VIRGIN HARLEY | XL1200R ロードスター 試乗インプレ

XL1200R ロードスターの画像
HARLEY-DAVIDSON XL1200R Roadster(2008)

XL1200R ロードスター

51年の歴史を持つスポーツスター
その魅力をご紹介します

今回紹介するXL1200Rは、30ものラインナップがあるハーレーの中では常に人気の上位にあるモデルだ。初代のスポーツスターは1957年、51年も前に誕生している。アメリカに進出して若者に人気を博していたトライアンフなどの英国車に対抗し、スポーツ性能を高めたハーレーとして開発されたのがスポーツスターのルーツだ。「スポーツ」という名を冠してはいるものの、現在の水冷4気筒スーパースポーツなどとは性能的には比べものにならない。しかし、100馬力を優に超えるバイクにはない何か、をスポーツスターは確かに持っており、ハイスペックなマシンがいくらでもある中でスポーツスターを選ぶユーザーが後を絶たない。また、スポーツスターを「ビックツインモデルの廉価版」と捉えて選ぶ人も多いのは確かだが、スポーツスターの魅力はビックツインとは別のところにある。ハーレーの中でも異質の魅力を持つのがスポーツスターなのだ。そのスポーツスターのフラッグシップと言うべきXL1200Rの魅力についてご紹介しよう。

XL1200R ロードスターの特徴

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注目すべきなのは
足回りとブレーキの充実

今回の撮影用に借りたのはディーラーの試乗車。そのため、エンジンガードが装備されているが、これはノーマルで装備されているものではない(純正オプションで購入可能)。実際のXL1200Rはもう少しシンプルなフォルムとなっている。2008年モデルのXL1200Rはエンジンなどの機能面に大きな変更はないが、スタイル面では従来の12.5Lタンクから17Lへと大柄なタンクが採用され、見た目の印象は大きく変わった。1,200ccのスポーツスターモデルは4種類あるが、XL1200N以外の1200シリーズはすべて17Lタンクを装備している。一方883ccのシリーズは12.5Lタンクを装備するのが中心。トルクフルでロングツーリングを楽々とこなしてくれる1200シリーズの場合は、伝統的なスタイルを守り続けるよりも航続距離が重視されたのであろう。ブラックアウトされたOHV1,200ccエンジンは、ビックツインのツインカムエンジンがその名の通り2つのカムで制御されるのに対し、バルブの開閉を4つのカムで制御する。これによりさらにスポーツ向きのエンジンとなっているのだ。この4カムがスポーツスターのエンジンの特徴。現在ではもはや高性能とは言えないが、1957年の初代スポーツスターの登場以来守り抜かれている伝統的な機構なのだ。スポーツスター独自のエンジンフィーリングはOHVエンジンとこの4カムによるところが大きい。

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エンジンをブラックアウトする手法はXL1200Rでは2006年式モデルからの採用。メッキやポリッシュなどエンジンのルックスはモデルによって違いがあり、こういった外観の違いから車種選びを行うユーザーは多いだろう。ただし、スポーツスターはモデルによってブレーキや足回りにも違いがあるので注意が必要。もっとも充実した装備を持つのは1200シリーズではXL1200R、883シリーズではXL883Rだ。前後サスペンションの全長がもっとも長く、フロントにダブルディスクブレーキがおごられている。スポーツスターで“スポーツ”を楽しみたいと思うのならば、この2モデルの中から選ぶべきだろう。また、レイク/トレール(走りを左右する数値。フロントフォークの長さや取り付け角度によって変わる)も同じスポーツスターでもモデルによって違う。XL1200Rは1200シリーズの中でもっともフォークが立ったスポーツ向きの設定になっており、これも走行性能に影響を及ぼしている。

XL1200R ロードスターの試乗インプレッション

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スポーツする楽しさを体感できる
イマドキ珍しいオーソドックスさ

