ノーマルがガラリと変わる
吸気系カスタムの世界
今回ご紹介するのはスポーツスターの“吸気系”パーツ。愛車のフィーリングを大きく変えてくれるアイテムだ。883ccや1200ccのスポーツスターエンジンはバイブレーションを強化する方向に味付けすることもできるが、ビックツインにはない4カムという機構を採用しているため、スポーツに振ることもできる。幅広いベクトルの中からエンジンの方向性を決めるのが吸排気のパーツなのだ。今回は吸気に限ったパーツ紹介となるが、吸気系と排気系は一体として考えることが必要。いくら吸気を強化しようと、排気が貧弱であれば思うような変化は得られない。吸排気はバランスを取ってカスタムすることが必要なことを覚えておいて欲しい。
エアクリーナー
空気吸入量を左右する
エアクリーナー
最初に紹介する吸気パーツはエアクリーナー。現行インジェクションモデルや以前のキャブレターモデルの双方に取り付けられているパーツだ。エアクリーナーの役割はその名の通り「空気を綺麗にすること」。空気中に含まれるホコリやゴミなどを内部に取り付けられた「エアフィルター」で取り除き、綺麗な空気をキャブレター内部に送り込む役目を果たしている。ドラッグレーサーなどではエアフィルターが取り付けられていない、いわゆる“オープンファンネル”となっている。これは高回転時にエアフィルターが抵抗となり、本来必要な空気をキャブレターに送り込めないことを防ぐためだ。ストリートを走る我々はドラッグレーサーほどシビアに考える必要はない。しかし、キャブレターやマフラーに高性能なモノを選んだのであればエアクリーナーにもそれなりのモノを選んでやるべきだろう。また、最近はエアクリーナーのカバー形状はさまざまなモノが登場している。性能だけではなく見た目からエアクリーナーをチョイスする、というのも手だ。
インジェクション
データさえ揃えば
どうにでも遊べる
2007年のスポーツスターから採用されたインジェクションとは、コンピューターでガスの吸入量を調整してくれる乗り手に優しい吸気システムだ。キャブレターの場合、シビアなセッティングにしている車輌では季節ごとにキャブレターを外してセッティングし直す必要があったが、インジェクションでは不要。気候などによっては入力されているデータが合わなくなることもあるが、エキパイ入り口付近に取り付けられたO2センサーで排気ガスをチェックし、データ補正を行ってくれる。ハーレーにインジェクションモデルが登場して間もない頃は「キャブレターの方がフィーリングは上」など議論が起こったものが、インジェクションはデータさえ作成すれば、どんなフィーリングにも設定が可能。滑らかなトルクカーブを描く性能本位の設定もできれば、わざとトルクカーブを崩しテイストフルな設定にもできる。ただし、インジェクションチューンの場合、ノーマルのコンピューターをベースに+αの変更を行う「サブコン」とコンピューターを丸ごと交換してしまう「フルコン」の2種類がある。設定の自由度はフルコンの方が遥かに上なので、どんなチューンをしたいのか、イメージを持ってお店に相談して欲しい。
キャブレター
エンジンの味付けを
大きく変えるパーツ
ほんの2年前まではキャブレターモデルのスポーツスターは現役だった。そのため、インジェクションが現役の今もキャブレターモデルは街中を駆け抜けている。スポーツスターに長く採用されてきたのは扱いやすく、燃費も優れたCVキャブレターだ。しかし、高年式のモデルでは排気ガス規制の関係でガスが薄く設定されていることなどもあり、CVキャブレターのチューニングや社外のリプレイスキャブレターに交換するのはカスタムの定番となっている。キャブレターカスタムには大きくわけて2種類ある。1つ目は市販のダイノジェットを組み込んだり、オリジナルのCVチューンを施すショップに依頼したりすること、2つ目がHSRやFCRに代表される社外キャブレターへの交換だ。CVキャブレターはハーレー以外の車輌にも広く採用されるほど優れているため、CVキャブレターをチューニングするだけでも非常に面白くなる。また、体感的な大きな変化を求めて他のキャブレターを選ぶのも手だろう。ただ、1つ気をつけて欲しいのが883。社外キャブレターの中には、883のキャブレターとしては口径が大きすぎるものがある。HSRやS&Sなどを883に取り付けているユーザーがいないわけではないが、セッティングに苦労すると思った方がいいだろう。
サーキットや峠を走るような人でなければ、必要以上に吸気効率を心配する必要はないでしょう。ウチに訪れるお客さんに人気なのはシンプルなラウンドエアクリーナー。7インチや5インチのどちらのモノでもスポーツスターにはよく似合います。個性的なエアクリーナーを取り付けようとするならば、エアクリーナーだけが目立ってしまわないように気をつけた方がいいでしょう。