ハーレー最新モデル徹底研究室。研究対象モデル
キャラクター・歴史

ロー&ロングで高級感が高い
ハーレーを代表する人気モデル

ダイナ・ローライダー(以下、ローライダー)のルーツとなったのは、1977年の「FXSローライダー」。1971年にFLモデル(ビッグツイン)にスポーツスターの足回りを移植することからはじまったダイナシリーズ。そこへさらにカスタムテイストを強めた「ロー&ロング(車高を低く、全長を長く)」を実現したのがローライダーだ。それ以来、名前や仕様は変わったが、常にローライダーの名を冠したモデルは存在し続け高い人気を誇っている。ちなみに英語名である”FXDL”が登場したのは1993年(それまではFXSやFXRLなどと変更があった)。30年以上もの間、これほど高い人気を博し続けるモデルもそうそうない。今回はもはや伝説の域に達しつつある、このローライダーをご紹介しよう。

特徴

シンプルな装備&
クラシカルなデザイン

車両写真登場以来、基本的なスタイル変えてこなかったローライダーの属するダイナファミリーだが、21世紀に入ってからは比較的短いサイクルで仕様変更が取られてきた。変化が頻繁だったのはリアのタイヤサイズで、もともとは130mm&16インチだったサイズが、現在の160mm&17インチへと変化してきている。もっとも変化の激しかったのは2006年式〜2007年式にかけてのこと。2006年式に現在のリアタイヤサイズになり、従来のヘッドライトバイザー(ヘッドライトの上にあるカバー)は廃止、フロントフォークが39mm→49mmに変更された。吸気システムはキャブレターからインジェクションに、腰下もミッションが6速化するなど、ユーザーに大きな衝撃を与えたモデルだった。翌、2007年式のモデルではエンジンがTC88→TC96に変更され、現在の1584ccモデルの原型は2007年式でひとまずの完成を見たと言える。

 

2006、2007年式と大きな変化を遂げたローライダーはユーザー間で「変わりすぎた」、「今の方がいい」と論争を巻き起こしたが、2008年式モデルが登場した今は落ち着いて現行モデルが評価されるようになってきた。スタイル面で論争を巻き起こしたのはタイヤサイズではなく、フロント周り。ヘッドライトバイザーがなくなったことと、フロントフォークが太くなったことが従来のスタイルに慣れ親しんできたユーザーには驚きだったのだ。ただし、この変化から3年がたち、現在のスタイルがダイナファミリーのスタンダードとして受け入れられているように思える。2008年モデルのダイナファミリーは大きな変化はない。外観に関わるところではエアクリーナーカバーの形状が変更されたことくらい。ブレーキキャリパーやブレーキラインも改良されたものの、一般ユーザーが使用して差を感じるほどではないだろう。2008年式ローライダーに関する変化だと、ハーレー創業105周年記念モデルにローライダーの特別カラーバージョンが設定されていることが挙げられる。ダイナファミリーやローライダーに関する進化は、ひとまず落ち着いたと見られる。

 

では、ローライダーの特徴について紹介しよう。他のダイナモデルや、他ファミリーと比べてもローライダーの車高の低さは際立っている。車高が低いことで足つきの良さなどのメリットもあるが、「車高が低い=カッコいい」の図式が成り立つハーレーにとって、これは見逃せない特徴。もう1つ特筆すべき点は、クロームメッキがまぶしいパーツが豪華に奢られていること。FXDC(ダイナ・スーパーグライド・カスタム)もクロームメッキが採用されたモデルだが、ローライダーはさらにブラックアウトされた艶やかなシリンダーが美しさを際立たせる。まさにその伝統に相応しい魅力を備えたモデルといえる。

ハーレー・ディテイル

ツインカム96 1584ccエンジン

2007年モデルから採用されたTC96エンジン。エンジンはフレームに3点でラバーマウントされているため、アイドリング時にまるで生き物のようにブルブルと震える。この感覚が好きだという人は相当多い。

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ハーレー・ディテイル

160mm・17インチのリアタイヤ

かつての130mmから160mmにワイド化されているがスポーツ性を阻害せず、迫力を増す結果となっている。また17インチタイヤは、ハーレーの他ファミリーの中でも珍しい。

ハーレー・ディテイル

クロームに輝くヘッドライト周り

ヘッドライトやトリプルツリーなど細かいところまでクロームメッキパーツを採用し、高級感を演出している。2005年まで採用されたヘッドライトバイザーがなくなりワイルドなテイストになっている。

