VIRGIN HARLEY | 第3回 オイル交換1 なぜから学ぶハーレーメンテ講座

第3回 オイル交換1

  • 掲載日/2006年03月18日【なぜから学ぶハーレーメンテ講座】
  • 執筆/モトスポーツ 近藤 弘光
なぜから学ぶハーレーメンテ講座の画像

オイル交換実践編
正しい作業方法を紹介します

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前項で「オイルの働き」についてご紹介させていただき、なぜオイル交換が必要なのかについてはおわかりいただけましたでしょうか。では、今回は実際のオイル交換の工程を見ながら、私たちメカニックがどのような点に注意しながら作業を行っているのか、ご説明いたしましょう。今回、オイル交換の作業で登場するのは2002年式FLSTC(ヘリテイジ・ソフテイル・クラシック)です。他のファミリーのモデルではオイルドレンの位置などに違いがありますので、ご自分のモデルの工程に関してはショップでのオイル交換の際にご確認ください。

オイルは暖めてから抜く
これが基本です

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エンジンオイル交換の前は暖気もしくは近所をしばらく走り、オイルを暖めてください。そうすることでオイルが柔らかくなり、古いオイルを抜く作業でオイルが抜けやすくなります。さらにもう1点、オイル交換の際に、廃油をそのまま捨てることのできるオイルパックにいきなりオイルを受ける方が多いようですが、抜いた古いオイルからは多くの情報を知ることができます。さほど距離を走っていないのにオイルがサラサラになっていれば、エンジン内部が熱を持ちすぎている可能性があり、オイルに異物が混じっていればそこからトラブルを未然に防ぐことができます。オイル受けを用意し、抜いたオイルを注意して見てやってください。オイル受けはホームセンターに行けば手頃な価格のものが何種類も売っています。

※写真、右上の丸いものはプライマリーにあるダービーカバーの「Oリング」です。最近のモデルとは形が異なっていますので、ご注意下さい。

ドレンボルトの締め過ぎに注意
ネジ穴が壊れてしまいます

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車種によって違いますが、FLSTCの場合は車体下部にエンジンオイルのドレンボルトがあります。ここを緩めてやれば古いエンジンオイルが抜けはじめます。このときにオイルタンクのキャップを外しておけば、オイルが抜けやすくなります(キャップがあると、タンク内の負圧により出が悪くなるんですね)。

オイルが抜けきったら、ドレンボルトのOリングを交換し、ドレンボルトを締めましょう。Oリングはドレンボルトと車体の隙間を防ぎ、オイルが漏れないようにするためのゴム部品です。エンジンオイルの熱などによって変形してきます。それほど高い部品ではありませんので、できればオイル交換の度に換えて欲しいですね。また、ドレンボルトのネジ部分にはシールテープを巻くこともオススメします。シールテープはホームセンターの水周りのコーナーに行けば安く売っています。少々面倒かもしれませんが、Oリングの交換とシールテープでドレンボルトからのオイル漏れを未然に防げばエンジントラブルの種が1つ減ります。

オイルフィルターは消耗品
放ったらかしは厳禁です

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エンジンオイル交換2回に1度はオイルフィルターを交換しましょう。オイルフィルターはエンジンオイルの汚れをろ過してくれる重要な機能部品です。使いっ放しにしていると目がつまりオイルの循環が悪くなってきます。最近ではオイルフィルターに磁石が入っており、金属粉をオイルフィルターで集めてしまう高性能フィルターもあります。オイルに金属粉が混じっているとエンジン内部を痛めてしまいますから、こういった製品も余裕があれば試してみてください。

オイルフィルターを外す際にはフィルターレンチ(SST)が必要です。フィルターレンチで緩めるとエンジンオイルが下に漏れ出してきますから、あらかじめオイルに汚れないよう新聞などをひいておきましょう。新聞の上にチラシをおき、それを半円状に丸めるだけで簡単にオイル受けが作れますので、オイル交換前は読み終わった新聞とチラシを1部用意しておきましょう。新聞は何かと役に立ちますね。

古いオイルフィルターを取り外し、新しいオイルフィルターを取り付ける際にはフィルターの中にエンジンオイルを注ぎ込んでおきましょう。そうするとオイル交換後にオイルが回りやすくなります。また、フィルターの取り付け口の周りに指でオイルを薄く塗っておきましょう。そうすれば取り付け時にOリングがねじれず、取り付け後にフィルターの隙間からオイルが漏れてくることはありません。なお、オイルフィルターを締め付ける際は、手で締め付けられるところまで締め、最後にレンチで軽く締めてやるだけで充分です。こちらも締め付け過ぎに注意しましょう。

オイルの入れすぎに注意!
適正値を守りましょう

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古いエンジンオイルを抜き、オイルフィルターを交換し、最後に新しいエンジンオイルを注ぎ込みます。オイルは少なすぎても、多すぎてもトラブルの元になります。車種によりオイル量は若干違いますが、オイル量はオイルキャップにゲージが付いていますので目視で確認することができます。ゲージには「UPPER(上限)」と「LOWER(下限)」のラインが引かれていますので、オイルを注ぎ込んだあとオイルキャップを抜き差しし、ゲージの中間くらいにオイルが来るよう調整してやりましょう。なお、オイルは暖まると油面が上昇しますので、エンジンが冷えているときに「UPPER(上限)」まで入れてしまうと入れすぎです。

オイル交換で気をつけること
もう一度まとめてみましょう

  • ● オイルは暖めてから抜くこと
  • ● 抜いたオイルに異物が混ざってないかチェックすること
  • ● ドレンボルト、オイルフィルターを締めすぎないこと
  • ● オイルを入れすぎないこと

以上の4点です。オイル交換を終えたあとはこぼれたオイルを綺麗に拭きいてやりましょう。交換のついでにパーツを綺麗にしてやるとその後にオイル漏れやにじみが出てきても早めに発見することができますから。オイルはハーレーの血液のようなものです。人間の血液からいろいろなことがわかるように、ハーレーのオイルから学べることはたくさんあります。流れ作業ではなく、1つ1つの作業を注意しながら我々メカニックは作業しているのです。

プロフィール
近藤 弘光

53歳。1979年に「モトスポーツ」を創業。ショベルヘッドが新車の頃からツインカムが現行の今までハーレー業界の第一線で活躍している。オートバイを愛するが故に規制対応マフラー「ECCTOS」やオリジナルエンジン「U-TWIN」の開発に携わる情熱家でもある。

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