VIRGIN HARLEY | XG750A ストリートロッド 試乗インプレ

2017年式 XG750A ストリートロッドの画像
HARLEY-DAVIDSON XG750A STREET ROD(2017)

XG750A ストリートロッド

南国の大都会シンガポールにて
アーバンスポーツの実力を探る

2017年モデルの隠し球的存在となったニューSTREET RODだが、そのメディア向けグローバル試乗会がシンガポールにて開催された。とても小さな島国という先入観があったものの、実際にはどうなのだろうか。調べてみると東京23区、あるいは琵琶湖の面積とほぼ同じくらいで、やはりとても狭い。しかし、H-Dカンパニーが設定したコースは市街地を抜けると意外にも広々とした高速道路であったり、森林の中を抜けるワインディングが楽しめたりと、気持ちの良いツーリングを半日かけて満喫できた。市街地から高速道路を使って郊外へ出て、ワインディングを楽しむ。そういった意味では、このテストライドで日本の大都市圏に住むライダーが、STREET RODのオーナーとなったときの楽しみ方がおおよそイメージできたと思う。

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XG750A ストリートロッドの特徴

エンジンをパワーアップしただけでなく、
足まわりを徹底強化!

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まず、エンジンはSTREET750の水冷60度VツインSOHC4バルブを踏襲し、ボア85mm×ストローク66mm、排気量749ccに変更はないものの、吸気ポートやカムプロフィールが見直され、エアクリーナーボックスや2in1マフラーも一新。「High Output Revolution X」とネーミングされた専用パワーユニットは、ミクニ製シングルポートフューエルインジェクションが組み合わされ、スロットルボディのボア径を38→42mmに大径化し、パワーを18%、最大トルクを8%向上している。

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そしてもっとも目をひくのが、武装された足まわり。インナーチューブ径43mmの倒立式フロントフォークに、2ピストンキャリパーと300mmディスクローターをデュアル装備し、7スプリットのオープンスポークキャストアルミニウムホイールを履く。タイヤサイズは前後17インチで、専用開発した新作ラジアルタイヤ「ミシュラン・スコーチャー21」がセットされるが、120/70R17と160/60R17の組み合わせは、リプレイスメントでもタイヤの選択肢が大幅に増えた。

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XG750A ストリートロッドの試乗インプレッション

跨った途端に感じるスポーツマインド!
軽快なハンドリングはワインディングで実力発揮!!

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実車を目の当たりにして感じるのは、スタイリングが洗練されていること。まず、メーターを覆い隠す部分に黒のインサートが入り、ブラックアウトされた車体との色調を上手く合わせたスピードスクリーンが見るからにアグレッシブ。このビキニカウルは3色設定されるボディカラーと同じペイントが施され、フロントマスクを精悍なものにしている。

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そしてハンドルは幅広なドラッグスタイルバーで、若干の前傾姿勢とともに両ヒジが自然と広がるワイルドなライディングポジションをもたらす。上目遣いで行く手の先へ視線を送るような走りへのパッションが自然と湧いてくるようなフィーリングで、ステップも若干ながら後方内側へマウント位置が見直され、バンク角がより深くなっているのも嬉しい。

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これはワインディングで実感した。連続するタイトコーナーでステップ裏のバンクセンサーを路面に擦りつけつつ、ヘルメットの中で思わず頬が緩んだ。前後17インチとラジアルタイヤの組み合わせは、フロントから旋回していく現代的なハンドリング。シートの着座したお尻をイン側にずらせば、ステップワークと荷重配分が無意識なうちにバッチリと決まり、コーナーをキレイに駆け抜けることができる。

