ハーレー最新モデル徹底研究室 - ソフテイル FLSTN ソフテイル・デラックス

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 FLSTN / ソフテイル・デラックス
FLSTN / ソフテイル・デラックス
キャラクター&歴史

ヴィンテージ色が強く
シンプル装備のFLSTN

今回紹介するのは2005年モデルから登場したFLSTN、ソフテイル・デラックス。前後16インチホイールにホワイトウォールタイヤを採用し、現行モデルの中でも特にクラシカルなテイストを持つモデルだ。“FL…”の名を冠したモデルは、旧き良きハーレーのスタイルを少なからずモチーフにしているが、中でもFLSTNはヴィンテージ色が強い。決して販売台数が上位のモデルではないものの、そのトラディショナルなスタイルに惹かれ、FLSTNは指名買いされることが多いのが特徴だ。それでは、FLSTNとはどのようなモデルなのか、その魅力を探ってみよう。

特徴

完成されたスタイルを持ち
年式による仕様変更は少ない

車両写真“ソフテイル・デラックス(以下、デラックス)”としてのFLSTNの登場は2005年だが、同じFLSTNの名を持つモデルは90年代にも存在した。“ヘリテイジ・ソフテイル・ノスタルジア(以下、ノスタルジア)”と呼ばれていたモデル。1993年モデルで登場したノスタルジアはシートやテールランプなど細部に違いはあるものの、デラックスと同様にホワイトウォールタイヤを履かせたヴィンテージ色の強いモデルだった。ペットネームこそ違えど、同じFLSTNの名がつけられるだけあってスタイルは非常に似ていた。ただ、デラックスはノスタルジアより細部のヴィンテージ色がさらに強められている。ヴィンテージハーレーの名車とされる、ナックルヘッドやパンヘッドの時代に純正採用されていたトゥームストーンテールランプやホワイトウォールタイヤは、デラックスらしさを象徴するアイテムで、タンデムシート下から伸びる小振りのラゲッジラックもクラシックテイスト演出するポイントとなっている。

 

細部のパーツまでヴィンテージ色で統一されているのがデラックスの特徴だが、これほど高い完成度を誇るのはソフテイル全モデルに採用された“ソフテイルフレーム”がベースにあるからこそ。パンヘッド時代まで採用されていた、リアサスペンションを装備しないハードテイルフレーム(リジッドフレームとも言う)は確かに美しいスタイルではあったが、リアサスペンションの有無は乗り心地に大きく影響する。デラックスのハードテイル風のソフテイルフレームは、フレーム下部にリアサスペンションが隠されており、ハードテイル風でありながらソフトな乗り心地が約束されているのだ。ちなみに、ソフテイルフレームの名前の由来はハードテイルに対して、乗り心地がソフトなことからきている。これは、少しハーレーに詳しい人ならご存知のことだろう。

 

さて、2005年式から現行までのデラックスの仕様変更についてだが、ソフテイルファミリー全体の大きな仕様変更以外には大きなものはない。ソフテイル全体の変更点について記載しておくと、2007年モデルで排気量1584ccのツインカム96Bに変更され、キャブレターがインジェクションに変更。あとは2008年モデルでフレームとスイングアームが強化されたことくらいだ。まだデリバリーが始まっていない2009年モデルでも、足つき性を良くするためにシートに小変更が加えられた程度。近年ワイド化が進んでいる前後タイヤサイズについても登場以来変更はなく、2005年モデルの時点でスタイル的にはほぼ完成していたと言える。

肩幅より広く、やや低い絶妙なポジションを誇るハンドル、取り回しもしやすい。すり抜けにはややワイドに感じられるが、高速巡航時にはこの適度なポジションが快適さを実現してくれる。

絶妙なポジションのハンドル

肩幅より広く、やや低い絶妙なポジションを誇るハンドル、取り回しもしやすい。すり抜けにはややワイドに感じられるが、高速巡航時にはこの適度なポジションが快適さを実現してくれる。

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ソフテイルFLモデルやツーリングファミリーには全車採用されているのがフットボード。ロングツーリング時の足の疲れにくさには定評がある。ただし、少し車輌を倒すとすぐにフットボードを擦ってしまうので注意。

FLには欠かせないフットボード

ソフテイルFLモデルやツーリングファミリーには全車採用されているのがフットボード。ロングツーリング時の足の疲れにくさには定評がある。ただし、少し車輌を倒すとすぐにフットボードを擦ってしまうので注意。

小振りではあるものの、荷物の積載に大いに役立つラック。タンデムシートと合わせれば、かなりの荷物を積載することができ、荷掛けネットのフックを固定する際にも便利だ。見た目のアクセントとしても◎。

小振りのラゲッジラック

小振りではあるものの、荷物の積載に大いに役立つラック。タンデムシートと合わせれば、かなりの荷物を積載することができ、荷掛けネットのフックを固定する際にも便利だ。見た目のアクセントとしても◎。