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ハーレー・ディテイル

ブレーキはシングルディスクを採用

ダイナファミリーは1モデルを除き、シングルディスクを採用。シングルとは言え、制動力は充分。ブレーキラインも改良され、一般走行からスポーツ走行まで特に不満は感じさせない。

試乗インプレッション

思わず笑顔がこみあげる気持ちよさ
しかも思った以上に走る…

車両写真ローライダーに乗るのは久しぶりだ。以前に友人が2002年式のモデルに乗っており、それを借りて走らせてもらったことを思い出す。それだけに現行モデルが当時からいかに進化しているのか楽しみだ。

 

まず、車輌の周囲を回って見た印象。長い歴史を持つローライダーのスタイルは間違いなく、受け継いでいる。バイクのことを何も知らない人が見ても「これ、ハーレー?」とわかる風格がこのモデルには漂っている。ローライダーは車高が低いだけではなく、シートの先が絞られた形状になっているため、跨ってみても足つきは良好。身長178cmの私は、ひざを曲げた状態で両足がべったりと地面につくほどだ。跨った状態での取り回しもさほど重さは感じず、身長が160cm台あれば特に不安なく乗ることができるだろう。スピードとタコメーターがタンクと一体となっているように見えるルックスには思わず笑みがこぼれる。タンクコンソールにもクロームメッキが施され、オーナーは跨る度に満足感をかきたてられるだろう。ダイナファミリーやツーリングファミリーに採用されているTC96エンジンは、始動時にエンジンが震えだすのも心を揺さぶられるポイントだ。フレームの3箇所にゴムでマウントされたエンジンは、アイドリング時や低回転時に心地いいバイブレーションを乗り手に伝え、回転数をあげればバイブレーションは収束する仕組みになっている。変わらないことを魅力の1つとするハーレーだが、21世紀のモーターサイクルとして進化は避けられない。しかし、ハーレーの魅力をしっかりとわかった上でのこのエンジンの正常進化は不満を覚えるものではない。これほど心躍るエンジンは他メーカーを見渡してもなかなかないだろう。

 

車両写真ダイナファミリーは1584ccのビックツインエンジンを搭載するファミリーでは、最もスポーツに適したモデルだ。シンプルなルックスとスポーティな乗り味のバランスが魅力だと思っているが、ダイナファミリーのスポーツ性はいかがなものだろうか。年々ワイド化するリアタイヤ幅が走行にどう影響しているのかも気になるところであった。本格的なワインディングまでは足を延ばせなかったが、ローライダーを走らせてみての感想は「思った以上に乗りやすい…曲がる」というモノ。ハーレーでは仕方がない「リアが重い感覚」はあるものの、その代わり直進安定性は抜群。よほどのスピードでコーナーに進入しなければ怖さもなく、堂々とした走りを見せてくれる。フットポジションも調度いい。以前、試乗したソフテイルファミリーのモデルでは足は問題なく届くものの、下半身がガッチリと固定されず少々落ち着かなかった。ローライダーの、ダイナファミリーのモデルのフットポジションは前過ぎず、後ろ過ぎず、ほどよいホースバックライディングだ。お尻にかかる体重もシートが充分に受け止めてくれるもので、不満要素は何もない。ツーリングファミリーのように高速巡航時の風を防ぐことはできないが、ダイナファミリーは風をも楽しむためのモデル、野暮なことは言ってはいけない。100km超のスピードでもミラーがぶれることもなく、20世紀のモデルのように振動を体で押さえ込む必要もない。街乗りからロングツーリングまで大柄な車体とトルクフルなエンジンに包まれて、思う存分楽しめるモデルだった。

こんな方にオススメ

スポーツスターと迷うなら
必ず試乗して欲しい

ローライダーは指名買いが多いと聞く。スタイルと高級感に惹かれて選ぶ人が多いのだろう。もしダイナファミリーの中で迷うとすればFXDCか。どちらもクロームメッキを豪華に奢ったモデルなものの、走行フィーリングはやや違う。2モデルの差をわけているのはサスペンションだ。FXDCの方がスポーツ寄りの高い車高になっており、ダイナファミリーでスポーツを楽しみたい人はFXDCの方がオススメ。ただし、ローライダーでもそれなりにスポーツ走行は楽しめるため、車高の低さがお好みの方はローライダーを選んで間違いはないだろう。また、スポーツスターと迷う人がいるならば、両車を試乗することをオススメする。スポーツスターの方が軽快であるものの、400cc近く違う排気量から巡航時の余裕は明らかにローライダーの方が上。ビックツインの溢れんばかりのトルクを楽しみ、なおかつスポーツ性もある。そんな贅沢なモデルがダイナファミリーで、もっともワルっぽさを演出しているのがローライダーなのだ。

