VIRGIN HARLEY | ハーレーダビッドソンの技術の粋を集めたハイエンドバガー、2021年式 FLHXSE CVO™ストリートグライドを試乗インプレ! 特集記事&最新情報

ハーレーダビッドソンの技術の粋を集めたハイエンドバガー、2021年式 FLHXSE CVO™ストリートグライドを試乗インプレ!
掲載日/2021年8月27日
取材協力/ハーレーダビッドソンジャパン 取材・文/小松 男 写真/稲垣正倫
構成/バイクブロス・マガジンズ

ハーレーダビッドソンが誇るプレミアムバガー、CVO™ストリートグライド。プレミアム感溢れる装備と、リッチな乗り心地で頂点を極める。


溢れ出るヴィンテージテイストと、最新テクノロジーの融合


広大な北米大陸を優雅に横断することを目指して進化してきたツーリングファミリーは、世界中のバイカーが憧れる究極のモーターサイクルの一つだ。その中でも頂点に君臨するウルトラリミテッドをベースに、ストリートスタイルに手が加えられたいわゆるバガーカスタムが流行しだしたのは2000年代初頭のこと。その波に乗り、さらに大きな潮流をもたらすべく2006年モデルよりストリートグライドが登場することになる。


低く、そして長く構えた美しいシルエット。走行風を切り裂くバットウイングフェアリング、そして視覚的にもリアセクションをまとめるために必須とされたサドルバッグの組み合わせというセットで、瞬く間にファンの心をわしづかみにした。そのストリートグライドをベースに、エンジンからエクステリア、さらにはオーディオセットまで徹底的に改良されたのが、CVO™ストリートグライドだ。まさしくキングオブバガーと呼ぶのにふさわしい究極の一台だ。

大人気バガーモデルをベースとし 贅の限りを尽くしたパッケージ


ハーレーダビッドソンのラインアップにおいて頂点に位置するモデルとされているCVO™(カスタム・ヴィークル・オペレーション)ファミリー。CVO™は限定モデルとして生産されており、スクリーミンイーグルのパーツが用いられチューンアップされたVツインエンジンから、熟練工によって時間をかけて仕上げられるプレミアムペイント、そして多岐に渡る専用パーツなど、同じハーレーダビッドソンでありながらも特別な存在を示すまさにフラッグシップモデルである。今回はその中でも2010年モデルから加わり、ファミリーの中でも特に人気の高いCVO™ストリートグライドに注目してみたい。
2021年モデルのCVO™ストリートグライドは、特別仕様のスーパープレミアムフィニッシュペイントや、ハーレーダビッドソン史上最大排気量である1923ccを誇るミルウォーキーエイト117エンジンを採用する他、ロックフォード・フォズゲート社製の特製ハーレーダビッドソン・オーディオが搭載されているのがトピックスだ。実際に触れてみることでその魅力を探ることにした。

素晴らしいサウンドシステムと 鍛え上げられた走りの性能

カスタムのスタイルや方向性も時代に合わせた流行り廃りがある。CVO™モデルはその一歩先を進み続けるモディファイが施されており、10年前はギラギラとした派手めのカラーリングが求められていたのに対し、2021年モデルCVO™ストリートグライドのカラーバリエーションを確認すると、サンセットオレンジとブラックのツートーン、パールホワイト、ブロンズアーマーの3色で、どれも落ち着いた仕上がりとされていることが分かる。今回テストに選んだブロンズアーマーは、しっとりと艶めかしい色合いで高級感がある。フェアリングの内側までも同色でペイントされているだけでなく、エキゾーストシステムやフロントフォークのインナーチューブまでペイントされている点など、所有欲を満たすに十分すぎるこだわりが感じられる。