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前後が分けられたシートの間には控えめにグラブバーが取り付けられており、シートレザーのデザインと合わせてクラシカルな雰囲気。お尻を包み込むような幅広のシートもFLらしさを演出するポイントだ。

前後が分割されたシート

前後が分けられたシートの間には控えめにグラブバーが取り付けられており、シートレザーのデザインと合わせてクラシカルな雰囲気。お尻を包み込むような幅広のシートもFLらしさを演出するポイントだ。

試乗インプレッション

絶妙なポジションで
どこまでも走りたくなる

車両写真ソフテイルのFLモデルの中で、個人的に一番興味があったのがFLSTNだった。同じファミリーのFLモデルの中では、以前からFLSTFの人気がダントツではあるが「質感の高さと、乗る楽しさのバランスが取れているのは、3モデルの中ではFLSTNだろう」と思っていたのだ。その思いはいざ実車を目にしても変わらない。クロームに輝くツインカム96Bエンジンは見る者の目を惹く美しさを誇る。FLSTCと比べると、サドルバッグやウインドシールドなど豪華装備はないが、シンプルな装備であるからこそ、エンジンの美しさやホワイトウォールタイヤの美しさが際立つというものだ。それではシートに跨ってみよう。カタログ上の数値ではソフテイルファミリーでもっとも低い622mmの加重時シート高だが、跨った感覚ではもう少し高く感じた。とは言っても足つき性が悪いわけではない。お尻を包み込むような、快適なシート形状が思ったより幅広に感じただけだ。ハンドルポジションがゆったりとしているため取り回しも悪くなく、小柄なオーナーでもポジション変更をしなくても乗りこなせるはず。フットボードが採用されたフットポジションも快適そのもの。ブレーキペダルが少し遠く感じる人もいるかもしれないが、ソフテイルFXモデルのフォワードコントロールに比べると、体に近いところに足を置け、長時間走るほどに疲れ具合に差が出てくるだろう。シフトチェンジに前後で踏み分けるシーソーペダルが採用されているのもFLモデルが人気の理由の1つ。シフトの際に前後のペダルを踏むだけで変速できるため、ブーツの甲を痛めることがない。こだわりのブーツや、スニーカーを愛用している人にとって、シーソーペダルは見逃せない装備だろう。

 

車両写真走りはじめて最初に考えたのはFLSTFとの違い。前後ともワイドタイヤを履かせたFLSTFは慣れるまではコーナーなどで乗りにくかった印象があったが、FLSTNはなかなかの走りを見せてくれた。もちろん、少し倒すと擦りそうになるフットボードや、スポーツ性よりスタイルを重視したソフテイルフレームを採用しているため、ヒラヒラ走るわけではない。それでも、のんびりと優雅に走る分には「曲がらない!」と思うことはまずないはずだ。この乗り味の違いは車体のディメンションなど、さまざまな要因があるだろうが、タイヤサイズの違いも大きいと思われる。FLSTFのワイドタイヤの迫力は確かに魅力だが、伝統的に採用されてきたFLSTNのタイヤサイズは絶妙なものと言える。排気量が上がり、フレームなどが強化されているものの、このタイヤサイズを守り続けているのは決してクラシカルな見た目だけが理由ではないはずだ。一般道での乗りやすさを堪能した後は、バランサーが搭載されたエンジンのフィーリングを味わうため高速へ。ダイナやツーリングファミリーのラバーマウントエンジンとは一味違うフィーリングの恩恵をもっとも味わうには高速巡航を堪能するに限る。法廷速度+αまで加速しても、不安にさせる材料は何もない。エンジンの振動は内部のバランサーが収束してくれ、強化されたフレームのおかげで車体のヨレもない。高速でわざとギャップを踏んでみたときに伝わる衝撃は、確かにツーリングファミリーに比べるとやや強めに伝わるが、一般的なツーリングで不満を感じるものではなかった。「このスタイルのモデルが、これほどの走りができるとは…」思わずソフテイルファミリーを見直すほどのバランスのいいモデルだ。

こんな方にオススメ

シンプルな装備と
バランスの良さが魅力的

ソフテイルFLモデルの中で、どれにしようか、と迷っている人にまず考えて欲しいのは前述のタイヤサイズだ。FLSTFのワイドタイヤやそのスタイルに惹かれたのであれば迷わずFLSTFを選ぶべきだが、コーナーリングも走るようなツーリングをこなす機会が多いのであれば、FLSTNかFLSTCを選択すべきかもしれない。FLSTFが走らないわけではないが、筆者が試乗した感覚では明らかに後の2モデルの方がバランスのいい走りを見せてくれた。また、FLSTCとの比較であれば、スクリーンやサドルバッグなどの装備の有無がポイントとなる。どちらもロングツーリングには大いに役立つアイテムだが、FLSTCの見た目の豪華さは好みが分かれるだろう。FLSTNの持つシンプルで上品な質感はFLSTCにはないものであり、そこが車種選びの決め手になるだろう。また、ロードキングなどツーリングファミリーと迷う際のポイントは、エキパイの取り回し。2008年モデルまでのツーリングファミリーは、シート下をリア側エキパイが通るため、真夏にはかなりの熱気が足元から上ってくる。しかし、FLSTNを含めたソフテイルFLモデルは左右2本出しマフラーを採用していないため、エキパイの取り回しは熱さを感じないものとなっている。ツーリングファミリーとで迷ったときはスタイル以外に、これらの点を考慮に入れた方がいいだろう。