プロフェッショナル・コメント

クロームパーツの高級感
最大の魅力はそこでしょう

解説ディーラー 初めてハーレーを試乗する人は、ローライダーが採用しているTC96エンジンのバイブレーションに驚かれますね。エンジンの震えが体に伝わってきて、ヤラられてしまう人はたくさんいらっしゃいます(笑)。エンジンのバイブレーションは同じTC96エンジンでもツーリングファミリーとは、違ったものです(ラバーの数がダイナは2点、ツアラーは3点のため)。どちらも乗り比べてみるのと、その違いを楽しめると思いますね。2005年以前のモデルとの違いについては、最近は気にする人は少ない…むしろ現行は好評ですね。フロントフォークが太くなり、1584ccのエンジンにも負けない高い剛性を持っていますし、シンプルなヘッドライト周りはもはやスタンダードになったと言えるでしょう。

 

車輌購入時に相談を受けることが多いのは、ポジションですね。ハンドルがややワイドに感じる人もいらっしゃいますので、納車前に跨っていただき、ハンドルを体に近づけたり、幅を狭くしたりとオーナーにあったポジションを提案します。もともと車高が低いモデルなのでシートはノーマルでも充分ですが、シートもさらに薄く。足つきがいいモノに変更も可能です。

 

ローライダーはもともとクロームメッキパーツがふんだんに使われていますから、何も触らなくても充分に高級感が感じられます。もちろん純正オプションでクロームパーツは豊富にラインナップされていますから、少しずつ自分好みのカスタムを施して、他にないローライダーを製作する楽しみもありますけども。一度好きになってしまうと、他のモデルには目移りしづらい、それがローライダーです。

ユーザーのカスタムハーレー01

ユーザーズ ハーレーダビッドソン

スタイルも、太いトルクも魅力的
とにかく距離を走りたくなるバイクです

2008年式FXDL 大阪府/小川さん

友人からスポーツスターを借り、乗ってみたのがハーレーに興味を持ったきっかけでした。それで「XL1200N」を注文したんですが、入荷が遅れてしまって。それで他のモデルも見ている時にこのローライダーに出会ったんです。私のローライダーはHD純正のエッジフレイムタンクフェンダーキットが取り付けられていて、フレイムパターンが上品なところに惹かれました。カスタムはまだまだこれから進めるつもりで、ドラッグバーやスイッチ周りをクロームのモノにする予定です。他にも2台バイクを持っていますが、今はローライダーばかり乗っています。春が来て、暖かくなってきたら九州まで走りにいくつもりです。

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ハーレー・ディテイル

[1] HD純正のカスタムペイントが施されたタンクとフェンダー。これが購入の決め手になった。[2]純正のLEDテールライト。バー&シールドロゴ入り。[3]前後のウインカーは純正のタイプターンシグナルレンズキットをチョイスし、スモークレンズに。[4]グリップは純正のスカルコレクションのモノを採用している。

ユーザーのカスタムハーレー02

ユーザーズ ハーレーダビッドソン

足つき、取り扱いやすが魅力
イチバン乗りやすいビックツインでしょう

2008年式FXDL 兵庫県/吹井さん

ローライダーを購入する前は「XL883L」に乗っていました。もう少しトルクのある車輌に乗り換えたいと思い、ローライダーを選びましたが、身長があまり高くないため足つきの良さは重要な要素だったんです。ファットボーイと悩んだのですが、ローライダーの方が足つきが良く、取り回しもしやすいですね。ただノーマルのポジションでは、私にはまだ操作しづらいところがあったので、乗りやすいよう少しずつカスタムを進めています。ハンドルを体に近く、幅も短くしたことと、ブレーキレバーを踏みやすいものに交換しました。これだけでだいぶ乗りやすさは変わり、安心して距離を稼げるようになりましたね。

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ハーレー・ディテイル

[1]ウインドシールドは以前のXL883Lのモノを流用。小振りでも効果絶大。[2]ハンドルにはガーミンのGPSナビを取り付け。ツーリング時に大いに役立つ。[3]ブレーキレバーは踏みしろが大きなモノを採用。リアブレーキがかけやすくなった。[4]ダービーカバーをHD純正のスカルコレクションのモノに交換。。

モデル詳細

xl883lFXDL
ダイナ・ローライダー

■サイズ=全長2350mm×全幅920mm×全高1195mm

■ホイールベース=1625mm

■最低地上高=142mm ■加重時シート高=655mm

■タンク容量=18.2L

■エンジン=TWIN CAM 96 1584cc

■価格=207万1000円(モノトーン)、210万2000円(ツートーン)

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