VIRGIN HARLEY | XR1200 試乗インプレ

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HARLEY-DAVIDSON XR1200

XR1200

往年のレーサーをモチーフにした
新機軸のスポーツスターが登場

2006年10月に発表され、一時は「ヨーロッパのみの販売か?」と思われたXR1200のデリバリーがついに始まった。発表当初から日本発売を願う声は多く、従来のスポーツスターにはない魅力に期待が高まっていた。XR1200の開発のきっかけはヨーロッパからの要望だった。しかし、そのスタイルはアメリカ生まれの人気スポーツ、ダートトラックレースで70年代に活躍したレーサーXR750がモチーフとなっている。いかにもアメリカらしいフォルムを持つXR1200だが、これを求める声がヨーロッパから上がり、車両がアメリカでは販売されないのは不思議に思える。なぜこのモデルがヨーロッパで熱望されたのか、そしてなぜヨーロッパと日本でのみの販売となったのか、見た目だけに止まらないXR1200の魅力を探ってみよう。

XR1200の特徴

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ビューエル譲りのエンジンや
ハイレベルな足回りを装備

XR1200はスポーツスターファミリーに属し、他のスポーツスターとは共通点もあるのだが、毛色が少々違うモデルと言える。他モデルはビューエルで培った技術がフィードバックされたエンジンであるものの共通パーツは少ない。しかし、XR1200はフライホイールやシリンダー、ピストンなど、ビューエル由来のパーツがおごられており、エンジンポテンシャルの高さは他モデルのエンジンをしのいでいる(日本仕様のスペックは他のスポーツスター1200シリーズに近い)。その他、高回転寄りに設定されたカムシャフトなど、現行ハーレーでは最高のパフォーマンスを狙って専用パーツが盛り込まれたXR1200は、スポーツスターの中では別格のモデルと言えよう。ただし、ビューエル譲りのエンジンでハイパフォーマンスを狙った結果、エンジンからの発熱量はかなりのものだ。2つのオイルポンプをカムギア駆動させ、エンジンヘッドを直接冷却する新冷却システムや、多段式オイルクーラーの採用によって冷却効率の向上が図られている。

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エンジン出力の向上に伴い、フレームや足回りが強化されたのもXR1200の特徴。フレームはフロント側こそ、他モデルと同様のものを採用しているが、リア側のサブフレーム、アルミ製スイングアームに新設計のものを装備しており、骨格が強化されている。また、フロントサスペンションにはスポーツスターでは初となるショーワ製の43mm倒立フォークを採用。ブレーキはニッシン製ダブルディスクブレーキとし、足回り、ブレーキともにハイパフォーマンスなものがおごられている。スポーツスターファミリーには過去にスポーツ走行を念頭に置いたXL1200Sというモデルがあったが、そのモデルですらここまで充実した装備ではなかった。ミッドステップやフォワードコントロールを採用してきたハーレーが、XR1200のみバックステップを純正採用していることからも、いかにXR1200に高いスポーツ性能を付与しようとしているのか、その意気込みが伝わってくる。

XR1200の試乗インプレッション

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日本の道にピッタリ?
軽快な運動性能を実現

XR1200のモチーフになったXR750が走る映像は何度も見たことがあるが、リアを滑らせ土煙をあげながらコーナーに突っ込んでいく姿は今も脳裏に思い浮かべることができる。XR750より大柄になったとは言え、XR1200を見ると同じような走りができそうな気分になってしまう。またがるだけでレーサー気分になれるのは、実はかなり重要なこと。オーナーの所有感は存分に満たされるだろう。では次にポジションについて。ステップが他のスポーツスターより後ろに位置しているため最初は少し違和感がある。フットポジションの幅が広いので、ひざが落ち着かないのは従来のスポーツスターと同じ。おそらくニーグリップは想定されていないのだろう。エンジンを始動すると、排気音はスポーツスターというよりビューエルに近く、元気なサウンドを奏ではじめた。エンジンはスポーツスター以上に荒々しいフィーリングで、鼓動感に溢れている。ただし、低速トルクは他のスポーツスター1200シリーズの方が太い。決してトルク不足ではないのだが、加速騒音規制に対応させるため、低速は細くなっているのだろうか。ただし、中高速は元気にエンジンが回る。カムプロフィールなどが他モデルと違っているため、高速巡航時のスピードの伸びもスムーズだ。これなら、それなりに速いバイクとのツーリングでもストレスなく着いて行くことができるだろう。

