ナビゲーション表示にも対応する。現代のハーレーダビッドソンを象徴する先進的なインフォテインメントシステムだ。

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フェアリングロア部分には実用的な収納スペースを装備。スマートフォンや財布、高速道路のチケットなど、すぐ取り出したい小物の収納に便利だ。従来型では活用されていなかったスペースだけに、ツアラーとしての使い勝手向上を感じさせる装備である。

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フロントには19インチホイールと130/60B19タイヤを装着。ブレーキにはデュアルディスクを採用し、567kgの車体をしっかりと制動する。新設計シャシーとの組み合わせにより、従来型以上に軽快なハンドリングを実現している。

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リアには215/45R18サイズの自動車用ラジアルタイヤを装着。トライクならではのワイドなトレッドと存在感あふれるフェンダーが特徴だ。2026年型ではドディオンアクスルの採用によって乗り心地や接地感も大きく向上している。

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22.7L容量のフューエルタンクを採用。近年のストリートグライド系らしいシャープな造形が特徴で、伝統的なツアラーでありながらモダンな印象を与えている。2026年モデルは複数のカラー設定が用意され、車体の存在感をさらに際立たせている。

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