スクリーミンイーグルパーツを用いてチューニングされ、排気量を約2000ccまで増大されたミルウォーキーエイト117エンジンに火を入れて走り出す。393kgという車重は取り回しする際にこそ、その多大な重量を感じさせるが、エンジンを掛けて走らせている分には至極快適だ。低回転のリッチなトルクを使って流せばプレミアムクルーザーならではの優雅さを感じ取ることができ、スロットルをワイドに開けば、体を置いていかれるような強烈なパフォーマンスを発揮する。その多大なエンジンポテンシャルに見合う足まわりのセッティングにも舌を巻かずにはいられない。フェアリングの影響もあり、フロントヘビーであるには違いないのだが、低速域でもハンドルは急に切れ込むようなことはなく、速度があがるにしたがってさらに安定感が増す。リアサスペンションの動きも良く、シャープな走りを求めてコーナーリングで深めにバンクさせ、コーナー脱出時にスロットルを開けてもしっかりと動き、その運動性能の高さを感じ取ることができた。電子的に車体制御やトラクションコントロールを作動させるREFLEX™ディフェンシブライダーシステムも走りに集中できるエッセンスとして効果的だと思った。

2021年モデルに採用されたロックフォード・フォズゲート社のオーディオシステムにも触れておこう。フロントフェアリングとサドルバッグにスピーカーシステムが内蔵されており、スピーカーネットを覗くとマルチコーンが採用されていることが分かる。BOOM!™ GTSインフォテインメントシステムを介し、簡単にラジオやスマートフォンの音楽を再生することができるのもポイントだ。肝心なサウンドだが、張りのあるミッドレンジにより、しっかりと音楽が聴きとれることはもちろん、モーターサイクルというパッケージでは難しいクリアな高音域や、厚みのある低音域も実現しており、開発での力の入れようが伺い知れる。なお、BOOM!™ GTSインフォテインメントシステムはオプションのBOOM!™ Audio 30K BLUETOOTH™ ヘッドセットを連動することでさらに機能を引き出すことができる。
CVO™ストリートグライドの車両価格は469万5900円だ。これは国産高級自動車にも手が届きそうな金額であり、ベースとなっているストリートグライドスペシャルと比べて143万円もの差がある。この金額だけ見ると驚かれることもあるが、実際に両者を並べ、見て乗って比較すれば、その価値は必ず分かるに違いない。憧れのハイエンドバガーCVO™ストリートグライド、その特別なハーレーのオーナーになるのはいかがだろうか。

スクリーミンイーグルのパーツが用いられ、歴代ハーレー最大の排気量1923ccを誇るミルウォーキーエイト117エンジンを搭載。洗浄可能な専用エアクリーナーが採用されており吸気サウンドも良い。エンジンガードも標準装備。

CVO™専用設計とされたFUGITIVE™アルミキャストホイールは、フロントに19インチ、リアに18インチのセット。ハンドリングはナチュラルなものであり、長時間乗車をするようなロングツーリングでも疲れない。

フェアリングとサドルバッグにインサートされたロックフォード・フォズゲート社製のステージ2スピーカー。150Wの出力やマルチコーンタイプを採用することで、メリハリのあるサウンドをもたらす。

シートもCVO™専用に作り上げられている。CVOは多くのパーツがハンドメイドとされており、スタンダードモデルと比べ、高い質感を楽しむことができる。

ターンシグナル兼ストップランプは、サドルバッグの形状に沿って縦方向に配置されている。テールセクションのデザインには引き締められた印象を受ける。

BOOM!™ BOX GTSインフォテインメントシステムを標準で装備している。ハンドルに備わるスイッチボックスの他、パネルタッチでも操作が可能。スマートフォンやヘッドセットなどと連動することで、さらに機能を引き出すことができる。

スイッチボックス左下に備わるホームボタンで音量の上げ下げや曲の送り戻しができ、直感的に扱うことができた。グリップはCVO専用。グリップヒーターも標準装備となる。

高い防風性能を誇るバットウイングフェアリング。リーンアングルに応じてコーナーの先を照らすアダプティブLEDライトが追加装備されている。