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エンジンポテンシャルを引き出してやれば低速~高速までがさらに伸び、ラバーマウントエンジンのおかげもあって快適に走ることができるはずだ。実際、私の知るショップはインジェクションと排気を触っただけで別物のフィーリングになった、と言っていた。フロント18、リア17のホイールにラジアルタイヤを履かせた足回りはグリップがよく、他のスポーツスターに採用されているフロント19、リア16のホイールサイズより明らかに軽快に走る。この軽快さのおかげで、ワインディングも存分に楽しめた。ストレートが中心のアメリカでXR1200が販売されないのは、ワインディングが少ない一般道ではフロント19、リア16の方が合っているからなのだろう。しかし、日本やヨーロッパの道では、XR1200のこのホイールサイズは俄然活きてくる。「日本にはハーレーが活きる道なんてない」そう思う人がXR1200に乗ると、目から鱗が落ちるかもしれない。

XR1200 の詳細写真

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タンク下部に設置されたエアインテーク

従来のハーレーはエンジンサイドにエアクリーナーが設けられていたが、XR1200ではダウンドラフトタイプを採用。インジェクションシステムのスロットルボディも大口径のものが採用されている。
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ポテンシャルの高いエンジン

日本仕様こそ他の1200シリーズと同等のスペックだが、ヨーロッパ仕様では90馬力を誇るエンジン。オイルラインの変更やオイルクーラーの標準装備などで、ハイパワーにも耐えうる設計となっている。
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専用設計のアルミスイングアーム

サブフレームやスイングアームは新設計。ホイールサイズの変更に加え、細かなパーツが専用設計になったことが、XR1200の安定した走りや高いスポーツ性能に大きく貢献している。
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ダートラ仕様のシートカウル

ダートトラック仕様と言えば欠かせないのがこのシートカウル。シート高はハーレーで最も高い。XR750より大柄なものが採用されているが、これはタンデムシートのスペース確保のため。
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こんな方にオススメ

尖がったスポーツ性能ではない
楽しみながらスポーツしたい人に

従来のスポーツスターでスポーツ走行を楽しんでいた人、そしてビューエルオーナーには間違いなくXR1200はオススメだ。スポーツスターファミリーの中ではもっとも高額なプライスが気になるかもしれないが、倒立フォークやエンジン仕様、余裕のあるバンク角を考えると、XR1200をベースにスポーツ走行を楽しむのはお買い得と言える。ただし、スポーツ志向のハーレーとは言え、国産スポーツモデルなどの“スポーツ”を想像してはいけない。あくまで“スポーツを楽しむ”ことに重きを置いたハーレーなのだ。エンジンがフレームにラバーを介してマウントされているため車体は大柄、スポーツスターファミリーの中では最も軽量とはいえ260kgの重量がある。「ハーレーが考えるスポーツライディングとは?」それを具現化したモデルがXR1200と考えて欲しい。「スポーツ走行+ファンライド」それを楽しみたい人には打ってつけのモデルと言えよう。

プロフェッショナル・コメント

スタイルもパフォーマンスも◎
注目度の高い、特別なモデルです

昔からダートラスタイルのスポーツスターの人気が高かったせいか、XR1200は注目度が高いです。スポーツスターやビューエルオーナーだけではなく、DUCATIなどハーレー以外の輸入車に乗っていた方がXR1200目当てで来店することが多いのも特徴的です。個性的なデザインのモデルは、幅広い支持を受けにくいはずなんですが、XR1200にはそれが当てはまりません。バランスのいいデザインだということなんでしょう。XR1200はデザイン性以外にも注目すべき点はたくさんあります。そのままでスポーツ走行を行っても不満の出ない前後サスペンションや、ポテンシャルの高いエンジンなど、他のスポーツスターをXR1200のレベルに持っていこうと思ったら、ビックツインの新車が買えてしまうかもしれません。こんな特別な車両を新車で手に入れられるなんて、日本とヨーロッパは恵まれていると思いますよ。(ハーレーダビッドソン高知 吉川氏)

バージンハーレー読者のカスタムハーレー

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2009年式XR1200 / 割田さん(東京都)

ビューエルからの乗り換えです
元気な吸排気音が魅力的

以前はビューエルに乗っていてエンジンフィーリングは大好きだったのですが、電導ファンの音が気になって…。ビューエルに近い排気音、エンジンフィーリングと聞いてXR1200を選びました。ビューエルと比べると80kgほど重くトルクも細いので、少しずつエンジンなどに手を入れていこうと思います。XR1200の魅力は、スタイルだけではなく足回りなどの装備がしっかりとしていていること。それに派手な吸気音も耳心地がいい。ただ、エンジンから上ってくる熱がスゴイ。走っている間は気になりませんが、信号待ちでは熱気が顔を襲ってきます(笑)。寒い季節は有難いのですが、夏にこの熱気を受けるのは辛いかもしれません。

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【左上】上品さが漂うヘッドライト回りのデザインがお気に入り。フォークの太さとヘッドライトのバランスもいい。 【右上】タンク下にエアインテークを配置しながらXR750の影響を感じさせるデザイン。【左下】サイレンサーがカチ上げられた2-1-2のマフラーは排気音も元気だ。 【右下】しっかりと仕事をしてくれるリアサスは質感もいい。

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