私は1997年式の1,200ccのスポーツスターを長らく愛用してきた。前後サスペンションは現在のXL1200Rに近い仕様のため、今回の試乗はエンジンやフレームなどがどれほど進化しているのか、比較するにはいい機会となった。2008年モデルでタンクが大柄になったことについては、特に不満はない。そもそも1957年の初代のスポーツスターをはじめとして、それ以降も何種類もの大型タンクが採用されてきた歴史があるからだ。17Lタンクになったことで巡航距離は恐らく350kmほどになったのではないだろうか。それ以外にもタンク大型化のメリットはある。従来のタンクだと、スポーツスターは右側のステップがかなり外に出ているように感じていたのだが、17Lタンクだとフットポジションに違和感がないのだ。タンクは自然にニーグリップでき、国産バイクから乗り換えるユーザーも戸惑わないだろう。吸気システムにインジェクションが採用されているため、セルを回せばエンジンは一発で始動。試乗した日は気温が高かったこともあり、始動直後こそアイドリングが一瞬高くなったものの、すぐにアイドリングは落ち着き、マフラーは心地いい排気音を奏ではじめた。ノーマルマフラーの排気音は思ったよりは元気。以前、ビックツインを試乗したときは「静かなものだ…」と感じたものだが、この排気音なら不満はない。

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走りはじめると、エンジンはスムーズに回りはじめる。私のスポーツスターに初めて乗ったときは「このエンジン、壊れているのか?」と思ったものだが、不快な振動もなくトルクフルに回るエンジンへと進化している。昨年のXL1200Rよりエンジン回転がスムーズになっている気がするが、ノーマルのインジェクションデータが何度か変わっており、より熟成が進んだ結果なのだろう。わざとアクセルを全閉、全開にしてみると、タイミングが少し遅れてエンジンはスロットル操作に反応を示す。インジェクションでスムーズな反応ができないはずはないので、これはわざと以前のキャブレターモデルのような味付けにしているのだろうか。こういった細かなテイストにもこだわっているのだとしたら「さすがはハーレー」と言ったところだ。スムーズ過ぎないこの設定は個人的には気持ちよく感じられる。驚かされたのはワインディングを走ったとき、私のスポーツスターより綺麗にスムーズに曲がれたこと。スポーツスターはコーナリングに癖があったはずなのだが…。2004年以降のモデルではフレームが大型化され、各部の剛性は確実に向上している。足回りは決して高級なものではないが前後のバランスが取れており、これも乗りやすさに大きく貢献しているはず。例え高級品であっても、フロントとのバランスを取ってリアサスペンションを交換しないと、逆に乗りにくくなってしまうかもしれない。また、ホイールベースもわずかではあるが長くなっており、現行モデルの安定感はこういったところにも理由があるのだろう。XL1200Rは決してヒラヒラと走ることができるモデルではない。しかし、思った通りのラインで曲がることができる。しっかりとブレーキをかけ、ギアを落とし、乗り手が正確に操作してやればきちんと応えてくれるバイクだ。他メーカーのスポーツバイクには乗り手の技術をカバーしてくれる至れり尽くせりの機能を備えたモノも多いが、ライダーが操る楽しさをしっかりと感じられるのはXL1200Rの方が上。スポーツスターが人気なのはこの操作感にもあるのだろう。スポーツライディングを楽しむベースには最適なバイクだ。

XL1200R ロードスター の詳細写真

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インジェクション採用の1,200cc

2007年モデルから吸気システムにインジェクションシステムが採用された。2008年モデルで2年目となり、点火タイミングなどのデータも熟成が進み、ノーマルのままでも味わい深いエンジンフィーリングとなっている。
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幅広のノーマルハンドル

跨った当初は「ハンドル幅が広い」と感じるかもしれないが、慣れてしまえば快適でスポーツ走行を邪魔しない絶妙なポジションだということがわかる。ハンドル交換をするとしても、保管しておくべきだろう。
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肉厚なノーマルシート

肉厚だがシート前端の幅が詰められており、足つき性は悪くない。腰周りを優しく覆うようなシート形状はツーリングからスポーツ走行まで、状況に合わせて着座位置も容易に変更できる。
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伝統のヘッドライトバイザー

