VIRGIN HARLEY | [Dehen] Real Clothes MIKE DEHENインタビュー 特集記事&最新情報

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取材協力/DEHEN JAPAN

MIKE DEHEN氏とDEHEN JAPANのSUNNYこと岡本社長。

左はDEHEN1920のDIRECTOR、JAMES CLARK氏。右はDEHEN JAPANのDIRECTOR前田氏。

右からMIKE DEHEN氏にDEHEN JAPANの樽野氏、VICE PRESIDENTのJIM ARTAIZ氏。

1920年、アメリカに渡ったドイツ移民、ウィリアム・ピーター・ディーエンにより、オレゴン州ポートランドで高品質のニット製造会社「ディーエン」は創設された。100年に迫る歴史を誇るディーエン社はMade in USAをプライドに、三世代に渡ってファミリービジネスを貫き続けている。そんなディーエンの2012 F/W OPEN HOUSEが先日、世田谷のショールームで開催された。初来日を果たしたディーエンの直系でExecutive Memberの中心人物の MIKE DEHENへのショートインタビューを交え、OPEN HOUSEをレポート。

伝統の継承

──初来日ということですが、日本の印象は如何ですか?

MIKE DEHEN(以下) 4日前に日本に到着したのですが、ディーエンジャパンのSUNNY(岡本社長)に案内してもらい大阪、京都を観光して昨日東京に来ました。咲きはじめた桜も綺麗でしたし、非常に刺激的な4日間でした。

──まずは来日の目的とディーエンのブランドについて聞かせて下さい。

M SUNNYに会うことと、今後のディーエンの展開についてのミーティングを行うことが来日の目的です。ディーエン社は1920年に私の祖父、ウィリアム・ピーター・ディーエンがオレゴン州ポートランドでファミリービジネスとしてはじめたニッティングカンパニーです。いい素材を使って、いい商品を作る。このシンプル極まりないことにこだわって90年以上も歩んできました。すべてはこの一点に集約されます。

──創業者ウィリアム・ピーター・ディーエンの記憶はございますか?

 残念ながらわたしが小さいときに亡くなったので祖父の記憶はありません。祖母のことは記憶にあるのですが、非常に商売熱心な人物でしたね。当時の工場は祖母の自宅でした。こんなエピソードがあります。自宅に大きな機械を搬入するため、玄関のドアが大きくカットされたそうです。祖父は非常にアグレッシブな人物で独立精神が強かったと聞いています。

 

日本のスカジャンをDEHEN流にアレンジしたウールジャケットのサンプル。背中の刺繍の立体感には目を見張るものがある。右下のイラストはデザインの原画。

世田谷のDEHEN JAPANショールームにて開催されたDEHEN 2012 F/W OPEN HOUSEの模様。

DEHEN 1920のシグネチャーVネックプルオーバー(左)に、モーターサイクルセーター(右)。


一生着ることができるクオリティを誇るDEHENのアイテム。モーターサイクルセーターはバイク乗りの憧れ。

DEHEN定番のクラシックレターマンセーター。創業当時と全く同じ手法で今も作り続けられている。

──ではMade in USAにこだわる理由を教えてください。

 すべては品質にこだわるためです。もちろん今後もこのポリシーが変わることはありません。

──アメリカ本国でもディーエンのショールームはポートランド本社にしかなく、国外にショールームを設置するということはディーエン社の長い歴史の中においても異例のトピックスだと聞いていますが。

 同じポートランドのラングリッツレザーズ社にSUNNYを紹介していただいたのがキッカケでした。彼のバイタリティとディーエンの商品があれば日本のマーケットでいい展開ができると確信しています。アメリカ製品の良さを深く理解しているSUNNYとのリレーションシップからディーエンジャパン、そして東京ショールームの設置に至りました。

──それはとても大きな挑戦と言えるのでは?

 もちろんです。ちょうど日本市場に魅力を感じていたときにタイミングよくSUNNYと出会い大きなチャンスに恵まれたわけです。すごくハッピーな出会いでした。

──最後にディーエン創業100年に向けての抱負を聞かせて下さい。

 ファミリービジネスで三世代続けるのは一般的に難しいと言われています。これまでもいろいろな問題があったのですが、すべてを乗り越えてきました。その実績と日本のマーケット、ヴィンテージアイテムを取り巻く世界のマーケットを見ても、私たちがやってきたことは間違いじゃなかったと確信しています。ディーエンは特別なことを行っているわけではなく、創業当初から変わらぬ伝統の製法でアメリカ人にとっての日常着を愚直に作り続けているだけです。現在では珍しくなったへヴィーニッティングというアメリカの文化を日本のみなさんに深く知ってもらいたいと思っています。

──これから先の200年、300年とそのスタンスは変わらないですか?

 子供たちもいますので、伝統を継承して行けるようこれからも努力していきます。

──ありがとうございました!