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登場から約60年経った今も 今でも根強いファンの持つ『パンヘッド』。独特の造形は現代のエンジンとは一線を画し、当時のメカニッカーたちの情熱と、ハーレーダビッドソンの商品寿命、そして歴史の長さを改めて感じさせてくれるものです。今回の講義では、この『パンヘッド』について解説いたしましょう。
パンヘッドって 1948年に堂々登場したのが、この「パンヘッド」。1948年といえば、そう伝説の名車『ヨンパチ』の年ですね。『ヨンパチ』については、下記の注釈をご参照下さい。さて、パンヘッドですが、ナックルヘッドの後継機として開発されました。当時、ナックル・ヘッドは非常に優れたエンジンとして名を馳せましたが、それでもオイル漏れやオーバーヒート、ロッカーアームの損傷など故障もありました。それを改善することを目的として、開発されたのがこの『パンヘッド』です。スペックはナックルヘッドとほぼ同様で、排気量は1,000ccと1,200cc、最高出力も50psとナックルとほぼ同様でした。基本性能こそほとんど同じでしたが、信頼性は格段に向上したエンジンです。特にシリンダーヘッドがアルミに変わったことで、オーバーヒートに対する信頼性は飛躍的に上昇しました。また、アルミ素材に変わったことによる副次効果として軽量化も図られたんです。 注釈01
パンヘッドって性能は? 当初、パンヘッドは性能的にはナックルヘッドとほとんど変わりませんでした。これは、ハーレー社が性能アップよりもマイナートラブルの改善を目指したからです。もともとナックルヘッドは当時としては、優れたエンジンでしたから、トラブルさえなくなればという意識があったのでしょう。事実、パンヘッドはナックルと比べて信頼性は大きく向上しているんです。1949年のハイドラグライド誕生にともなって、快適さが増したハーレーは、さらに出力を高めていきます。これは、ナックルヘッドと比べて信頼性が高かったからこそできたといえます。当初の50psから、55psにまでアップし、ナックルヘッドと比べて大きく上昇しました。しかし、高出力化に伴って、初期には想定されていなかった問題が起こってきました。例えば、プッシュロッド上端に内装されていたハイドロリック機構などがそうです。1952年にこの問題は解決されましたが、逆に言うならそれ以前のパンヘッドにはそういう問題があったともいえます。
パンヘッドの ロッカーアームのカバーが「なべ」に似ているところからニックネーム的に付けられています。 キャンプなどに使用する飯盒(はんごう)によく似ていますよね。
パンヘッドは年式によって はい。他のエンジンでも、ハーレーは進化を続けてきましたが、パンヘッド時代は、ハイウェイ時代到来の真っ只中だったということもあり、サスペンションやエンジンの高速化で変更点は多々見られます。簡単にご説明しますと、以下のような変更があります。『ヨンパチ』から始まって、『エレクトラグライド』までの変遷は、まさに歴史を感じさせてくれるのではないでしょうか。
1949年…ハイドラグライドの誕生(油圧式のテレスコピック式フォークの採用)
1950年…吸気ポートの拡大によって、出力向上、55馬力に 1952年…ハンドシフトから、FL系としては初のフットチェンジに変更を受ける。 1953年…スポーツスターの前身である「K」モデルの登場 ※1,000ccのELシリーズが生産中止に
1955年…スポーツタイプのFLH1200が登場 ※最高出力は60ps/5,400rpm、最大トルクは8.98kgm/3,200rpm
1958年…デュオグライドの誕生。 ※リアサスペンションをリジッドタイプから、ショックアブソーバーを装着した『スイングアーム』式に変更 ※冷却効果をあげるために、シリンダーヘッドのフィンを大きくした
1964年…シリンダーヘッドのロッカアーム部への給油方法を大幅に変更。 1965年…エレクトラグライドの誕生 ※セルモーターが搭載されたため、”エレクトラ”となった |