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XG750A ストリートロッドの詳細写真

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HARLEY-DAVIDSONのアジア・パシフィックの拠点となるのがシンガポール。ニューSTREET RODのプレスローンチが4月下旬に開催された。写真は第1WAVEとなったインドのメディア陣に向けた技術説明会の様子。
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まず目をひくのが、アグレッシブなフォルムを生み出している新作エクステリアパーツたち。ヘッドライトにセットされるスピードスクリーンは車体色と同じカラーで塗られ、フォルムもエッジが効いてスタイリッシュだ。
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インナーチューブ径43mmの倒立式フロントフォークに、2ピストンキャリパーと300mmディスクローターをデュアル装備。7スプリットのオープンスポークキャストアルミニウムホイールは前後17インチだ。
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200km/hまで目盛りが刻まれた単眼スピードメーターには、小型液晶画面が埋め込まれ、時計やオド/トリップメーターを切換表示できるほか、ギア段数とエンジン回転数もディスプレイすることができる。
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ミラーはバーエンドにマウントされ、後方の視界を確保した。タイトになったライディングポジションに対応したカスタムがルーツだが、フロントまわりのアクセントとして見る者を惹きつけるポイントとなっている。
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ストレッチされたフューエルタンクは、STREET750と同形状のスチール鍛造製ティアドロップタイプ。容量3.5ガロン(13.1リットル)を確保し、キャップにはキーロックが付属する。スピード感あふれるグラフィックが施された。
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圧縮比を高めた水冷Vツインは、ブラックアウトされるなか僅かにシリンダーフィンに施されたポリッシュ仕上げのメタルの質感がコントラストを生み高級感が漂う。カムや吸気ポートが見直され、最高出力を18%、最大トルクを8%向上した。
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吸気効率が向上した新形状のエアクリーナーボックスは、ドラッグレーサーのスーパーチャージャーをイメージしたフォルムに加え、「750」であることを主張している。スロットルボディのボア径は38mmから42mmに拡大された。
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専用開発されたシートは、強烈なダッシュにもライダーが堪えられるよう後部座面が1段上がったホールド性に優れる形状。シート高はSTREET750では720mmだったが、ホイールの大径化とサスストロークのロング化によって765mmに上がっている。
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ピギーバックショックを装備し、走りの次元を飛躍的に向上。デザインを担当したH-D社のチーフデザイナー、チェタン・シェジャル氏によると「赤いスプリングでスポーティな走りを視覚的にアピールした」とのこと。バー&シールドが入った専用パーツも随所に見られる。
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テールライトやターンシグナルはLED式とし、被視認性に優れる灯火類とした。跳ね上がるテールエンドもまたデザイナーのチェタン氏がこだわったシルエット。アグレッシブなスタイルを表現するために、シートカウルとリアフレームを刷新している。
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ショート化された2in1マフラーは、サウンドも迫力のあるものとなっている。エキパイからサイレンサーに至るまですべてをブラックアウトとし、ダークカスタムの車体にマッチさせた。そんななか赤いスプリングが存在感を際立たせているのも目をひくポイントだ。
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シンガポールのメディアローンチで、スタイリングについて説明したH-D社のデザイナー、チェタン・シェジャル氏。車体のアグレッシブなスタイルに加え、ライダー自身がスポーツマインドを跨った瞬間に感じられるようライディングポジションも徹底追求したことを明かした。
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HARLEY-DAVIDSON モーターサイクル プロダクト プラニング ディレクターのピーター・ケプラー氏はプレスローンチで、「2015年および16年の米国におけるスモール・クルーザー市場(601~1,200cc)においてSTREET750の販売台数は全ての競合に勝るものでした」と好調なセールであったことを発表した。
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新型STREET RODのメディアローンチは、スペインでも同時開催された。ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、日本といった成熟したマーケットはもちろん、アセアンやインド、ブラジルなどもターゲットにした世界戦略であることがうかがえる。

こんな方にオススメ

ビギナーにもやさしいフレンドリーな一面が魅力だが、
このポテンシャルの高さは上級者も夢中になること間違いなし!!

もちろん、都会に住む若者たちがメインターゲットして開発されていることもあり、ストリートでのイージーライドも得意。気兼ねなく乗れる扱いやすさがあって、交通量の多い都市部の道も苦にしない。取り回しも軽いし、身長175cmの筆者だと足着き性も申し分ない。バーエンドミラーは左右に張り出していて、後方確認がしやすいことも付け加えておこう。

ワインディングではパワフルになったエンジンをギャンギャン回し、スポーツライディングに明け暮れたくなった。そう思わせたのは、足まわりの良さが軽快なハンドリングを生み出しているからで、これはストロークの底でしっかり踏ん張る前後サスペンションの働きもさることながら、STREET750では33度に寝かせていたフォーク取り付け角を27度にまで起こしたことが大きく関わっている。そう、STREET RODでは前後17インチ化に伴い、ディメンションも見直すというシャシーへのこだわりが開発エンジニアたちにはあったのだ。

これほどにワインディングが楽しいと、ビギナーがライディングを学ぶにはうってつけだし、上級者も飽きないはず。STREET RODは力強さを増したエンジンも魅力だが、このアドレナリンあふれるスポーティなハンドリングこそが、大きな魅力だと言いたい。

試乗ライダー プロフィール
青木 タカオ
雑誌 Virgin Harley 編集長を務める傍ら、多くのバイク専門誌、一般誌、WEBメディアに寄稿するモーターサイクルジャーナリスト。10代の頃からモトクロスレースでライディングの基礎を学び、現在では競技用オフロードモデルから、サーキットでのロードスポーツモデルの試乗インプレッションまで手広く担当する。また、バイクの仕組みを解説する著書もある。

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