かつてはダイナファミリーにも採用されていた伝統のヘッドライトバイザー。以前はポリッシュだった仕上げも現在はクロームメッキとなり、見た目にも高級感が漂っている。
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こんな方にオススメ

足回りのバランスが良く
オールマイティに楽しめる

2004年以降にラバーマウントエンジンになり、ダイナファミリーと比較されることが多いスポーツスターだが「スポーツ」を楽しみたい人なら、迷うことなくXL1200Rを選ぶべきだろう。Vツインのバイブレーションを満喫するのならダイナファミリーの1,584ccエンジンに軍配が上がるが、スポーツスターの魅力はエンジンフィーリングとスポーツライディングをバランスよく楽しめること。オールマイティに使いこなすには最適なバイクだろう。個人的な意見だが、スポーツスターはビックツインと比較して選ぶものではない。どちらかで迷っている人は最初からビックツインを選ぶべきだ。スポーツスターの比較対象になり得るのは…あえて言うならば、トライアンフ「ボンネビル」やヤマハ「SR」などか。こういったバイクとで迷っている人にこそXL1200Rはオススメしたい。また、他の1200シリーズとは足回りが違うため、スタイルだけではなく、スポーツ走行を楽しみたい人は迷わずXL1200Rを選ぶべき。

プロフェッショナル・コメント

他と迷わず、指名買いも多い
バランスのいい人気モデルです

XL1200Rをはじめ、スポーツスターが欲しくて来店される方はビックツインのような見た目の迫力は求めていない方が多い気がします。ドカティやSRなど、ハーレーのイメージとはまったく違うカラーの乗り換えが珍しくないのも面白いですね。お客さんからよく尋ねられる質問は「883と1200はどう違うの?」です。パワーは1200に劣りますが、スロットルを回して走りたい人は883。ワインディングなどでは1200とはまた違った面白さがあります。逆にロングツーリングやタンデムを楽しみたい人には1200をオススメしますね。2007年にキャブレターからインジェクション化されましたが、スロットルを捻った際のレスポンスはインジェクションの方が反応はよくなっています。試乗をしてキャブかインジェクションかが話題になることはなく、こちらが説明してはじめて気づく人も多いですね。

XL1200Rを購入する人に人気なのはシーシーバー。タンデムや荷物を括りつけるために選ぶ人が多いですね。ノーマルの肉厚なシートは乗り心地がよく、よくできています。足つきが気にならないのなら、そのまま乗ることをオススメします。XL1200Rにはスポーツやツーリングに適した、バランスのいいパーツが装備されているので、ノーマルのままでも充分に楽しめるモデルですよ。(ハーレーダビッドソンテイク箕面 大野氏)

バージンハーレー読者のカスタムハーレー

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2007年式XL1200R / しろまるうーたんさん(山口県)

試乗もせずに買いましたが
後悔はまったくありません

以前は2005年式XL883Lに乗っていました。定期点検時にXL1200Rを試乗してしまい、前後サスが長くヒラヒラ走ることができること、インジェクションの始動性の良さや走っていて楽な点に惹かれ、乗り換えを決めました。実は事故に巻き込まれたことがあり、これが3台目のXL1200Rなんです(笑)。一緒に走る仲間にはビックツイン乗りもいますが、全く問題なくついていけますし、コーナーではビックツインより曲がりやすい。XL883Lでは曲がる楽しさをなかなか実感できませんでしたが、XL1200Rに乗り換えて、本来のスポーツスターの面白さを知ることができた気がします。

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【左上】乗り心地を追求してチョイスした、純正サンダウナーバケットシート。 【右上】ツーリング時の荷物の積載にデグナー「NB-1」サドルバッグを取り付け。【左下】真冬にも走るため、純正グリップヒーターを装備。一度使うと手放せなくなった。【右下】純正ウィンカーの取り付け位置を変更。将来はスモークレンズに交換予定。

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