プロフェッショナル・コメント

左側だけにサドルバッグを
積載性はこれで充分です

解説ディーラーFLSTNはクラシカルな雰囲気に惹かれて購入する方が多いですね。同じソフテイルFLモデルではFLSTFの人気がやはり高いですが、スポークホイールが採用され、細部まで造り込まれたFLSTNもじわじわと人気が上昇しています。他モデルからの乗り換えだと、ダイナファミリーのFXDLからの乗り換えが多いですね。「イメージがまったく違うじゃないか」と思うかもしれませんが、ダイナファミリーとはまったく違う魅力を持ち、車高も低いモデルが欲しいとなると、FLSTNに注目が集まるのも不思議ではありません。そういう点では、FLSTNは初めてハーレーを購入する方や女性の方にもオススメです。足つきはいいですし、ノーマルでもハンドルは遠くなく、しかもフットボードを採用しているのでフットポジションに不安もありません。ソフテイルファミリーはカスタムパーツも豊富で、クロームパーツなどで自分なりの個性を出しやすいのも魅力的です。他に人気のパーツと言えば、リアの左側につけるサドルバッグでしょうか。マフラー側をシンプル見せるため左右につける人はまずいませんが、最低限の収納のために小振りのサドルバッグをつける人は多いですね。

バージンハーレー読者のカスタムハーレー01

ユーザーズ ハーレーダビッドソン

クラシカルな雰囲気に惹かれ
FLSTNを選びました

2007年式FLSTN 東京都/ごうさん

以前もハーレーに乗っていたんです。一時、降りていた時期がありましたが、妻の許可をもらい、昨年また戻ってくることができました。車種選びをはじめたときは、最初からソフテイルファミリーに絞っていました。僕は身長が182cmありミッドポジションはちょっと窮屈。あとリアサスペンションが見えないモデルがよかったんです。それでFLSTNを選びました。最後まで悩んだのはFLSTFでしたね。FLSTNのクラシックテイストの強さも魅力的でしたが、最終的に決め手になったのはFLSTFはタイヤ代が高いこと(笑)。長く乗っていくには維持コストを考えないわけにはいきませんからね。

spacer

ハーレー・ディテイル

[1]ハンドルは幅広で体に近いサンダンス製に交換。[2]エンブレムは60年代のモデルに採用されていたモノに変更。エアクリーナーはS&S製に。 [3]オークションで手に入れたモーターステージ製マフラーに交換。[4]ヘッドライトはバイザー付きタイプのモノに変更し、スタイルにアクセントをつけた。

バージンハーレー読者のカスタムハーレー02

ユーザーズ ハーレーダビッドソン

このモデルに憧れて
バイクの免許を取りました

2007年式FLSTN 東京都/西新井さん

バイクの免許を取るきっかけは、FLSTNに乗りたかったから。でも、練習のため、1年ちょっと中型のクルーザーに乗り、しばらく走ってバイクに慣れてからFLSTNを購入しました。乗り始めの第一印象は、以前乗っていたクルーザーの方が乗りやすかったこと(笑)。でも、満足感はこちらの方が断然上ですね。カスタムは納車前からはじめました。ブラックのカラーリングが好みじゃなかったので、カスタムペイントは最初にお願いしたんです。あと、ポジションを合わせるためのシートとハンドルを交換しています。ハンドルはFXST用ですが、しっくりとくるポジションになりました。

spacer

ハーレー・ディテイル

[1]カラーリングは何層にも塗り分けたホワイトパール。[2]シートはK&H製のモノをセミオーダー。車体カラーと色を分け、アクセントをつけている。 [3]ラフテール製のサドルバッグはエクストララージサイズをチョイス。[4]ウィンカーレンズは純正オプション、バルブをデイトナ製のモノに交換。

モデル詳細

flhxFLSTN
ソフテイル・デラックス

■サイズ=全長2405mm×全幅980mm×全高1115mm

■ホイールベース=1638mm

■最低地上高=122mm ■加重時シート高=622mm

■タンク容量=18.9L

■エンジン=ツインカム96B

■価格=233万8000円(モノトーン)

    236万9000円(ツートーン)

    243万9000円(105周年記念モデル)

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